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香山リカ対談

2013年2月1日掲載

伝統的に、クラブ・サークル活動、ボランティア活動、キャンプといった正課(授業)以外の活動も、大学教育の一環であると考え「正課外教育」と位置付けている立教大学。そのねらいとは何か。学生部長を務める舛谷鋭教授(観光学部)と香山リカ教授が語り合いました。

香山リカ(以下、香山) いま、大学教育の在り方に関心が集まる中、大学が果たすべき役割についてもさまざまな観点から議論が行われています。そうした中、従来の正課での教育はもちろん、正課外における教育も重要視されていますね。

舛谷 鋭(以下、舛谷) 立教大学では、伝統的に正課以外の活動を「正課外教育」と呼び、大学教育の一環として位置付けています。
本学の教育目標である「専門性に立つ教養人」を育成するため、「知識」「技能」「態度」「体験」の4つの教育目的を掲げていますが、これらは正課だけで実践できるものではありません。各学部や全学共通カリキュラムの「正課教育」だけでなく「正課外教育」を展開し、すべての教育目的を達成することを目指しています。

香山 正課外というと、体育会やサークルなどの活動が思い浮かびますが、「教育」と称している立教の「正課外教育」とは具体的にどのようなものなのでしょうか?

舛谷 まず、正課外教育の目的は建学の精神である“キリスト教に基づく教育”によって一人一人の個性を尊重し、他者との関係性を通して自己理解を深め、自分らしい生き方を模索することです。体育会やサークル活動はもちろん正課外の取り組みの一つですが、その他に本学では60を超えるプログラムを展開しています。立教大学ではこれらを「立教チャレンジプログラム」と呼んでいます。
具体的には、チャペル、学生部、キャリアセンター、ボランティアセンターなどの部局が、それぞれにキャンプ、フィールドワーク、ボランティア活動、キャリア支援などの体験型プログラムや、スキルアップ講座といった講義形式のものなど、多様な正課外教育プログラムを展開し、学生にさまざまな学習・体験の機会を提供しています。
学生の皆さんが目的意識を持ち、主体的に学生生活を過ごせるよう、入学直後から参加できるプログラムを多数用意しています。これらを通じて学生生活に必要な知識を得たり、立教大学の建学の精神や伝統に触れたり、あるいは大学で学ぶ意味を考えながら、学生生活を楽しんでほしいですね。

香山 講義から体験型まで多くのプログラムが用意されていて、学生生活を豊かなものにしてくれそうですね。

舛谷 特に、地方から初めて首都圏に出て来て一人暮らしを始める学生の中には、希望と不安を抱えて学生生活をスタートする方もいると思いますが、そうした学生が正課外教育プログラムを通じて自分の居場所を見出せるようにサポートします。例えば、新入生100名を対象に「新入生キャンプ in 清里」を実施しています。このキャンプは教職員の他、運営スタッフとなる上級生も「学生アドバイザー」として参加し、共に語り合い意見交換をしながら3日間を過ごします。キャンプを通じ、新入生がさまざまな物の見方や考え方があることを実感し、自分の学生生活について考えるきっかけとなることを目指しています。

香山 お話を伺っていると、大学生としての基礎知識から学外の活動まで、多彩な正課外教育プログラムを展開できているのは、さまざま部署が関わり、全学的に力を入れているからなのですね。立教ならではというプログラムにはどのようなものがありますか。

舛谷 数あるプログラムの中でも「キャンプ」の歴史は古く、1950年代から伝統的に力を入れてきたものです。立教大学では、現地に赴き、さまざまな生きた現実に直接触れる体験を通して学びを深めるプログラムを「キャンプ」と呼んでおり、奉仕活動、体験学習、共同生活、グループワークなどを総合したプログラムになっています。

香山 前回の対談(2012年11月1日掲載)では、八木正言チャプレンから「奥中山ワークキャンプ」について詳しく伺い、学生の考え方や生き方まで変えてしまうような力を持った教育プログラムであることを実感しました。
こうした学外での生きた体験を通して、学生はどのような成長をすることができると考えていらっしゃいますか。

舛谷 日常から離れ、さまざまな環境の中で生きる人たちの「現場」に足を踏み入れ、多様な価値観や文化に触れることで、学生たちは他者を理解する感受性を養いながら、自分の価値観を見つめる時間が得られます。また、いろいろなことにチャレンジして自分の得手・不得手に気づきながら、他者との関係性の中で自分にできることを増やしていくこともできると考えています。