マンション購入のポイントや住宅ローン、設備に関して解説します。
賢いマンション購入のためのノウハウとアイデアをご紹介。
アメリカの低所得者向け住宅ローン「サブプライムローン」の貸付金焦げ付きに端を発して、世界同時株安になった8月の金融市場。支払いができなくなる可能性の高い低所得者に住宅ローンが貸し付けられていたことに驚愕すると同時に、実際に支払えなくなって自己破産し、住宅も差し押さえられる生活者が続出している事実に愕然とします。住宅ローンは、自分で知識を得て賢く利用しなければなりません。
日本の大手都市銀行が扱う住宅ローンの金利は、例えば「2年固定」の場合、当初3年間は固定年利2.25%で、4年目以降は変動金利で年利1.625%(2007年8月30日現在、三井住友銀行「年1%優遇ローン」の場合)。
これに対してサブプライムローンの多くは「2.28」と呼ばれる2年固定の30年ローン。当初2年間は固定年利5〜6%で、3年目から28年間は変動年利で約10%前後というような高金利商品でした。この高金利ゆえに、ハイリターンを狙う巨額の投資マネーが注ぎ込まれ、その運用実績を上げるために、より多くの人にサブプライムローンが貸し付けられていったのです。
高金利にも関わらず多くの利用があったのは、通常、大手金融機関なら貸し出しをしないような信用度の低い低所得者を対象としていたからです。そのような人たちは職を失う可能性が高く、その場合は返済の遅延や滞納となり、ついには自己破産に至って借入金が焦げ付く結果になりました。
アメリカと同様、日本の住宅市場も景気の底支えを担っているので、マイホーム購入者を増やし住宅ローン貸し付けを促進したいところなのですが、日本では、ハイリスクハイリターンの金融商品は市場の不安定さを招くのであまり歓迎されません。
しかし、審査基準の厳しい大手都市銀行以外で、比較的緩い審査のもとに少々高金利で貸し付けをするモーゲージバンク系住宅ローンは日本にもたくさんあります。不動産会社の提携ローンとして、購入検討時に営業担当者が勧めることも多々あります。しかし審査が緩いことは実は本人のためにならないことを、肝に銘じていただきたいのです。
サラリーマンの終身雇用の保障がなくなりつつある日本では、長期間にわたる返済期間中の収入をどのように確保し続けるかが課題。住宅ローン完済に成功することこそが、マイホーム取得の最大テーマと言えます。
サラリーマンの場合、住宅ローン借り入れの条件として下記を目標にしてみてください。
1.頭金をなるべく多く、借入金をなるべく少なく
借入金には利息がかかりますので、マイホーム取得をめざして貯蓄に励み、なるべく頭金を多くして、借入金を少なくしましょう。
2.定年までに完済する
サラリーマンの定年後は再就職や起業ができないことも想定しなければなりません。もし定年を越えて借入期間がある場合、繰り上げ返済をすることを前提に、収入を増やしたり支出を抑えるなどの生活設計を組みましょう。
3.月々返済額は月収の25%まで
下記は、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の審査基準です。この基準を越える借入金返済があると、健全な生活が成り立たなくなるとされているのです。車や家電のローン、クレジットカードの支払い等、すべての借入金返済を、「総返済負担額」に入れて計算しましょう。
| 年収 | 300万円未満 | 300万円以上 400万円未満 |
400万円以上 700万円未満 |
700万円以上 |
| 総返済負担額 | 25%以下 | 30%以下 | 35%以下 | 40%以下 |
4.借入期間や返済額を生活スタイルに合わせて変動させる
妻が働いているうちは世帯年収が多いので、借入限度額も多くなりますが、その場合は返済期間を短期にして月々返済額を多くします。妻の妊娠・子育て期間中は、返済期間を延ばして月々返済額を減らす、というように調整します。あらかじめ人生設計をスケジューリングすると良いでしょう。
5.お得なプランへ借り換えする
その時代の社会情勢や金融市況に大きく影響するのが住宅ローン。扱う金融機関によって金利やプランは様々です。住宅ローン商品に常に敏感になって研究し、よりお得な商品に借り換えて総返済額を減らす工夫をします。
主な住宅ローンは金利の設定の仕方によって大まかに3タイプあります。「長期固定金利型」「固定期間選択型」「変動金利型」です。
「長期固定金利型」は、時勢に影響を受けず、長期にわたって金利が変わらないので、返済を考慮した生活設計が立てやすいというメリットがあります。しかし他のタイプよりも若干金利が高くなっています。2007年4月に、旧住宅金融公庫が廃止されて新たにスタートした住宅金融支援機構が、民間の金融機関と提携して貸し出している「フラット35」が、長期固定金利型住宅ローン商品の代表です。
「固定期間選択型」は、当初の設定期間は比較的金利が安い固定金利で、その期間は2〜10年です。固定金利期間が過ぎると、残りの期間は少々高めの固定金利に移行するのですが、変動金利を選ぶことができる商品もあります。金利の安い固定期間中に、なるべく貯蓄をして繰り上げ返済をすることが望ましいでしょう。
「変動金利型」は、半年ごとに金利の見直しがあり、利息と元金を調整しますが、5年間は月々返済額は変わりません。5年ごとに残高に対する金利の設定を見直し、月々返済額も調整します。現在のように超低金利が続く時は、金利が安くなるので有利ですが、今後は金利引き上げも予想されており、長期の生活設計が立てづらいことが難点と言えます。
住宅ローンは、取扱金融機関によって独自に金利や商品プランが異なります。また、金融機関によって、店頭金利より優遇する利用促進キャンペーンを行っていることもあります。そのようなチャンスを捉えて利用すると、総返済額がかなりお得になるので、いろいろな住宅ローンを比較検討してみましょう。
また住宅ローンが通らなければ、物件の正式契約はできませんので、物件選びと住宅ローン選びを同時に行うことが必要なのです。
次回は、生活設計を立てやすいことで人気の長期固定金利「フラット35」について解説します。住宅ローンを比較検討するきっかけとしてみましょう。
神ひとみ(ジン ヒトミ)