現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 住まい
  4. マンションナビ

広告特集 企画 朝日新聞社デジタルビジネスセンター

マンションナビ

マンションナビは2010年3月31日をもって終了させていただきました。
マンション購入ガイド

マンション購入ガイド

マンション購入のポイントや住宅ローン、設備に関して解説します。
賢いマンション購入のためのノウハウとアイデアをご紹介。

第61回借りる前に知っておくべき住宅ローンの基礎-2 繰り上げ返済テクニックと借り換え

住宅ローンは長期間にわたって、金利分を含めた返済が続きます。返し方のテクニック=「繰り上げ返済」というワザを知って、先行きの対策をとることも大事です。しかし住宅ローンによっては、繰り上げ返済がしにくいものもありますので、よく見極めなければなりません。家計や働き方ともてんびんにかけ、賢く住宅ローンを選んで賢く返済計画を立てましょう。

住宅ローン返済をもっと少なくもっと短くできる「繰り上げ返済」というテクニック
画像

サラリーマンで55歳定年の方はもちろん定年までに住宅ローンを払い終えるのが理想です。定年後に第二の仕事場を得る予定の方も、自営業の方も、年金がもらえる65歳までには住宅ローンを終えたいもの。しかし借入期間を35年とすると、65歳で払い終えるには30歳には返済を始めなければならないのです。

それはもう無理だという方は、住宅ローンの返済を少なく短くする算段を、最初から想定しておくことが大事です。住宅ローンは長期間にわたって金利がかかるので、借入の元金が少ないこと、借入期間が短いことで、月々の返済額、そして総返済額をかなり減らすことができるのです。それが「繰り上げ返済」。家計が楽な時にたくさん返しておくということです。

繰り上げ返済には、返済期間が短くなる「期間短縮型」と、繰り上げした後の返済期間は変わらないが月々の返済額が減る「返済額軽減型」があります。もちろん早い段階で返済額を多くした方が、元金が減るため金利分も減るのですが、それより月々の返済額を減らしたい場合は、一時期にまとまった金額を払ってしまうやり方が良いでしょう。

例えば、マンション購入の後数年間、妻が働くことができるなら、その間に繰り上げ返済をしてしまうことです。子育て期間中の返済額を減らしたいなら「返済額軽減型」を、老後の安定した暮らしを早く確保したいなら「期間短縮型」を。

例えば、3,000万円を年利3.2%で35年返済・ボーナス払いなし・元利均等払いの場合、期間短縮型で5年目に300万円を繰り上げ返済すると、返済期間を5年短縮できますし、5年目に500万円を繰り上げ返済すると、返済期間を8年短縮できます。ちなみに5年で300万円貯金するには月々5万円を、500万円貯金するには月々約8万3千円を貯金することになります。

<(例)返済額軽減型で、5年目に300万円を繰り上げ返済した場合、6年目からの月々返済額:3,000万円を年利3.2%で35年返済・ボーナス払いなし・元利均等払いの場合>

■繰り上げ返済なし ■繰り上げ返済あり
・月々返済額 118,829円
・総返済額 49,908,180円
・月々返済額 105,855円
・総返済額 48,237,540円
繰り上げ返済の費用を確かめて金融機関を選ぼう

通常、大手都市銀行の窓口で住宅ローンの繰り上げ返済をすると、窓口手数料として1万5千円程度かかりますが、インターネットバンキング(パソコンからインターネットを利用した電子振込)を利用して繰り上げ返済すると手数料が無料になる住宅ローンもあります。(様々な規約・制限がありますのでご確認ください。)

インターネットバンキングで繰り上げ返済できるなら、ちょっと家計が楽な月にはこまめに返済を増やせるので(1ヶ月の返済回数制限があります。)、気づいた時には大きな差になっていることでしょう。住宅ローンの繰り上げ返済を、インターネットバンキングで受け付けている金融機関とそうではない金融機関がありますので、最初から確かめておきましょう。

また、金融機関によっては、住宅ローンの繰り上げ返済手数料を最初から無料にしているところもあります。また、カードローンに加入すると手数料が無料になるところも。(これはあまりお勧めしませんが。)

今、変動金利が人気なワケ

景気が不透明な中、住宅ローンで変動型を選ぶ人が増えていると言われています。変動型は、最初は低金利ですが、ある期間を過ぎると、金利が上がっていく仕組みのローンです。「そのうち昇給するだろうから」とか、「子育てが楽になったら妻も働くから」という考えで変動型を選ぶ人が、見込み通りにいかなくなって住宅ローンが払えなくなった、という話がたまに報道されますので、気をつけたいものです。

