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マンション購入ガイド

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マンション購入のポイントや住宅ローン、設備に関して解説します。
賢いマンション購入のためのノウハウとアイデアをご紹介。

第33回シングルならではの資金・返済計画

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シングルがマンション購入を決意する時、その動機は様々です。頑張って働いているご褒美を自分にあげたい、癒される空間を持ちたい、老後にも住める終の棲家を手に入れたい、都会に拠点を構えたいなど。

購入を検討する多くのシングルが、快適なマンションライフの夢を抱き、ローン返済を追い風にますます仕事に燃えようとします。でもちょっと待って。単に勢いに任せてマンションを買おうとしていませんか。シングルがマンションを購入した後に泣かないためには、余裕のある資金・返済計画を立てておきたいものです。

まずは収入・貯蓄を重視したキャリアプランを

シングルに重要なのは、住宅ローンの借り方や返し方といった知識よりも、まずは「収入」「貯蓄」中心の生活設計。いわばキャリアプランです。ファミリーの場合、いざとなったら夫婦で収入を得ることが可能ですし、いずれ子供が働くようになったら家賃相当分を家計に入れてくれることも期待できます。しかしシングルの場合は、いつまでも自分一人の収入。しかも女性の場合は30代後半を過ぎると男性よりも正社員雇用の枠が狭いと言わざるを得ませんし、派遣社員は契約満了なら解雇可能で、ボーナスや退職金もありません。一人暮らしの気安さで、まあどうにかなるさという調子で独身生活を謳歌しているうちに、年をとり、会社の仕事に付いていけなくなって退職に追い込まれる人も少なくないので、心がけてキャリアプランを作り、キャリアアップを図って仕事を続けることが肝心です。

シングルは子育てにお金や労力がかからない分、自分での老後の準備をしなければなりません。年金以外の生活費確保のためには、利回りの良い資産運用もしなければならないでしょう。ある程度の貯蓄ができ、定年後もできる仕事を考えた場合、人によっては、独立を視野に入れた仕事に転換を図ることも考えた方がいいかもしれません。

シングルの落とし穴は、ファミリーよりも自由に使えるお金が多いため金遣いが荒いことと言えるのではないでしょうか。自分がどんなものに支出しているのか、家計の実態を掴んでいない人が多いことも否めません。こうした人は、会社をリストラされて収入がなくなった場合、あるいは転職で収入が激減した場合には、途端にやりくりできなくなります。余裕があっても、自分の家計収支をしっかり把握し、節約できるものは何か、必要最低限どれだけ必要なのか、運用に回せる預金は幾らなのかなど、自分の家計収支や資産を点検しましょう。

収入を確保することにエネルギーを注ぎ、家計収支を把握していつでも、縮小できる生活スタイルにし、その上で病気や怪我で休職した時や老後のための貯蓄を。余力分の資産は運用します。その上で、無理なく支払っていけるローン返済計画を立てることです。

シングルのライフプランづくり

シングルライフは、ファミリーと違って途中で変化しやすいものです。転勤も転職もしやすく、従って家計収支も変動しやすいでしょう。しかし住宅ローン返済にはそれほど変更できる自由度はありませんね。そのためにも、ある程度余裕のあるライフプランを立てることです。先のことはわからないながらも中長期のライフプランを仮に作ってみると、いつ、どのくらいの予算でマンションを購入するか、自分にとって現実的な「借入金の総額」「月々の返済額」「返済期間」が見えてきます。

まずは人生のターニングポイントを想定し、長期のライフプランをおおまかに計画しておきます。例えば35歳までに頭金を貯めてマンションを購入し、35年完済の住宅ローンを組みつつ、年金受給の65歳までに30年で繰り上げ完済するという前提の元に、10年刻みのライフプランを立ててみます。

(例)
第一段階: 35歳まで、頭金を貯めマンション購入に踏み切る
(家計収支を見直し、頭金の貯蓄を。)
第二段階: 45歳まで、仕事に猛進しキャリアを築く
(短期留学、資格取得、管理職昇進などでキャリアアップを。)
第三段階: 定年の55歳まで、借金をなくし貯蓄を増やし、自営業開業準備を。
(住宅ローンの繰り上げ返済で負担を減らし、貯蓄増を。)
第四段階: 年金受給開始の65歳まで、資産運用や自営業開業を
(脱サラで、年金以外に生活費に充当できる収入の確保を。)
第五段階: 70歳で自営業からも引退し、75歳には老人ホーム入居を
(貯蓄資産とマンション売却益で、安心できる介護や医療のある施設への入居を。)

