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マンション購入ガイド

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マンション購入のポイントや住宅ローン、設備に関して解説します。
賢いマンション購入のためのノウハウとアイデアをご紹介。

第34回コンパクトマンションの住み心地大研究

広さと間取りのバランス
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住まいは広いに越したことはないのですが、都心や駅近のマンションはそれなりに価格が張ります。そうした立地条件や利便性を重視するなら、購入できる価格の限度から、広さに目をつぶらねばなりません。しかし住戸を良く見ると、必ずしも広いスペースでなくても、間取りの取り方が上手な設計なら暮らしやすい、ということがわかります。要は広さと間取りのバランスの良い住戸を選ぶことです。

同等面積の住戸を幾つか見て、比較検討すると良いでしょう。コンパクトマンションのモデルルームは少ないので、施工済み物件や中古物件を見ること、そして図面集を手に入れて設計事例を知ることです。

下記は、その広さのマンションの一般的な間取りの取り方です。★は、工夫のある設計事例。同じ面積でも、こだわるポイントによって設計に違いが出ます。住戸面積の中で、どこかの部分を犠牲にしながらもう一方でどこかの部分を充実させるわけですが、従来の常識的な間取りにとらわれなければ、暮らし方のバリエーションが広がるのです。

●20平米台/ワンルーム
収納、キッチン等、一人暮らしに必要な機能を持ちながら、ベッドとテーブルを置ける広さのワンルームが取れます。10平米台は、キッチンスペースや浴室サイズがかなり狭く、クローゼットが小さいなど、短期間暮らす賃貸向きと言えるでしょう。

・クローゼット付き6〜8畳の居室+キッチン台付きの廊下
★居室を広く取り、浴室、トイレ、洗面化粧台を一体化したユニットバスにするプラン。
★廊下面積を少なくして居室を広く取り、キッチン台を居室の壁面の一部に設置するプラン。
★住戸の天井高を高くして居室に開放感を持たせ、収納をロフトとして水回りスペースの上に設けるプラン。

●30平米台/1DK
シングル向けのスタンダードな広さです。水周り機能をまとめる工夫をすると、居室を広く取ることができます。30平米台でワンルーム仕様なら、10〜12畳の広々とした空間を楽しむことができます。

・5〜6畳程度のクローゼット付き主寝室+5〜6畳程度のダイニングスペース+2〜3畳程度のキッチン
★主寝室とダイニングスペースを稼動間仕切りにし、広いワンルームとしても使えるプラン。
★ダイニングルームを広く取り、キッチン台をダイニングルームの壁面の一部に設置するプラン。
★キッチンに乾燥機能付き洗濯機を設置し、キッチンで家事を済ませられるプラン。
★洗面化粧室とトイレを一つのスペースにまとめたプラン。

●40平米台/1LDK
PP分離(プライベートとパブリックのスペースを分離)がしっかりできる広さです。ダイニングテーブルの他にソファーが置けるリビングダイニングルームが取れます。居室面積よりも、収納スペースを豊富にしたり、浴室や洗面化粧室をゆったりさせるプランも見られます。

・6〜7畳程度のクローゼット付き主寝室+8〜10畳程度のリビングダイニングルーム+2〜3畳程度のキッチン
★主寝室とリビングダイニングスペースを稼動間仕切りにし、広いワンルームとしても使えるプラン。
★主寝室にウォーキングクローゼット等、収納部分を増やしたプラン。
★浴室を広い1416サイズにしたり、化粧品を置ける広い洗面化粧台を設置するプラン。
★主寝室と浴室・洗面化粧室との動線を2ウェイにしたプラン。

コンパクトマンションにこそ欲しい便利な設備機能

住戸の広さが限られているコンパクトマンションには、都市部で忙しい暮らしをする人にとって便利な設備機能を共有部分に持たせている物件が見られます。また都心立地、繁華街立地に多いコンパクトマンションだからこそ欲しい設備機能もあります。留守がちなシングルが多いコンパクトマンションに必要不可欠なのはやはりセキュリティです。特に女性の場合、一人暮らしをしっかり守ってくれるセキュリティであるかどうかは重要です。いずれも、幾つかの物件を見比べていくと、設備機能が充実しているマンション、そうでもないマンションが見えてくるでしょう。

<共有部分>
●来訪者を確認しやすいテレビモニター付きオートロックセキュリティ
●接客できるソファーセットのあるロビースペース
●クリーニング衣類が保管できる大きさの宅配ロッカー
●ゴルフバッグやスキー板など長尺物も収納できるトランクルーム

<住戸部分>
●住戸ごとの窓や玄関ドアを守る、24時間ホームセキュリティー
●幹線道路や商店街に近い環境なら、騒音防止用二重サッシ
●洗濯物をいつでも乾かせる(バルコニーに干さなくて済む)、浴室換気乾燥機
●常時生ゴミ処理ができる、生ゴミディスポーザー

暮らし重視で選びたいなら

10〜20平米台のコンパクトマンションはどうしても投資用物件として賃貸に出されるので、そうした面積住戸ばかりで構成されるマンションは賃貸者が多く、住民の居住マナーは良くないことがあります。永く住みたいなら、賃貸に出されない広めの住戸も含んだマンションを購入することをお勧めします。

30平米以上でも、シングル世帯ばかりが集まるマンションの場合、どうしても懸念されるのがセキュリティと管理面です。留守がちで忙しい人が多いこと、人の目が行き届かないこと、住民で組織する管理組合が事実上不在になりがちなので、建物が荒れてくることが少なくないのです。そうなると資産価値も下がります。そうしたことが気になる場合は、60平米台以上のファミリー向け住戸も含まれているマンションを選ぶと良いでしょう。

注意したいのは、ファミリータイプが主力のマンションの場合、20〜30平米台の住戸は、建物の全体設計の中で、余った部分(面積)に割り当てられることがあること。つまり、北向きや、エレベーターの隣、1階のエントランス横などの位置だったりします。そうした条件の住戸は、資産価値が低く、賃貸に出しても人気がありません。その替わり価格はかなり割安の場合が多いので、特に生活レベルに問題がなければ、お得だとも言えます。竣工前に販売の物件なら、現地の敷地と建物平面図を見比べながら、日照や周辺環境の影響をよく確かめましょう。また、エレベーターやエントランスの騒音の影響が少ない防音力のある壁面かどうかなどを、販売スタッフによく確認してください。

コンパクトマンションは、購入意志決定者が本人一人だけのことが多いので、セールスしやすいと言われています。家賃保証をする借り上げシステムを導入している不動産業者も多く、不動産投資として、どの金融商品よりも良い利回りの数字を出されることが多いのです。しかしマンションの基本は「住み心地が良いかどうか」「不動産物件として確かな品質かどうか」「セキュリティ、管理、修繕計画といったアフターサービスはしっかりしているか」という点であることに間違いはありません。表面的な設備やデザインに心を惑わされることなく、本当に暮らしやすいマンションであるかどうかを確かめてください。

神ひとみ神ひとみ(ジン ヒトミ)
株式会社メイプルノア代表取締役
1964年東京生まれ。リクルート、浜野商品研究所などを経て、1996年よりマーケティングプランナーとして独立。分譲マンションの販売計画、広告デザインと共に、より良い住まいのあり方をディベロッパーに企画提案している。滞在型市民農園(クラインガルテン)の事業プロデュースは1994年から。田舎の農園で暮らすセカンドライフを提案している。