しかし最近の変動型への人気の理由は、「不景気が続きそうなので、金利はそうそう上がらないだろう」という読みからのようです。

変動金利型の住宅ローンの場合、適用金利は毎月変わります。金融機関が信用度の高い企業に短期(1年以内)で貸し付ける「最優遇貸出金利」を短期プライムレート(短プラ)と言いますが、住宅ローンはそれに連動して決められていると言われます。最近は、民間金融機関の短期貸出金利=「新短期プライムレート(新短プラ)」に1%上乗せした金額が、一般的な住宅ローンの変動金利と言われています。これを見ていると、確かに金利は景気の動向と連動しています。景気が悪くなると借り入れを希望する企業が減るので、金利は安くなるというわけです。

現実に昨年秋以降、この春は特に金融機関は揃って金利を下げてきており、その魅力的な数字に殺到しているということなのでしょう。しかし史上稀に見る低金利の中、今こそ固定金利にした方が良いという見方もありますので、よく考えて選択したいものです。

変動型の住宅ローンを選んだ方は、低金利のうちに繰り上げ返済してしまうか、しっかり働いて可能な分だけ貯蓄をし、金利が上がっていく直前で可能な限り繰り上げ返済をするのが得策です。なぜなら、貯蓄は一定金額あった方がよく、住宅ローンの繰り上げ返済に躍起になるあまりに貯蓄が少なくて、イザという時に高金利な消費者金融から借金をする方の話もあるので、繰り上げ返済は、あくまでも家計のバランスを見ながら慎重に行った方が良いのです。

金利が安くなった時、家計を見直したい時には借り換えを

住宅ローンの金利は、安ければ安いほどよいわけですので、後に金利の安いプランに借り換えることもできます。マンションを購入した後には、借り換えを想定しながら、金融機関の金利動向を見ていくと良いでしょう。

支払い開始後、5年は金利の安い変動金利型にしておき、金利が上がる6年目には、固定金利型に借り換えようという人もいるようです。これは、金利の安いうちにできるだけ繰り上げ返済して元金を減らしておき、その後に、固定金利にして家計を安定させるというやり方。そろそろ金利が上がりそうだなと思ったら、固定金利への借り換えを検討してみましょう。

住宅ローン返済中に、例えば収入が減ってしまったり、子供に思いの外お金がかかったりした場合には、住宅ローン返済分を減らして家計を楽にすることを考えねばなりません。住宅ローンの返済期間が延びたり、金利が少々高くなっても月々の支払い額が減れば、一時的にも家計は助かります。収入を増やすことは後々考えていくとして、まずは家計を健全にすることが先であることは間違いありません。

借り換えの問題点は、住宅ローンの借り換えには、新しく借りる時と同様に、保証料や手数料がかかるということです。保証料は内枠型と外枠型(次回詳しく解説いたします。)がありますが、外枠式の場合、借入契約時に一括してそれらを支払う必要があります。手元にそれらの資金があることがまずは第一条件。そして、それらの諸費用を支払っても尚、借り換えた方がお得だという、借り換えのシミュレーションが成り立てば、借り換えた方が良いのです。

借り換えには他にもハードルがあります。新たに借りたい住宅ローンにも当然、審査があります。金融機関によっては審査基準が異なりますので、審査に通らない場合があるのです。現在借りたい住宅ローンの金額分は借りなければならないのに、その金額が満額は借りられないこともあります。

また住宅ローン返済中の物件には抵当が設定されていますが、物件によっては、借りたい住宅ローンの金額に見合う抵当権が設定できない場合があります。これも金融機関次第と言えます。

借り換えには、保証料や手数料を含めて、「借り換えた方が得なのか」ということを検証するために、まずは返済シミュレーションを立てましょう。

住宅ローンの金利は、金融機関によって様々ですが、実は保証料や手数料の金額も様々。特典なども様々です。また、「保証料」がどのようなもので、それはどのくらいなのかということも、住宅ローンを借りる手続きをする最中に初めて知るという方も少なくないようです。一括して数十万円を支払わねばならないこともある「保証料」についてなどを、次回に解説させていただきます。

神ひとみ神ひとみ(ジン ヒトミ)
株式会社メイプルノア代表取締役
1964年東京生まれ。リクルート、浜野商品研究所などを経て、1996年よりマーケティングプランナーとして独立。分譲マンションの販売計画、広告デザインと共に、より良い住まいのあり方をディベロッパーに企画提案している。滞在型市民農園(クラインガルテン)の事業プロデュースは1994年から。田舎の農園で暮らすセカンドライフを提案している。