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NANTAとは
皆さんは役者さんなのに、ステージではサーカス級のパフォーマンスを繰り広げます。とくに「包丁パフォーマンス」などは、かなり危険そうに見えますが、ケガはありませんか?

キム・ウォンヘ かつてはありましたが、今では包丁がすっかり体の一部になっているので、まったくありません、というのが公式回答なのですが(笑い)、ホントのこと言っちゃうと、時にはケガをすることもありますよ。それを克服する方法は、練習と集中力、これだけでしょうね。

 ケガをしないまでも、ステージにアクシデントはつきものです。そのとき、いかに何もなかったかのように切り抜けるか、それが一番の問題。スープの入った鍋をひっくり返してしまったら、何食わぬ顔でモップで床をふくシーンに切り替えるといったふうにね。あっ、これ実際あったんですよ。

 お皿を投げ合うシーンで、なぜか照明が全部消えてしまったことがあります。音楽に合わせてカンだけをたよりにお皿を投げ合ったけれど、うまくいくわけありませんよね。暗闇(やみ)の中にガチャガチャガチャという音が響き、照明がついたら舞台の上は割れたお皿だらけ。

 支配人がお皿を山ほど抱えて舞台を横切るシーンがあるんですが、そこで足を滑らせましてね。滑りながら体勢を整え、片足だけで持ちこたえ事なきを得ましたが、あの滑りはもうほとんど芸術の領域だと思います(笑い)。

キム 「ナンタ」では、観客にも舞台に上がっていただいて、参加してもらうんですが、一番読めないのがこの観客の反応。ハエの役をお願いした方が、すっかりハエになりきってしまい、延々と料理長を追い回し続け、最後にはハエに料理長が倒されてレスリング状態、というとんでもない展開になってしまったこともありました。

チャン
 料理長の笛の演奏が気にいらなかったのか、笛を取り上げて自分で吹き始めた人もいましたよね。

 客席に降りていって、その場で登場していただく方を選ぶんですが、最近は見る目ができてきて、おもしろそうな人とそうでない人が何となく区別ができるようになってきました。もちろん失敗もありますけど。選ぶポイントは、気持ちよさそうに大きな笑顔で笑っている方、かな?

キム (ユさんを指して)こちらの料理人は、自分好みの女性ばかり会場から選んで連れてこられる。ところがどの方も、お姫さまタイプで、舞台に上げても飲んでも食べてもくれなかったり……(笑い)。

 いや、最近はちょっと反省して、ノリのよさそうな方を選ぶようにしていますよ。

 以前は私が客席に降りると「やめて、お願い、こっちに来ないで」と下を向いたり、顔をそむけたりする人が多かったのに、最近は「私を選んで」という感じの人の方がすごく増えてきました。

 日本公演の前に、日本人は照れ屋が多くて、自分の気持ちを表現することが得意ではない、と聞かされていたんですが、実際に公演をしてみて反応の良さにびっくり。大声で笑い、泣き、積極的に舞台を楽しもうとしてくださる。こちらも演じていてとても楽しめるんです。 

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