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マンション購入ガイド

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マンション購入のポイントや住宅ローン、設備に関して解説します。
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第42回ここまで来たマンションのユニバーサルデザイン

「バリアフリー」という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。段差をなくして歩きやすいようにした道路や建物設計のことです。
マンションにもユニバーサルデザインが取り入れられるようになってきました。終の棲家となるマンションは、自身が高齢、身体障害になった時のことも考えておきたいですね。

ユニバーサルデザインとは
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もともと「ユニバーサルデザイン」という考え方が基本。日本では、建築設計の分野で、「段差をなくす」という設計がクローズアップされてきたのですが、それだけではなく、高齢者や身障者が行動しやすいよう、ドアの広さや操作ボタンの位置などに工夫するようになってきました。2006年より、歩道、公共施設、公共交通機関では、高齢者や身障者が利用しやすい設計を基準とする「バリアフリー新法」も施行されています。

この考え方を提唱したのは、アメリカの建築・工業デザイナーロナルド・メイス氏。ノースカロライナ州立大学にユニバーサルデザインセンターを創設し、1997年に発表した「ユニバーサルデザイン7原則」は世界中の建築、都市計画、工業デザインなどに影響を与えました。住まいの設計にユニバーサルデザインが取り入れられるようになったのもこの頃からです。

■ユニバーサルデザイン7原則(ロナルド・メイス提唱)
  • ・誰にでも公平に使えること(Equitable use)
  • ・使う上で自由度が高いこと(Flexibility in use)
  • ・使い方が簡単ですぐにわかること(Simple and intuitive)
  • ・必要な情報がすぐにわかること(Perceptible information)
  • ・うっかりミスが危険につながらないデザイン・機能であること(Tolerance for error)
  • ・弱い力でも、身体に負担なく使えること(Low physical effort)
  • ・アクセスするためや利用するために十分な大きさと空間を確保すること(Size and space for approach and use)

マンションでは、バリアフリー設計と称して、段差のない住まいが作られてきました。建物エントランスからエレベーター、住戸の玄関から廊下、浴室やキッチン、居室まで、全てがフラット。主に車椅子がスムーズに通れることを目的にしています。(バリアフリー設計でないマンションもありますのでご確認ください。)

しかし車椅子ばかりではなく、身体障害者や幼児など、全ての人が暮らしやすい設計、デザインであることが求められています。特に高齢社会になった今、終の棲家であるマンションでは、最後まで自力で生活をし、身体の機能が衰えたり身障者になりながらも、入浴し排泄することもあるでしょう。

高齢や身障になった時、マンションはどのような設計、機能であるべきかを考え、「ユニバーサルデザイン」をコンセプトにした設計のマンションも増えているのです。

こんな部分がユニバーサルデザイン

マンションのユニバーサルデザインとはどのようなものでしょうか。物件によってそれは様々ですが、基本は段差のないバリアフリー設計。さらに例としては以下のようなデザイン、機能が見られます。

■エントランス
  • ・車椅子の導入口となる「スロープ」
■エレベーター
  • ・車椅子や幼児でも操作できる「1,000mm程度の高さ」に設置された操作パネル
■玄関ドア
  • ・鍵の裏表がなく差し込みやすい「リバーシブルキー」
  • ・楽に扉が開閉できる「プッシュプルハンドル」
■廊下
  • ・車椅子が通れる「850mm以上(できれば1,000〜1,200mm程度)」の幅
  • ・スイッチを入れなくても足元ライトが点灯する「人感センサーライト」
■浴室
    ・足を大きく上げなくても入れる高さ500mm以下の「低床式」の浴槽。
■エマージェンシー機能
  • ・トイレや浴室には、キッチンやリビングのパネルと会話ができたり、緊急の際にマンションが契約しているセキュリティセンターに連絡できる「コールボタン」
■補助機能
  • ・玄関、トイレ、浴室、廊下の「手摺り」
  • ・「1,000mm程度の高さ」に設置され、見やすく使いやすい大型の「タッチパネル」
  • ・高齢者の冷え対策としての「床暖房」、トイレ、浴室の「暖房機能」、キッチンの「足元暖房」
高齢者対応マンション

上記の機能だけでは、一人暮らしの高齢者にはまだまだ不安です。設計がユニバーサルデザインであるだけでは、暮らしには不十分なのです。最近では、特に高齢者対応として生活支援サービスを持つマンションが作られるようになってきました。これも一つのユニバーサルデザインの考え方と言えるでしょう。

■24時間フロントサービス

・スタッフが常駐しているフロントに電話をすると、訪問診療や在宅介護の手配、タクシーや宅配クリーニングや食事デリバリーの手配などをしてくれます。郵便物を住戸まで届けるサービスもしてくれます。

■健康サポート

・24時間、身体の不調に対応してくれるコールセンターと通じるホームセキュリティインターホンが設置されているなどです。緊急時は提携医師に電話がつながり、適切な指示が受けられます。

■ケアサポート

・デイケアセンターから必要な介護サービスを受けられる提携をしているマンションです。24時間対応の、有料老人ホーム並みのサービスを受けられるマンションもあります。

高齢者対象なのにユニバーサルデザインではないマンション

最近、都心で駅近(駅から徒歩10分圏内)の30〜40平米くらいのマンションを、高齢者向けと称してセールスするケースが増えています。都心は確かに生活利便施設が周囲に揃っているので、高齢者が生活しやすいと言えます。また、駅から近いのは、なるべく歩きたくない高齢者にはうれしいですね。

しかし、セールスの対象を高齢者にしているのは、例えば一戸建ての自宅を子息に譲り、自分はコンパクトで便利なマンションに住もうと考える高齢者が、実際に増えているからです。頭金のみならず、全額を即金で支払える退職金が入ったばかりの定年層は、「高齢者向け」というセールストークには気をつけてください。

ユニバーサルデザインとは、単に設計上の“デザイン”にとどまらず、高齢者や身障者が実際に暮らすということがどういうことなのか、介護を受ける場合、車椅子や寝たきりになった時の場合を考えた住まいづくりであって欲しいものです。

例えば寝室とトイレが遠いと、寒い冬の夜にトイレが頻繁になる高齢者には辛いもの。介護ベッドは寝室ではなくリビングにあった方がよく、その場合、パートナーが使う居室とリビングは近い方がいいということもあるでしょう。そうした間取りのレイアウトにも、高齢になった時の配慮があると良いのです。

高齢になると冷えやすいので暖房対策は必須ですが、リビングの床暖房の設置は、工事が大がかりになってしまうので、できれば最初から設置されていた方が良いと言えます。

上記のような配慮を全くしていないマンションの場合、高齢や身障になったら、間取りや設備をユニバーサルデザインにするリニューアルが必要になるかもしれず、その費用を見ておかなければなりません。

マンションは終の棲家。住まいの老後対策も抜かりなく考えておきたいものです。

神ひとみ神ひとみ(ジン ヒトミ)
株式会社メイプルノア代表取締役
1964年東京生まれ。リクルート、浜野商品研究所などを経て、1996年よりマーケティングプランナーとして独立。分譲マンションの販売計画、広告デザインと共に、より良い住まいのあり方をディベロッパーに企画提案している。滞在型市民農園(クラインガルテン)の事業プロデュースは1994年から。田舎の農園で暮らすセカンドライフを提案している。