メタボリックというのは「代謝」という意味で、代謝とは体に必要なものを取り入れたり、有害なものを無害にするなど、体にとって非常に重要な働きです。メタボリックシンドロームとは、過剰な内臓脂肪によって糖や脂質などの代謝のバランスが崩れ、高血圧、高血糖、高脂血症が軽度であっても、将来脳や心臓の血管障害の発症リスクが多重的に高まっている状態を指します。
具体的には、メタボリックシンドロームは内臓に脂肪が過多に蓄積された「内臓肥満」に高血糖、高脂血症、高血圧がいっしょに存在している状態です。内臓脂肪は、適切な量であれば糖の代謝に必要なインスリンの役割を補強し、血糖を適正に下げるなどよい役割を果たします。
しかし内臓脂肪が多すぎると、脂肪組織や筋組織において糖の取り込み能力が低下し、糖代謝に必要なインスリンがうまく働かなくなります。これらの結果から高血糖、高脂血症、高血圧が軽くても、各種の生活習慣病と同様に脳卒中、心臓病といった重大な血管障害を招きやすくなります。

病院では中性脂肪や善玉コレステロールの量、血圧、血糖値などを測定して診断を行いますが、一般の方でも簡単にチェックできるのは腹囲(お腹周り)の測定です。おへその高さで腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上あれば、内臓肥満の状態である可能性が極めて高いといえます。
ただし、見かけは痩せていても、内臓にはたっぷりと脂肪がついているというケースも少なくありません。また、コレステロール値や血圧、血糖値などの個々の検査結果は正常値を少し超えるぐらいであっても、それらが複数ある状態であればメタボリックシンドロームの可能性が高くなります。