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マンション購入ガイド

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マンション購入のポイントや住宅ローン、設備に関して解説します。
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第22回地震に強いマンションですか

大きな地震が起きると、「我が家は大丈夫か」と心配になりますが、しばらく地震がない時には、意外と忘れがちです。補強工事がしにくいマンションだからこそ、購入する前に、地震に強い建物かどうかをチェックするのが重要です。

今年6月実施の新建築基準法が安心材料に

マンションの地震対策の一番重要な点は、「建物構造」にあります。1981年の建築基準改正法で定められた新耐震基準は、震度6強レベルの地震で倒壊しない“耐震性”=“地震に耐えられる頑丈な構造体”を重視する考え方です。阪神・淡路大震災や、新潟中越地震に耐えたマンションの多くは、この建築基準改正法以降の建物でした。

建築基準法は2000年に改正されて、構造計算法に「限界耐力計算法」が導入され、最低限度の耐震能力を持っている構造物であることが構造計算上、表されないと建築を許可しないことになりました。建築基準法に正しく合致している構造物であれば、ひとまず安心、ということが、数字上では言えるわけです。

しかし、その構造計算が偽装された“耐震強度偽装事件”は記憶に新しいところ。その再発防止に向けた対策の手始めとして、2006年6月に建築基準法が改正され、1年後の2007年6月から実施されています。第三者機関による確認審査が導入されるなど、耐震偽装を防ぐ対策が盛り込まれているため、これから建築確認審査を受ける物件は、さらに安心というわけです。

マンションによっては、2000年に施行された品確法に基づく「住宅性能表示基準」を採用し、耐震性や安全性を客観的に示している物件もあります。それには「耐震等級」があり、等級1は、建築基準法の耐震レベル。等級数値が上がるほど、耐震性能が良い物件と言えます。参考にしてください。

実は地震に強い、マンションの構造

建築基準法に正しく合致したマンションは、特に耐震性を高める対策を施していない木造の一戸建てやアパートよりは地震に強い。それは、「鉄筋コンクリート」という造り方にあります。

ほとんどのマンションは、「鉄筋コンクリート造(RC造)」か、「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)造」です。

マンションの構造の基本は、組み上げた鉄筋(あるいは鉄骨鉄筋)を、コンクリートで固めるという建て方です。鉄筋(あるいは鉄骨鉄筋)の周りに、型枠という枠を作ってコンクリートを流し込み、固めます。

コンクリートは劣化しにくいのが特徴。鉄は錆びますが、アルカリ性のコンクリートは錆びません。(ただし、年数が経つにつれ中性化していきます。)錆びやすい鉄をしっかりコンクリートで固めることで、劣化を防ぐのです。また、鉄筋は「引っ張る力」に強く、コンクリートは、「圧縮する力」に強いため、その2つが組み合わされた構造は、地震に強いのです。

鉄骨は鉄筋よりも丈夫なため、柱の数を少なくできるというメリットがありますが、反面、鉄骨はしならないので、地震の際に良く揺れる、というデメリットがあります。そのため、鉄骨組みのマンションでは、揺れ幅を少なくする「免震設計」などが採用されるようになりました。

また鉄筋コンクリート造は、7〜8階建てまでの建物に多く見られますが、最近では建築技術の進歩で、高層マンションにも鉄筋コンクリート造が建てられるようになりました。

耐久性の高い鉄筋コンクリートの造り方

地震に強いということは、建物を造っている素材が強い、そして劣化しにくいということが必要です。「鉄」や「コンクリート」をより強い素材にするような、マンションの建て方の工夫があります。

鉄筋の強さを出すために、外壁に入れる鉄筋を、縦横2列にする「ダブル配筋」や、柱の鉄筋(主筋)に補強用の鉄筋(帯筋)をらせん状に巻き付ける「スパイラルフープ配筋」は、マンションをより強い構造にする工夫です。

「かぶり厚と呼ばれている、鉄筋を覆うコンクリートの厚さも重要です。柱や梁のかぶり厚は、建築基準法で定められている3cm以上あること、できればプラス1cm以上が望ましいとされています。

さらに、コンクリートの質も重要。コンクリートの耐久性は、セメントに対して加える水量の「水セメント比」が決め手です。水が多いと、固まる際に小さなひび割れが起きやすく、そこから空気や雨が入り込み、コンクリートそのものがもろくなり、さらに内部の鉄がさびやすくなるのです。水セメント比は、住宅金融公庫の性能基準となっている65%以下、できれば55%以下が望ましいとされています。

地震の揺れをコントロールする「免震構造」「制振構造」

新建築基準法に合致しているマンションは、耐震=倒壊に耐える設計・施工であるものの、揺れ幅が大きいために壁に亀裂が入ったり、住戸内で家具が倒れて怪我をするといった事例が見られることがあります。

そこで最近では、「免震構造」「制振構造」という考え方が出てきています。免震構造とは、建物の揺れを軽減し、地震による様々な被害をより少なく抑えることを目的にしています。

免震構造の建物は、「基礎」と「建物」の間に「免震装置」を設けることで、地盤の揺れを直接建物に伝えにくくし、建物の揺れを軽減する、というものです。

免震層は、「積層ゴム」と呼ばれる、柔らかいゴムと堅い剛板を交互に重ねたもの。柔らかいゴムは、地震の揺れを吸収して、ゆっくりとした揺れに変え、堅いゴムは、建物をしっかり安定的に支えるのです。

制振構造とは、建物に、「ダンパー(揺れ止め)」と呼ばれる、揺れを吸収するブレーキのような構造物を組み込むものです。高度な建築技術を伴うものなので、このような設計・施行ができるということは、技術レベルの高い建設会社による建設と言えるでしょう。

コスト高は免れない

問題なのは、免震構造・制振構造はコストが高く、それが価格に反映されるということです。免震装置は定期点検が必要なため、そのコストは管理料に加算されていきます。さらに装置によっては20年程度で取り替えなければならないものもあり、その場合は修繕費がかかるので、修繕積立金も高くなります。高層マンションの場合は、基礎部分に設けられている免震装置の取り替えは大がかりになるため、費用はかなり高額になると考えられます。最近は、50年程度はメンテナンス不要な免震装置も出てきていますが、しかし定期点検は必須です。

ご自身や家族の命、大切な資産を守るために、幾らのコストをかけるかという問題になりますが、安全はお金に換えがたい貴重なもの。構造について、素人目にはわかりにくく、しかも立て替えがなかなか大変なマンションでは、特に、地震への安全性に配慮した構造なのかという点は、重要と言えるでしょう。

神ひとみ神ひとみ(ジン ヒトミ)
株式会社メイプルノア代表取締役
1964年東京生まれ。リクルート、浜野商品研究所などを経て、1996年よりマーケティングプランナーとして独立。分譲マンションの販売計画、広告デザインと共に、より良い住まいのあり方をディベロッパーに企画提案している。滞在型市民農園(クラインガルテン)の事業プロデュースは1994年から。田舎の農園で暮らすセカンドライフを提案している。