最近、夫婦二人暮らし、それも高齢者カップルの生活を想定した分譲マンションのモデルルームを多く見かけるようになった。日本が、少子高齢化社会に突入したということだろう。マンション生活が高齢者にとって便利で快適だということが、認知されてきたともいえよう。
平均寿命が延び、老後はどんどん長くなっている。誰にも気がねしないで、思い切り好きなことをして、長い老後を充実させたい。高齢者の誰もがそう想うに違いない。だから、高齢者カップルを対象にしたモデルルームは、そうした想いを実現する舞台となるようなデザインになっている。
その特徴は、部屋数の多さを重視しないことにあるようだ。その分、住戸内全体も各部屋もすべてにゆとりをもってつくられ、完璧ではないけれどバリアフリー対応(「バリアフリーって何?」04/10/23参照)となっている。洗面所や浴室などの水廻りは、便利にコンパクトにまとめられていて、寝室と直結していることが原則だ。そうしたしつらえなら、たしかに車椅子生活や介護生活になっても支障はないに違いない。
二人が元気でいる間は、そのゆとりは住まいの豊かさそのものとなるだろう。たとえば、自己実現のための自分だけの居場所を、それぞれが持つこともできる。寝室を別々にすることも十分可能だ。子供家族や友人を、気がねなく招待もできる。そうした高齢者カップルのための生活空間は、インテリアしかないマンションだからこそ、簡単な改装で実現できるといえよう。
実際、戸建て住宅からマンションへの住み替える高齢者カップルが、最近多くなっていると聞く。高齢者にとって、マンション生活の魅力は何だろう。やはり、住まいとしての生活機能がコンパクトにまとめられたその居住特性ではないだろうか。マンションは、階段のない、それもインテリアだけの平屋住宅と考えてもいい。
そして、集合して住まうことのメリットをいかしての充実した共用施設があることも魅力だ。EV(エレベーター)等の共用設備もあたりまえのように装備されている。また、何よりも日々の住まいの維持管理の面倒をみてくれる管理会社の存在は大きい。
マンションは、住戸の玄関扉一枚外で、専用部と共用部とに明確に分けられている。共用部である外廊下やエントランスホールは、管理会社が常に維持管理してくれる。戸建て住宅のように庭の草取りや掃除、外壁の修繕を自分でしなくてもよい。管理人さんは、マンション住人みんなをサポートしてくれるお手伝いさんだと思ってもいいかもしれない。
また、マンションは、管理会社さえしっかりしていれば、防犯や防災に対してとても優れた住まいとなる。管理人さんも監視してくれているし、玄関扉の鍵さえ問題なければ、そう滅多に泥棒に入られることもない。それに、マンションのほとんどは、コンクリート造で、耐火、耐震構造だから、木造住宅に比べれば火事や地震時にも安心だ。マンション内に異常事態が発生すれば、センサーが感知、通報し、管理会社がすみやかに対処してくれるだろう。
あと数年で、5人に1人が65歳以上の老人になるという。マンション生活が高齢者にとって便利で快適な住まいであることが、もっとひろく認知されてもいいかもしれない。
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