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マンションナビ

マンションナビは2010年3月31日をもって終了させていただきました。
マンション購入ガイド

マンション購入ガイド

マンション購入のポイントや住宅ローン、設備に関して解説します。
賢いマンション購入のためのノウハウとアイデアをご紹介。

第41回マンションのブランド力

よく見聞きする有名な名前に人は弱いものです。例えば、自分では実はよくわからない高級なバッグや時計、宝飾品、車、ホテル、航空会社、レストランなどは、「有名ブランド=信頼できる」という判断をしていることがあります。ではマンションはどうでしょうか。良く見聞きする名前を持つブランドマンションに、「かっこよくてちゃんとしている」というイメージを持っていませんか。そのようなイメージを持ってしまう「ブランド」は、本当に「ちゃんとしている」のでしょうか。

そもそもブランドとは何でしょう
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ブランド(brand)とは、もともとは家畜を出荷する際に押した焼き印、烙印のこと。「判別させるための印」という意味で、特定のものを他のものと区別するために付けられた名称、シンボルマークです。日本では昔からある「のれん」というものが、いわゆるブランドですね。

バッグなどの革製品で有名な「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、世界中で良く知られているブランドです。情報戦略として、店舗ディスプレイ、広告、販促ツール、メディア広報で、製品の情報と共にイメージを発信し、それらを統一管理しています。LOUIS VUITTONのイメージは、戦略的に考えられ管理された上で作られたイメージで、ブランドを愛する根強いファンを生み出しているのです。長い歴史を経て、ルイ・ヴィトンを愛する顧客たちによる宣伝相乗効果によって、ブランドのイメージはさらに高められています。

優れたブランドとは、イメージやサービスが良いことは、ほんの付加価値であり、本質ではありません。まず製品の品質が高いということ。優れた技術のもとに精巧に作られた製品であると同時に、販売サービス、アフターメンテナンス、顧客管理がとてもしっかりしています。メンテナンスのための部品や修理技術もブランドには保持されています。

ブランドが持つ製造技術、原材料の確保から製造、流通、販売、広報、メンテナンスまでを含めたビジネスモデル、膨大な顧客リスト、市場で形成されたイメージ。それらは計り知れない事業資産であり、従ってブランドそのものに価値が付き、高値で売却されることもあります。

ブランドとは、買う側が価値を見い出し大切にしたいと思って手にするものであると同時に、創る側も愛着を持ち誠意ある仕事をするようになるもの。ブランドは、人の心を捉える力を持つものなのです。

ブランドが人の心を捉えるものだからこそ、イメージが実態を伴っているかどうか、製品そのものをよく知り、経営企業について知ることが重要です。ブランドカタログには、製品の品質について、ヒストリーについて、経営企業について解説されたものが発行されているはず。ホームページにも掲載されていることが多いので、チェックしてみてください。自分がそのブランドを経営する会社の株を買いたいと思えますか。イエスと言える企業なら、そのブランドは本物と言えるでしょう。

マンションのブランド名、幾つ言えますか

マンションのブランドも、有名だと信頼感が生まれているものなのですが、私たちにとってはイメージが先行していると言えるでしょう。ブランドイメージは、多大な広告費、販促費をかけて創られ形成されています。他企業のマンションとの差別化を図るために、戦略的に創られたイメージです。

同時に、そのブランドを愛し大切にしようとするスタッフによって、“ブランドに恥じないマンション”として作られていると言いたいところですが、日本のマンションの歴史は浅く、ディベロッパーの企業力も様々なので、その点はブランドだからと信じないで、よく調べる心がけを持ちたいものです。

分譲マンションで、CMでも見聞きする名前が知られたブランドとは、例えば「三菱地所」というディベロッパーの「パークハウス」、「三井不動産(三井不動産レジデンシャル)」の「パークホームズ」「パークコート」、「東京建物」の「ブリリア(Brillia)」、「野村不動産」の「プラウド((PROUD))などでしょうか。

上記のディベロッパーはどれも資本力のある大手。三菱地所や三井不動産といった企業は、日本の不動産会社の老舗企業です。オフィルビル開発、商業ビル開発、リゾート事業開発、不動産投資コンサルティング等、不動産事業を総合的に手がけており、様々なグループ会社があります。当然、グループ会社のノウハウはマンション開発にも生かされていることでしょう。

マンションのブランドロゴは、CM、インターネットの情報サイト、チラシ、看板等で目立つように工夫されています。「ブランド名→企業名」をすぐに連想できるように、セットで露出しているのです。

大手ディベロッパーがマンションのブランドを持ち、ブランドをアピールすることは、「あの会社のマンションか」と企業名をすぐに思い出すことになり、それはすなわち、“企業力”という強力なセールスポイントを示すことに他ならないのです。

ブランド名が示す商品特性

ディベロッパーによっては、異なる商品カテゴリーごとにブランドを分けていることがあります。例えば三井不動産の公式サイトから、分譲マンション事業を行うグループ会社、三井不動産レジデンシャルのページに入り、商品ブランドの解説ページを見てみましょう。http://www.31sumai.com/sale/

「パークホームズ」は、“スタンダード版都市型マンション”、「パークハウス」は、“大規模開発物件”、「パークタワー」は“超高層マンション”というように、商品特性ごとにブランドがあることがわかります。

