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大学選びの最前線――立教大学オープンキャンパスについて 入学センター 熊谷雄子
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 立教大学のオープンキャンパス来場者数は2004年が約1万8000人、2005年が2万3300人、そして2006年は2万6500人と、年々増加している。そんな立教大学のオープンキャンパスの現場、およびその取り組みについて、オープンキャンパスを主催する入学センターの熊谷さんにお話を伺った。


年々、注目度が上がるオープンキャンパス

 数年前まで、オープンキャンパスの参加者といえば高校3年生が中心でした。ところが最近では高校1、2年生の参加が増え、なかには中学生の姿も見られるほど年齢層の幅が広がっています。これは高校の先生方が大学選びのポイントをチェックする重要な機会として、オープンキャンパスのようなイベントをより重視するようになったためと思われます。実際、オープンキャンパスの参加を夏休みの課題とする高校もあり、進路指導の方法がずいぶん変わってきたのではないでしょうか。

 受験生や保護者の方にとっても、オープンキャンパスはより身近なイベントとなっており、大学に来て何を見るのか、視点も広がりをみせています。高校生はオープンキャンパスを、学問の内容に加えて大学の雰囲気や4年間をどのように過ごすのかイメージする場としてとらえ、大学生活について、よりリアルな情報を求めているように思われます。

 立教大学では今年、池袋キャンパスで4回、新座キャンパスで2回の計6回開催しました。開催時期は高校生が参加しやすくなるよう、昨年まで6〜9月に開催していたのを7、8月に集中しました。内容は池袋が全学部対象、新座では観光・コミュニティ福祉・現代心理学部の3学部に特化して開催しました。そのため、新座には希望学部を絞ってくる来場者が多く、質問も明確な内容のものが多かったように感じました。

 また、最近特に多く質問されるのが、就職に関するものです。職員への質問コーナーでは、開口一番「就職はどうですか?」と聞かれます。つい最近までの厳しい就職状況が、高校生の大学選びの視点に大きな影響を与えているようです。


大学の学問と社会のつながりを学ぶ体験授業

  立教大学のオープンキャンパスは主に「全体説明」、「学部学科の説明」、「職員・在校生による個別相談コーナー」、「体験授業」、「キャンパスツアー」の5つのプログラムを柱としています。

 例えば体験授業では、“大学で学ぶ学問の内容が実社会とどのようにつながっているか”に重点をおき、来場者に知的好奇心をかきたてるような内容になるよう教員に依頼しています。例えば、法学部なら、今年は「カンダタの罪を教えてください」というタイトルで実施しました。このカンダタとは、芥川龍之介の短編小説「蜘蛛の糸」に出てくる罪人です。あの罪人を例にとって法学とつなげて授業を進めました。また、経済学部では「目からウロコの金融論」といったタイトルで、金融論が実社会にどんな係わりを持っているかについて授業を行いました。このように、より理解しやすい内容にするため、知的好奇心を刺激するような授業を提供できるよう教員も工夫をこらしています。

 この成果は、事後にとったアンケート調査にも表れており、「○○先生の話がおもしろかった」などの書き込みが多くあります。また仕事柄、私は高校生に接する機会が多いのですが、大学で学ぶことが社会とどのようにつながっているかをお話しすると、目を輝かせながら聞いてくださる方が多いことを実感します。そのため、授業を依頼する教員にも、趣旨に加え来場者の男女比や過去に行なわれた内容を伝え、授業のタイトルや内容を工夫してもらうようにお願いしています。


来場者の視点に立つ学生スタッフの奮闘

 立教大学では数年前から、企画・運営を学生スタッフにゆだねる部分を大幅に増やしました。これは学生スタッフの持つ「より来場者に近い」視点を生かすためです。4〜5月に募集し、今年は経験者を30名、未経験者は90名採用しました。今年は採用した学生の中から5名のチーフを選び、彼らを中心にパネルディスカッションやキャンパスツアーなどの企画から掲示の製作まで、多くのことを依頼しました。

 採用を決めるとまず、全員に研修会に参加してもらいます。研修会では、昨年の来場者のアンケートなどをもとに、オープンキャンパスの位置付けや学生スタッフへの来場者からの評価を説明していきます。丁寧な対応はもちろんですが、来場者が何を求めているのか、しっかり考えて行動するようにと指導しています。

 また、開催後は毎回、問題点を報告してもらっています。その具体的な成果が出ていると思われるのは、特に運営面です。例えば当日、学内のいたるところにプログラムの開催場所をお知らせするために掲示をするのですが、来場者にとっては、分かりにくい場合があります。どの場所でどんな内容のものを掲示すべきかは、ケース・バイ・ケースで簡単ではありませんが、報告に基づき、より分かりやすいものを作成し、次の回に生かしています。

 また、今年は学生スタッフの中から、企画・全体統括を行うチーフのほかに各部署のまとめ役としてリーダーという役職をもうけました。これはチーフの発案で、外誘導のリーダー、建物内誘導のリーダーというように分け、オープンキャンパス当日の各部署の連携を強化するのが目的でした。おかげで各リーダーから「ココにこういう掲示があった方がよい」とか「ココにこんな資料があった方がよい」などの報告があがったとき、全体を統括するチーフがすぐに対応することができ、問題点には効率的かつ迅速に対応ができるようになったと思います。

 こうしたスタッフが身をもって経験した問題や、来場者の反応などをもとに、ますます魅力あるオープンキャンパスを提供できるよう、努力していきますので、来年以降も、ぜひ立教大学のオープンキャンパスに足を運んでみてください。お待ちしています。

くまがい ゆうこ(Kumagai Yuko)
立教大学文学部英米文学科卒業。立教大学学生部学生生活課を経て、2001年4月から入学センター勤務。
現在の主な担当は、オープンキャンパス企画・実施、大学院案内作成等。
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