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語る・立教大学
語る人




 ぼくは小学校から大学までの16年間を立教で過ごしました。当時法学部は新設間もなくて、他学部に比べて進みやすかったんですね。「じゃあそれでいいや」と法学部に決めたという、なんともいい加減なものでした。もっとも、理屈っぽいことを考えるのは嫌いではなかったから、あながち自分が法学部に向いていないとも思いませんでした。
高校までは勉強がとても大変でしたから、大学生になった時は「これでやっと自由になれるぞ」とほっとしたものです。その頃のキャンパスには、いわゆる「立教カラー」というものが色濃くありました。ぼくは長嶋茂雄さんより7つ年下ですが、「あの長嶋の立教」というイメージがまだ強く残っていましたし、スポーツだけではなく文化活動も盛んでしたね。例えば軽音楽部のバンドなんてスター的な存在で、大学全体がなんとも言えない華やかさに包まれていました。ぼくが小学生か中学生の時にタッカーホールができて、小中学生は入れないことになっていたのに、学園祭のホールをこっそり覗きに行くとハワイアンバンドがプロ並みの演奏をしていて、カッコいいなって思ったことがあります。かつての学生によく歌われた大学数え歌の11番目に、「十字架背負ってケンカする。キリスト泣かせのン大生」というのがあるのですが、そんな歌詞に当時の立教大の雰囲気がよく表れています。ぼくも含めて多くの学生がキリスト教徒ではないのだけれど、「十字架背負って」っていうところがどこかにありましたね。気持ちがふっとしずまる感じが好きで、チャペルにもよく足を運んだものです。




 ぼくは自由が欲しくて大学へ行ったようなものだから、正直に言って遊ぶ方にばかり熱心な学生でした。入ることだけが目的化してしまった大学のあり方が問題になっていますが、ぼくがまさにそうだった。だから、自分のテレビ番組でそんな大学批判の話題が出るとちょっと困ってしまいます。
法学部の試験というとほとんどが論文で、ぼくはさっぱり勉強していませんから、どれだけ屁理屈をこねられるかというところが勝負でしたよ。成績はよくなかったけど、不思議と単位は落とさなかったなぁ。たぶん先生方はぼくの書いた屁理屈に頭にきて、あきれて合格点を出してくれたのでしょう。
昼間はなんとなく大学で過ごして、薄暗くなると街に繰り出すというのが当時のパターン。あの頃の池袋は夜になるとガラが悪くなるから、新宿や渋谷まで出かけることが多かったですね。当時はまだ大学生が学生服を着ていましたから、グレーの学生ズボンのまま上着だけセーターに交換して。遊びといっても今とは様子が違って、男が集まればまず麻雀です。最近の若い人が麻雀をしなくなったのは、友達と顔をつき合わせることが苦手だからなのかな。麻雀にせよ何にせよぼくらの時代にはいつも誰かと一緒にいて、そのうち喧嘩になったりもするんだけど、実はそういうことが大切で、喧嘩もできないようなあたりさわりのない関係しか結べない相手は、真の友達とは呼べない気がします。



 たっぷり2か月ある夏休みには、仲間たちと海の近くの農家を一軒借り上げて、入れ替わり立ち替わりという感じで過ごしに行きました。湘南は高かったから、海というと決まって千葉の海岸でしたね。朝になると誰かから帽子が回ってきて、そこに500 円入れて。1人1日500 円が生活費というわけで、食事代から何からそれでまかなっていました。
なんだか大学時代というと遊んだ思い出ばかりになってしまうのですが、ぼくにとっての立教大とは遊びを通してかけがえのない友達をつくったところであり、それだけでも4年間を過ごした意義があったと思います。当時の仲間とはいまだに年に3、4回は集まるのですが、社会に出てからできた知り合いとは、付き合い方が決定的に違っています。仕事上の知人はどうしてもお互いの立場などに縛られ、親しくなる程度に限度がありますが、学生時代の友人にはそれがありませんね。相談したいことがあれば心を開いて打ち明けられるし、そういう友達がいることは本当に心強いものですよ。
ぼくは今でもよく神宮球場へ野球部の応援に行きますが、スタンドにくる立大生が少なくなりましたね。「同じ大学の仲間」という意識が希薄になっているのでしょうか。「立教カラー」という話をしましたが、最近はどの大学からもスクールカラーが感じられなくなりました。その学校ならではの学風が人を育てるところがあって、立教大は規模がさほど大きくないわりには多彩な人材をたくさん輩出してきましたが、このまま立教カラーが失われていくのだとしたらさびしいですね。これからの立大生には、ぜひ個性を発揮してあの独特の立教カラーを復活させて欲しいと思います。
PROFILE
せきぐち・ひろし 1943年東京生まれ。父は俳優の佐野周二。立教大学在学中からテレビ・映画に出演し、「スター千一夜」や「クイズ100 人に聞きました」などの司会者として注目される。現在は「関口宏の東京フレンドパークU」や「サンデーモーニング」をはじめとする人気番組の司会を担当。77年に「星の砂」(小柳ルミ子)の作詞で日本作詞大賞作品賞を受賞。03年に写真家の浅井愼平と共著でCDブック『ALOHA AGAIN』(アーティストハウス)を出版するなど、その活躍ぶりは幅広い。。
予告 次回(4月1日更新予定)(フリーアナウンサー)さんに在学中の思い出を語って頂きます。ご期待ください。

なかにし礼さん(作家)
服部幸應さん(服部栄養専門学校理事長・校長)
黒沢 清さん(映画監督)
俣木盾夫さん(株式会社電通社長)
相島一之さん(俳優)
乾 貴美子さん(タレント)
小宮山昭一 立教大学理事長
社会学的想像力のある人が、 未来を拓く。
(社会学部 助教授 



新たな「まなざし」が、
これからの豊かさを発見する。

(観光学部 教授 安島博幸)
立教学院創立130年記念事業旧江戸川乱歩邸公開記念サイト更新しました

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