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新たなる「立教映画人」誕生
映画監督
熊坂 出(1998年文学部英米文学科卒)

6月1日掲載


  • 熊坂出イメージ
  • ベルリン国際映画祭イメージ
  • ベルリン国際映画祭での授賞式の様子

今年のベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞を受賞した熊坂出監督。「ベルリン国際映画祭」といえば、カンヌ、ヴェネツィアと並ぶ世界三大映画祭の一つ。若き熊坂監督に受賞作と立教での学生時代について語って頂いた。

「僕は立教大好きでした」開口一番、嬉しい言葉。「面白い授業がたくさんあって、勉強することも嫌いじゃなかったです」。特に印象に残っている授業を尋ねると、「三浦雅弘先生の哲学の授業は特に楽しかったです。映画を学生に観せて、登場人物のとった行動だとか映画の主題だとか、あるポイントを与えて、それについて論文を書かせるんです。その論文を元に学生達でディベートする。田村先生の『聖書講読』もすごく面白かったです。僕の両親がキリスト教徒で、子供のころから教会に通っていたんですが、牧師さんの説教よりも、先生が教える聖書のお話の方が自分にはすっと入ってきました。それから、清里に泊り込んで連日講義を受ける『文学部集中合同講義』もとても思い出深いです。先生と学生たちが夜一緒にお酒を飲んで、熱くなっておしゃべりをして・・・」。

もちろん、授業だけの学生生活ではなく、一、二年次は山岳団体の「翠嵐会」に、三、四年次は「軽音楽部」に所属。山から音楽への転向は「小学生のころからクラシックピアノをやっていたので、音楽が恋しくなったのかもしれません。ジャズと出会あわせてくれた軽音楽部には、本当に感謝してます」。仲間との思い出もたくさんあるようだ。

受賞作の『パーク アンド ラブホテル』制作の動機を伺うと、「例えば、ある事件が起こると、その原因を特定したくなるものだと思いますが、実際は一つや二つの原因だけではなくて、もっと細々とさまざまなことがあるのだと思うのです。三十年間生きてきた中で、他の人たちから頂いてきたものや、目にしてきた風景、そういったいろいろなものが自分の中に醸造され、分解され、組み合わさって。その中から他人様に差し出してもいいんじゃないか、あるいは差し出した方がいいんじゃないかと思えたものを差し出しているだけだと思います」。本作品の土台は、今までの生活の中で出会ってきたものだという。そして「考えつかないような発想」と思われることも「才能ではなくて、どれだけ考え抜くかということだと思います。大学は、そういった下地を作ってくれました」。すでに次作の構想もいくつか考えているという熊坂氏の今後の活躍が今から楽しみだ。

熊坂 出(くまさか・いづる)
熊坂 出(くまさか・いづる)
1998年文学部英米文学科卒

卒業後、グラフィックデザイナーを経て、2002年より株式会社テレビマンユニオンにて映像制作に携わる。2004年に制作した自主映画『珈琲とミルク』がぴあフィルムフェスティバル/PFFアワード2005で審査員特別賞、企画賞、クリエイティブ賞を受賞。第17回PFFスカラシップ作品『パーク アンド ラブホテル』が2008年ベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞を受賞。

パーク アンド ラブホテル
【映画解説】 パーク アンド ラブホテル

主人公は初老の女性、艶子。少々くたびれかかったラブホテルのオーナーである。このホテルの屋上には小さな公園があった。そこは老人や子供が次々と訪れる都会のオアシス。映画は、この公園に迷い込んできたさまざまな世代の女性たちと艶子との心の交流を描く。

オフィシャルサイト:http://www.pia.co.jp/pff/park/

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