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佐藤一彦(現代心理学部映像身体学科教授)
Sato Kazuhiko
映像プロデューサー。1980年よりテレビ番組の制作・企画・演出・構成・脚本などにフリーランスとして従事。NHK、民放各社、CS局、BS局などの放送領域を中心に、ビデオ、レーザーディスク、DVDなどのパッケージメディア、展示映像などで、主に美術、歴史、人物評伝、紀行、情報、報道、ドキュメンタリードラマなどの番組・作品制作を手がける。主な作品は、「風の男・白洲次郎」「白洲正子のかくれ里を旅する」「タオ老子」「ドラマエッセイ・庭の家族」「戦後経済を築いた男たち」など多数。2006年より立教大学現代心理学部教授。
現在、各種テレビ番組の企画・プロデュースなどをつとめる一方で、映像身体学科を拠点に、次世代超高精細映像である「4k」映像作品の制作をはじめ、美術館や博物館、博覧会などでの超高精細提示映像の制作手法の開発に取り組んでいる。
佐藤一彦(現代心理学部映像身体学科教授)
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法学部
法学部の最新の取り組みをレポートします。ご期待ください。
 現代心理学部は、心理学科と映像身体学科の2つの学科から構成されています。立教大学の中でも長い歴史と伝統を誇る心理学科と、心理学に隣接しながらもまったく新たな学問領域の確立を目指して開設された映像身体学科・・。それぞれの学科の背景と特徴を生かしながら「現代」というフィールドを対象に、心理学、哲学、映像表現、身体表現の分野を相互にクロスオーバーさせることで、その中心に位置する「人間」とは何かを深く考えていこうというきわめてユニークな学部です。今回は、映像表現と身体表現の双方から次世代表現の最先端を切り開こうとする「映像身体学科」について、その最新の取り組みをご紹介することにしましょう。
映像表現と身体表現の実験拠点=新座6号館
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 2007年、映像身体学科はとても多忙な1年を過ごしました。一昨年の学部開設とともに新座キャンパス内に建造された真新しい現代心理学部の研究棟「6号館」を拠点として、教員と学生が一体となった幾つもの作品制作やイベント開催が行われたからです。6号館の最大の特長は、国内の大学ではトップクラスと言える映像表現と身体表現に関する充実した施設です。ことに2階の「ロフト1教室」は約180席の座席を自動収納できる、ダンスと演劇のための専用シアターで、ここでは映像身体学科の教授で世界的に著名なダンサーでもある勅使川原三郎教授の身体論ワークショップをはじめ、演劇や気功、太極拳など、身体表現にまつわるさまざまなワークショップが開かれています。またこの「ロフト1」はダンスや演劇を発表する空間としても用いられ、2007年には学生グループによる〈ダンスと映像のコラボレーション〉に加え、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の渡邊淳司博士による〈認知心理学とエレクトロニクスアートによるコラボレーション・パフォーマンス〉のイベントが行われました。いずれも心理学、映像、身体表現を融合させる先鋭的な試みで、映像身体学科が目指す一つの姿を予見させる有意義なイベントでした。

デジタルシネマの最先端シアター=ロフト2は世界が注目
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 一方、6号館3階にある「ロフト2教室」は、国内でも最先端と言えるデジタルシネマ上映の設備=4kプロジェクターを備えた座席数約180の本格的映像シアターで、この設備は東京や大阪の主要映画館をしのぐ高いレベルのものです。「4k」とはハイビジョンの4倍の解像度を持つ次世代映像の中心技術で、この先端環境を備えた「ロフト2」は、まさに世界でもトップクラスのもの。映像身体学科では授業での映画作品の鑑賞や学生たちによる制作作品の上映がすべてこの4kシアターで行われます。映像は「撮る」ことと「見る」ことという二つの身体運動から成り立つものです。映像身体学科では何よりも学生の「見る力」、しかも高い画質と大画面を自分たちの身体にしっかりと覚え込んでもらう為に、この最新の設備を導入・運用をしています。2007年には、学生作品の上映のみならず、映像身体学科教授で映画監督である万田邦敏教授、篠崎誠教授の最新作の先行試写や、小栗康平監督など国内の著名監督の作品のデジタル上映も行いました。また11月には、アメリカで発表されたばかりの最新4kカメラ「RED」の日本初になる展示発表会を「ロフト2」でおこない、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の監督ピーター・ジャクソン氏が「RED」カメラで撮影をした4kショートムービーを日本で初めて上映。来場した多くの映画・CM関係者をはじめ、ハリウッドからも参加した米人の映像技術者からも、「ロフト2」の設備の充実度が注目されました。

