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若者の雇用環境は激変しており、卒業後の進路に対するサポートの優劣が、大学選びの基準の一つとして重みを増しつつある。そんな中、立教大学のキャリアセンターの先進的な取り組みが、大きな成果を上げているという。同センターの加藤氏にお話を伺った。
「会社選び」から「キャリア選択」の時代へ
学生の就職を取り巻く環境は氷河期を脱し、第二バブルとも評されるほど学生に有利な「売り手市場」へと、変わってきたように見えます。ところが一方で、大学卒業生の約2割が就職も進学もせず無業者(一般にはフリーターに分類)、せっかく就職しても「3年で3割」が辞めてしまうといわれ、決して楽観できる状況ではありません。
かつて日本の企業は、終身雇用・年功序列を前提に、新入社員を自社に合う人材へとじっくり教育し、それによって高い生産性を実現していました。ですから学生は、就職の時点で選択を間違えなければ、将来の安定が保証されたのです。
しかし、押し寄せるグローバル化の波の中激しい競争にさらされ、終身雇用はおろか自身の存続すら保証できなくなった現在の企業に、じっくりと時間とコストをかけて人を育てている余裕はもはやありません。そのため、社会ですぐに活躍できる自立した人材の育成は、必然的に大学に要求されることになったのです。
この変化は学生にとって、将来を会社任せでなく自分で切り開き、組み立てていかなければならない、そしてそのための力を大学時代に身につけておかなければならない、ということを意味します。会社ではなく、より広く「キャリア」を選ばなければならなくなったともいえるでしょう。
実はこれこそが、大学や学生の本来のあり方なのかもしれません。しかし残念なことに、多くの大学生の資質は、育てられた環境と受けてきた教育によっては、企業が要求するものとかけ離れてしまっています。そして大学は、そんな学生をきちんと社会に送り出すための教育プログラムを、懸命に模索しているというのが実情です。最初に述べた「3年・3割」という異常事態は、まだ当分続くのではないでしょうか。
しかしその中にあって、私ども「キャリアセンター」をはじめとする立教大学のキャリア教育、進路・就職支援の取り組みは、他を1歩も2歩もリードしていると自負しています。
学生が自主的に参加する立教のキャリア支援
キャリアの語源は「わだち」、馬車などが走った後にできる車輪の跡です。キャリアを考えるとは、自分がこれからどのような「わだち」を描いて生きていくかを考えること、職業だけでなく、人生そのものを見つめることにほかなりません。
したがって、大学に求められるのは、学生がまず立ち止まって歩いてきた道を振り返り、自分と向き合い、それから将来進むべき道を選んでいく、そのプロセスをサポートすることです。従来の就職支援が会社(仕事)選びという「点」における支援であるのに対し、キャリア支援は入学から卒業後までの「線」における支援といえるでしょう。もちろんそれは、学生が入学時から就職活動を始めるということではありません。むしろ、キャリアを意識しつつ、自分らしく充実した学びを中心とした学生生活を送れば、いざ就職活動という時に特別なことをする必要がなくなると考えています。
現在、立教大学のキャリア支援は、キャリアセンターが正課外のプログラムを、「コオプ教育・インターンシップオフィス」が正課内のキャリア授業を、と分担して取り組んでいます。「コオプ教育」とは、企業だけでも、また大学だけでも担うことが難しい人材育成を、大学と企業をはじめとする社会が協力して行っていこうという考え方。これも立教が先頭を切って発信し、すでにいくつかの企業との間で成果を挙げつつあります。
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そんな立教のキャリア教育の一例として、全学共通カリキュラムの「仕事と人生」があります。本センターの前身である就職部の発案でスタートしたこの講義は、雇用の実態や多様な仕事の現場などを、最前線で活躍している外部講師もお呼びして展開されています。教室内の講義でありながらリアリティにあふれた内容は、学生たちに大きなインパクトを与え、何よりも、自ら考え行動することの大切さに気づくようです。
なお、「仕事と人生」のような講義形式のプログラムについては、理学部の「理学とキャリア」を皮切りに、今後、各学部のカリキュラムに、より専門性と結びついた内容のものを組み込んでいく予定です。
そして、進路・就職支援の場で、学生自ら実際に行動した結果の一つが「キャリア塾」の立ち上げ。就職活動を終えた4年次生が、その体験を生かして3年次生を支援するこのプログラムを、学生たちは本センターと協力しつつ、全く自主的に運営しているのです。年代の近い先輩たちに相談できることが、学生にとって大きな支えとなることは言うまでもありません。
さらに、このキャリア塾を母体として、卒業生たちの異業種交流会「立教ビジネス・クリエイター塾(RBC)」も生まれ、在学生に対する進路・就職支援にも一役買っています。大学主導で学生が協力するプログラムは珍しくありませんが、学生主導でこれだけ規模の大きいプログラムが実現しているのは、本学だけではないでしょうか。このこと自体、本学のキャリア教育や、進路・就職支援の大きな成果と言っていいように思います。
一人ひとりに合わせたキャリア支援を
本センターが提供している正課外プログラムは、1年次生向けから4年次生向けまで、形式も、講演会から模擬面接まで、学生のニーズに応じて実に多種多様です。その中で一つ特徴的なのは、グループ・ワークを多く取り入れていること。見ず知らずの学生同士がお互いの個性を認め合い、あるいは刺激し合って、結果として自己肯定感・自信を得ていくことで、さまざまな「気づき」や成長のきっかけを得られるからです。
そして、もう一つの大きな特徴は、個別のキャリア・カウンセリングの重視です。一人ひとり成長過程の異なる学生たちへのキャリア支援を、一律に行うことはできません。それぞれのなりたい自分、おくりたい人生を見つける手助けは、個別に行う必要が出てくるのです。本学では、職員たちがキャリア・コンサルタントの資格を取得するとともに、外部からキャリア・コンサルタントも迎え、万全の態勢を整えています。
このような、一人ひとりの学生に目が届く教育は、本学の建学の精神であると同時に、まさに時代の要請するところでもあります。マンモス大学には不可能なきめ細かいケアに、今後もますます力を入れていきたいと考えています。
こうしたキャリア支援の目的は、学生をいわゆる「いい会社」に入れることではもちろんありません。むしろ、立教大学で学んだ学生たちの選択が、マスコミがいまだに流布する人気企業ランキングを書き替えてしまうことを、そして、新しいキャリア意識を身につけた彼らが、やがては産業界のあり方をも変革していってくれることを期待しています。
これからの時代は、見方を変えれば、自分次第でどのような生き方も選べるおもしろい時代になったともいえます。 大学での勉強を、将来の充実したキャリアに結び付けたいという高校生のみなさん、立教大学でお待ちしています。
かとう としこ(Katou Toshiko)
立教大学文学部ドイツ文学科卒業
立教大学総務部会計課、就職部、学生相談所を経て 1999年就職部課長、2002年キャリアセンターへ改組、現在キャリアセンター事務部長 |
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「団塊の世代と<セカンドステージ市民大学>」
経営学部教授 笠原清志
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「職業だけでなく人生の「キャリア」」
キャリアセンター事務部長
加藤敏子 |
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