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若者の群像

「下剋上」精神で勝ち取った首位打者 社会学部社会学科4年次・体育会野球部 那賀 裕司

2011年8月8日掲載

東京六大学野球春季リーグ戦で、立教大学体育会野球部は23季ぶりの勝ち点4を挙げ、2位の好成績を残した。その立役者の一人となったのは、立教大学としては5年ぶり19人目の首位打者を獲得し、ベストナインにも選ばれた那賀裕司さん(社会学部社会学科4年次・外野手)だ。

「自分がいくら活躍しても、自分が一番へたくそで上を倒していこうという気持ちでやっています」。

那賀さんは自身の座右の銘を「下剋上」だと説明する。
高校時代には甲子園に出場した経験も持つ那賀さんは、「高校では全国レベルのチームで野球をやらせてもらいました。大学では、もっとレベルの高いところでもまれて、プロに行きたいと思い、東京六大学でプレーするために立教大学に入学しました」。しかし、大学に入ってからすぐに活躍できたわけではなかった。「高校までは金属バットですが、大学では木製のバットに変わり、苦労しました。今までは詰まってもヒットになっていた打球が内野の上を越さなかったり、自分がとらえたと思った打球がドライブして伸びていかなかったり」と、戸惑いを感じたという。

その那賀さんがコンスタントに結果を残せるようになったのは、3年次の秋田キャンプ以降だった。高校2年から続けている毎日の自主練習が実り、ムラがなくなり、スランプが全くなくなった。「高校2年生の夏の甲子園2回戦の早稲田実業戦で、超満員の球場の空気にのまれ、本当に悔しい思いをしました。実力も足りないし、メンタル面も弱かったことを痛感しました。あの悔しさがあるから、誰にも負けたくないという気持ちがより強くなりました」。この日を境に、自主練習を毎日欠かさず続けている。「継続できることは誰にも負けない自信があります。もし、それでも結果が出なかったらまた練習すればいい」と自身のスタイルを力強く語る。

また、最上級生となった今年、野球部のスローガンを「今しかない」とした。これは、今日1日やりきった、毎日やりきったと思える自分でいられるように、という意味を込め、4年次生みんなで考えた言葉だという。那賀さんが1年次生のころ、少数精鋭のチームだった高校時代から、部員160名を超える大学野球部に入部し、文化や練習の取り組み方の違いに違和感を持ったという。「入学した当初は、上下関係がものすごく厳しくて、下級生の練習時間も限られていました」。このままではチームとして勝てないと感じていたという。下級生の成長なくして競争は生まれない。若手の底上げを図れば必然的にチームは強くなると考え、今年のチームは、4年次生が練習を一番盛り上げ、練習の時から1,2年次生が自分たちに何でも言える環境をつくっている。また、グラウンド整備や打撃投手を4年次生が率先して行い、下級生がやりづらい環境をつくらないことを意識している。「今年は、選手全員が率先して動くチームになりつつあります。今までリーグ戦は、部員は全員応援にくることがルールだったんですけど、来ない部員が多かったんです。でも、今年は応援してくれる部員が多くなって、もっと頑張らないといけないという気持ちになったし、今までやってきてよかったなと思えるようになりました」とチームの成長と周りの支えを感じている。

野球とは、「自分を成長させてくれるもの。野球を通して礼儀、挨拶、責任感といった社会にでて一番大切になる部分も身につけました。野球をしていない自分は考えられないです」と話す。

「秋のリーグ戦は、これから野球がやりたくてもできない同級生や、試合に出られない部員のためにも、必ず優勝して、全国大会でも優勝して大塚淳人監督を胴上げします」。

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