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マンション購入ガイド

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マンション購入のポイントや住宅ローン、設備に関して解説します。
賢いマンション購入のためのノウハウとアイデアをご紹介。

第19回マンションの心地よさを示す数字

マンションに暮らした時に、心地よいと感じるのは、どんな要素なのでしょう。例えば、「静けさ」「開放感」「ゆとり」などでしょうか。しかしマンションを、建設段階で購入する場合、それらを実際に確かめることはできません。購入する前に確かめることはできるでしょうか。その目安になる数字を知っておくと、判断の助けになります。

住戸内の静けさは、「床」「天井」「壁」から。

マンションは、外部の騒音や、隣戸、上階住戸の生活音が響かない「遮音性」を高めるよう、構造上の工夫が施されていることが必要です。パンフレットで、ぜひ「床」「天井」「壁」の性能をチェックしましょう。

床の遮音性で重要なのは、床部分の「コンクリートスラブ」と呼ばれる板状のコンクリートの厚さです。20〜25cmくらいの厚さなら、生活音をあまり気にしなくても済む、と言われています。

床の構造は、コンクリートスラブに、直接フローリング仕上げをする「直貼り」と、コンクリートスラブとフローリングとの間に発泡スチロール系の下地を入れたり、フローリングの下にパーティクルボードを入れ、さらにコンクリートスラブとの間に空間を作り、ゴムクッションで支える「二重床」の仕上げがあります。二重床にすると、生活音が吸収されるので遮音性が高まります。

床の遮音性能を示すのは、「L」という表示で、日本建築学会で定めた、生活音の聞こえ方を示す数値です。マンションの場合、L-45レベルが、遮音性能が良いと言えます。パンフレットで確認しましょう。

<床の遮音等級>
L-50 L-45 L-40
足音は小さく聞こえる。椅子をひきずる音は聞こえる 足音は聞こえるが気にならない。スプーンを落とすとかなり聞こえる。 足音は遠くから聞こえる感じ。椅子の移動や物の落下音はほとんど聞こえない。

天井の構造も、コンクリートスラブに直接クロスを貼る「直天井」と、天井から、石膏ボード(プラスターボード)を吊り下げて空間を作る「二重天井」があります。

二重天井のメリットは、遮音性もさることながら、コンクリートスラブとボードとの間に、配線や配管を通すことができるという点。わざわざ、配線や配管を通すための下がり天井の部分を作らなくて良いのです。居室の壁を取り払って2つの居室を続けるようなリフォームの時も、配線や配管がそのまま活かせるというメリットがあります。

隣戸の生活音を遮断する「戸境壁(こざかいかべ)」も、床や天井と同じように、直貼り壁と二重壁があります。壁のコンクリートスラブは、20cmが遮音性能が良いラインと言われています。壁は、マンションの建築構造によって、どのくらいの厚さにできるかが違ってきますので、これもパンフレットで確かめてみましょう。

超高層マンション(60m以上・19階以上)は、実は遮音性が低いことが知られています。建物を軽量化しなければならないため、建材も軽量化する必要があり、床や壁のコンクリートスラブが薄い、と言われています。多くの超高層マンションのパンフレットには、そのような記載はありませんが、さりげなく、床・天井・壁のコンクリートスラブの厚さをチェックしてみてください。

開放感は、面積だけじゃない

広い面積の居室は確かに開放感があるのですが、「天井の高さ」も、広々と感じる開放感を生むのです。マンションは、250cmあれば、高いと感じることができるでしょう。賃貸アパート、賃貸マンションの多くは、まだ230〜240cmくらい。しかし最近の高級マンションには、天井が260〜270cmというものも出てきました。

ただし、床や天井を二重にしていないので、居室の高さが出せる、という場合がありますので要注意。建物全体の高さは、建築基準法で、敷地に対して最大の高さが決まってきます。その高さで、なるべくたくさんの住戸を作り販売するためには、1階の高さ=階高をあまり高くしない方が良いわけです。それでも、住む人の開放感のために、階高をとり、天井高をとっているマンションは、価格が割高かもしれませんが良心的ですね。

天井高は、住戸内でもスペースによって異なる場合があります。配線・配管を多く入れる水回りは、概ね、天井高は低くなっています。居室も、梁や下り天井がある場合は、部分的に天井高が低くなります。寝室になる居室や、居間のソファを置く部分の天井高があると、開放感が出て快適ですね。

天井高は、図面集のタイプ詳細図の中に、「CH(ceiling height)という記載で数字が書かれており、梁や下り天井も表現されていますので、空間をイメージしながらチェックしてみてください。

こんなゆとり部分が、暮らしのゆとりを生む

昼間、生活をするリビングダイニングルームは、たっぷりと採光や通風が取れるよう、開口部が大きい方がいいですね。建物の構造上、住戸内に大梁が出てこない「アウトフレーム(逆梁)」工法なら、サッシの高さを天井近くまで取ることができます。200cmの高さがあるサッシなら、明るさが格段に違ってきます。

また、間口も重要な要素。住戸の左右の幅を「スパン(開口)」と言いますが、7m以上のスパンがあると、住戸のメインの方角にサッシ幅がたっぷり取れて、明るく爽やかな住戸になります。

スパンが広いと、例えば廊下幅にもゆとりが生まれます。将来、高齢になった時には、廊下に手摺りを付けること、また車椅子が通れることが必要になります。そのためには、廊下幅は85cm〜1mは必要です。バリアフリーと称するマンションでも、廊下幅をしっかり取っている住戸かどうかを、チェックしましょう。

“あともう少し”のゆとりは、キッチンにこそ必要です。キッチンで重要なのは、キッチン全体の広さではなく、システムキッチンの天板の幅です。シンクは大きな鍋が洗えるかどうかは大事ですし、天板の上に、食器の水切りカゴを置けるかどうか、あるいは食器洗浄機を置けるかどうかで、キッチンの使い勝手はかなり変わってきます。それらが満たされるためには、240〜260cm幅のシステムキッチンが欲しいところです。

マンションを選ぶ時、このような数字を知っていると、住み心地の良いマンションを選ぶ手がかりになります。ご自身がこだわり所は何でしょうか。明るさや爽やかさか、開放感か、または生活動線のゆとりか。それらを思い描きながら、住む人に対して配慮のあるマンションを探したいものですね。

神ひとみ神ひとみ(ジン ヒトミ)
株式会社メイプルノア代表取締役
1964年東京生まれ。リクルート、浜野商品研究所などを経て、1996年よりマーケティングプランナーとして独立。分譲マンションの販売計画、広告デザインと共に、より良い住まいのあり方をディベロッパーに企画提案している。滞在型市民農園(クラインガルテン)の事業プロデュースは1994年から。田舎の農園で暮らすセカンドライフを提案している。