ダイワハウス(大和ハウス工業)の分譲マンションには、4つのブランドがあります。都市型マンションの標準タイプと言えるのは「ディークラディア(D‘Cladear)」、高級志向マンションは「ディーグランセ(D’Granse)」、都心部の大型物件は「ディーグラフォート(D’Grafort)」、郊外型の大型物件は「ディーレスティア(D’Restia)」といったように、ブランド名で商品特性がわかるようになっています。

複数のディベロッパーで行われている大型開発プロジェクトの場合は、ブランド名をアレンジしてより印象的な名称にすることがあります。「ブリリアマーレ有明タワー&ガーデン」は、「ブリリア」というブランドを持つ東京建物が主要事業主となり、プロパスト、伊藤忠都市開発という2つのディベロッパーとジョイントベンチャー(JV・共同企業体)を組み、共同事業で開発しているマンションです。既に「ブリリア」というブランド名は、マンションに関心のある人なら耳にしたことがあるブランド名。その名を冠した、特別な付加価値のある物件というわけです。

マンションのブランド名は、まずディベロッパーを認知させ、その事業主が企画するマンションの商品性を示すようにしているということですね。ブランド名を聞いただけでその2つがわかったら、かなりのマンション通と言えるでしょう。

物件名から商品特性を探る

マンションの名称で多いパターンは、ブランド名+地名。例えば「パークハウス赤坂」あるいは、「ブリリア渋谷道玄坂」といった具合です。マンションは、どこにあるのかが一番重要なので、それを名称にすることが多いのです。しかも「渋谷」ではなく、「渋谷道玄坂」というように、よりアピールしたい立地性を名称にしています。

問題なのは、「その立地は渋谷とは言わないでしょう」というエリアなのに、かなり強引に名称にしていることもある場合です。地元に詳しくない人なら、その立地も渋谷なんだと信じてしまうこともあります。

エリアとしては渋谷ではあるが、所在地は渋谷区ではなく目黒区だった、ということもあります。格上と言われているエリアであることを強調しているんですね。マンションの名称になっている立地名は、ディベロッパーがアピールしたい立地性なのだと認識し、必ず所在地を確かめるようにしてください。

もっとシンプルに「ガーデン」「ヒルトップ」「フォレストサイド」というような環境性を名称にしていることもあります。しかしこれも、ディベロッパーが強調したいイメージ的なものであると考えた方が良いでしょう。

「ガーデン」という名称ならば、敷地が広くて共有部分が庭園のようになっているというイメージを持ちますが、実際には1階住戸に専用庭が付いているだけだったということも。同じように「ヒルトップ」というマンションが必ずしも“見晴らしがよく開放的な丘の上”ではないことも多いので要注意です。

さらに、ブランド名+立地あるいは環境の名称に加えて、商品の付加価値特性を示す名称を付けることがあります。「本郷パークハウス ザ・プレミアフォート」という物件名を見て、何を感じるでしょうか。そう、「プレミア」という名称からくる“高級感”ですね。この物件は価格が7千万円台?1億6千万円台と高額。かなりの“プレミア物件”なので、それを名称で表現しているんですね。

ブランドの“ファン”になって、サービスを手に入れよう

ブランドには“そのブランドらしさ”があります。企業の体質であったり、設計や建設技術や商品企画、メンテナンス、顧客サービスといったところに現れています。経営企業はブランドの顧客を増やすために、積極的に情報提供を行っています。そのブランドらしさを知るためにも、ぜひ“ファン”になってみてください。

無料で入れる「友の会」や「クラブ」に入会すると、定期的に情報誌や情報メールが届きます。もちろん物件の広告宣伝もされるわけですが、マンションの基礎知識や、エリア立地情報、鉄道や道路の開発、大規模複合開発などの情報も盛り込まれています。

何よりも、購入を希望するエリアを幾つか登録しておくと、そのエリアの物件の案内が自動的に届きますので、エリア内の物件をよく知ることができ、モデルルームに行きやすくなりますし、物件を比較検討できます。何年か情報誌を読んでいくと、時代の推移を掴むことができ、物件価格やローン金利、税制優遇の変動期などの、“マンションの買い時”もわかるようになります。

ブランドマンションは、資本力のあるディベロッパーによって、数多くの物件数が開発されています。設計、建設やメンテナンスのノウハウは、数多くの物件を手がけているからこそ培われるものもあります。管理や修繕をグループ会社で行うと、その分野のノウハウも新規物件開発に組み込まれます。メンテナンスしやすい構造や設備にするなどです。そうしたノウハウの多さが、ブランドマンションを創る企業力です。

ブランドマンションの企業力は、その企業が存続する限り、分譲後も物件に影響していくでしょう。ブランド名が付いている限り、企業はその物件を見放すことはできないのです。良いアフターフォローやメンテナンス、顧客サービスは、ブランドをより良いものとして市場に認識されるために必要な、「商品づくり」の一環なのですから。

もちろん物件価格が、「ブランド代」とも言える少々割高な料金になることが否めませんが、その分、ブランドならではの企業力、信頼性という付加価値を手に入れることができると言えるでしょう。

神ひとみ神ひとみ(ジン ヒトミ)
株式会社メイプルノア代表取締役
1964年東京生まれ。リクルート、浜野商品研究所などを経て、1996年よりマーケティングプランナーとして独立。分譲マンションの販売計画、広告デザインと共に、より良い住まいのあり方をディベロッパーに企画提案している。滞在型市民農園(クラインガルテン)の事業プロデュースは1994年から。田舎の農園で暮らすセカンドライフを提案している。