立教大学初の4k映像コンテンツ「Rの風景」を制作」
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 映像身体学科では「4k技術」をベースに今、次世代映像コンテンツの開発に取り組んでいます。2007年には、オリンパス社製の4kカメラシステム「オクタビジョン」を用いて、約20分の4kコンテンツ『Rの風景』を制作しました。『Rの風景』は、立教大学の頭文字である「R」を意味するもので、新座キャンパスの未来的な建築造形を舞台に、勅使川原教授のダンスや野球部、馬術部などにも協力をしてもらい、次世代の超高精細・大型展示映像の可能性をさぐるためのシーンを数々撮影。4kカメラでは国内初の本格的コンテンツとして、他大学の画像工学の専門家やSONY、NTTなどの研究所スタッフからも高い評価を得たものです。撮影では映画やテレビで仕事をするプロのスタッフに加わって、映像身体学科の学生有志も参加しました。映像身体学科ではこうした実際の制作の現場を体験できるという意味でも新たな試みを行っています。

 4kコンテンツの制作手法の研究開発はこの他にも行われており、2007年10月には新橋演舞場で中村勘三郎さんの歌舞伎「連獅子」などを慶應義塾大学の研究チームと合同で撮影。今後、劇場イベントやコンサート、スポーツイベントなどへの4k技術の展開を予測しています。更に2008年度には、元宇宙飛行士の毛利衛氏が館長を務める日本科学未来館(東京・台場)で上映するための「本格的4k科学コンテンツ」を、映像身体学科を主体に制作し、広く一般に公開する予定です。

映像表現と身体表現の未来へ向けて
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 いま、映像を中心としたテクノロジーとビジネス、表現の可能性は大きな変革期を迎えています。そこには、映像の根幹と密接に関わる身体表現の領域拡大も加わろうとしています。たとえばゲームソフトの製作や映画における特殊効果に用いられている「モーションキャプチャー」と呼ばれる技術です。これは人間の動作を複数の赤外線カメラで多方向から撮影し、そこで得られた3次元情報をもとにデジタル処理で新たな画像を自在に作り出そうとする新技術です。映像身体学科ではこうした映像と身体の両方に関与する新技術にもしっかりと目配りをしながら、学問的な研究と表現行為の新たな開発を融合させていきたいと考えています。

 こころと身体、映像と哲学。こうした互いに隣接し影響を与え合ってきた領域を複合的な視点でとらえることで、学問と表現の新たな可能性を切り開いていくのが、映像身体学科の使命=次世代へ向けた重要なミッションだと私たちは考えています。

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"" INVENTION01: 文学が熱い - 渡辺信二(文学部長)
"" INVENTION02: 確かな基礎力の充実を - 檜枝光太郎(理学部長)
"" INVENTION03: 福祉をスポーツの視点から - 福山 清蔵(コミュニティ福祉学部長)
"" INVENTION04: 続ける!経営学教育の革新 - 白石 典義(経営学部長)
"" INVENTION05: メディアを読み解く - 砂川 浩慶(社会学部メディア社会学科准教授)
"" INVENTION06: 映像身体学の創出へ向けて - 佐藤 一彦(現代心理学部映像身体学科教授)
"" INVENTION07: 実践への躍進 - 橋 信隆(法学部長)
"" INVENTION08: 経済学部百年目の挑戦 - 小林 純(経済学部長)

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