そして、次の項目を埋めるように、ライフプランシート(計画表)を作成してみませんか。取りあえず短期(5年)計画・中期(10年)計画・長期(30年)計画で、ざっくりと表を作ってみましょう。埋められない項目は、これから埋めるように考えていく心づもりをしましょう。

1.収入計画・・・最低限、年金受給まで仕事をすることを想定し、キャリアプラン、収入予定額を書き出します。

2.家計計画・・・まずは1ヶ月間、支払いのレシートや領収書を全てとっておき、家計簿を付け、月間のほぼ固定支出を算出します。何ヶ月かに一度購入するような服や雑貨、化粧品といった「ファッション費」、季節ごとの大口の「レジャー費」「交際費」は概算で計上。それらを合わせて年間支出を割り出します。計画には、何年かに一度は買い替える家電製品・家具・車などの大きな買い物、何年かに一度の旅行など大型のレジャー費も計上しておきましょう。

3.貯蓄計画・・・万が一の場合の医療費、老後の生活資金にする貯蓄、運用に回す貯蓄など、幾つかに分けて設定します。

4.資産運用計画・・・何に幾ら投資し、年間利回りはどのくらいを見込むかを想定。利回りは低いが元本保証のもの、リスクはあるがハイリターンを見込めるものなど、幾つかの金融商品を組み合わせます。年金生活になっても収入が得られる運用プランを考えましょう。

5.ローン返済計画・・・返済プランは、総返済額が増えても月々の返済額を一定にするか、初期に元本を多めに返済して総返済額を抑えるかなど、収入計画と連動したものを検討します。収入が増えたら繰り上げ返済を。借り入れローンが、車の購入など住宅ローン以外にも増えそうなら、まずは住宅ローンを優先して借り入れ、その後に他のローンを組むようにします。低金利の女性向け住宅ローンもありますので、幾つかの金融機関の住宅ローンを比較検討しましょう。

上記のそれぞれの計画は、具体的に何をするかということを書き出し、予想数字を入れてみます。もちろん先のことはわからないもの。人生設計は、繰り返し修正することに間違いはないはずです。

シングルの味方になってくれる住宅ローンを探す

金融機関が貸し付けをする場合に重視されるのは、保証人や担保の資産価値もさることながら、「確実に返済するという信頼度」です。その目安として、「雇用形態」「勤務先企業の経営ランク」「勤続年数」「一定水準の安定した所得額」という条件がクローズアップされます。住宅ローンを組みたいなら、そのような条件を保持できるようにすべき、さらに言うなら、そのような条件を保持しているうちに借り入れすべきです。住宅ローンを借り入れるためなら、黒字会社で正社員の職を得て5年は勤務しましょう。自営業なら、最低5年は黒字決算を出し、源泉所得税や法人税、社会保険の納付を絶対に遅滞しないことです。

最近、民間の金融機関は住宅ローンの貸し付けが激戦になっており、様々なサービスプランが出ています。金利や返済方法にも様々なバリエーションがあります。特に女性をターゲットにしたお得な住宅ローンは目白押しです。なぜなら、女性は男性に比べて堅実な仕事ぶりで堅実に生活する人が多く、確実な返済が見込めるのだとか。シングル女性のマンション取得を応援する特別低金利ローン、繰り上げ返済時の手数料無料サービス、さらに団体信用生命保険料の金融機関負担など、お得度もうれしい限りです。

女性の場合は、正社員ではなくパートや派遣社員でも、長期勤務で一定の収入があれば貸し付けをしてくれたり、年収が低くても長期勤務の正社員なら貸し付けをしてくれる金融機関もあります。長期のパート勤務を経て正社員試験に合格し、管理職になるケースなどが増えているためです。幾つかの金融機関をこまめに回って、実際に相談してみましょう。

住宅ローン審査のためには、堅実な生活ぶり、熱心な仕事ぶりをアピールしつつ、健全な家計収支を見せることです。クレジットカードの返済に遅滞はありませんか。源泉所得税、社会保険、年金の未納はありませんか。高金利な消費者金融からキャッシングをしていませんか。そうしたことに気をつけて、金融機関好みの生活者になること。シングルが住宅ローンを借り入れてマンションを購入するために必要なことは、まずは健全な生活づくりに他ならないのです。

神ひとみ神ひとみ(ジン ヒトミ)
株式会社メイプルノア代表取締役
1964年東京生まれ。リクルート、浜野商品研究所などを経て、1996年よりマーケティングプランナーとして独立。分譲マンションの販売計画、広告デザインと共に、より良い住まいのあり方をディベロッパーに企画提案している。滞在型市民農園(クラインガルテン)の事業プロデュースは1994年から。田舎の農園で暮らすセカンドライフを提案している。