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若者の群像

2013年7月8日掲載

立教大学観光学部という全国でも珍しい、観光学を学ぶことができる大学に合格した日からちょうど3年後の2013年2月17日、一つの「プロジェクト」が区切りを迎えました。同時に、その日は私にとって観光学部に入って本当に良かったと心から思える日になりました。

  • 鳥羽市観光関係者との意見交換会

「プロジェクト」とは、私が所属するゼミでの活動のことです。所属する安島博幸教授のゼミでは約1年間にわたり、近畿日本ツーリスト、観光販売システムズ、三重県鳥羽市とともに産学連携の活動を行いました。活動内容はパッケージツアーの企画・販売──大学生の私たちが考えた旅行プランを実際に販売するというものでした。ツアーの対象地となるのは三重県鳥羽市。三重県内屈指の観光地ですが、隣接する伊勢・志摩に客足が向き、観光産業が伸び悩んでいました。そこで私を含めた安島ゼミ3年次生(当時)がこれまでにない斬新なツアーを企画・販売し観光客を鳥羽市に誘客しようというのがこのプロジェクトの狙いです。

  • 鳥羽市視察時にシーカヤックを体験

実際に活動をスタートさせてみると困難なことだらけでした。何をやっても壁にぶつかりました。思えば活動を通して常に問題解決のヒントを探っていたように感じます。観光に関する書籍、雑誌、テレビ、映画から情報を収集し、時にはSNSでの他人のつぶやきなどにもヒントを探っていました。「とにかくヒントは日常のふとしたところにあるはずだ」。そんなことを毎日考えていました。主に苦労したのは私たちが鳥羽市を知らないが故にどんなプランなら実際に販売できるのか分からなかったという点です。笑ってしまうような斬新な企画を考えても、旅行会社としては販売できなかったり、旅行会社としては販売可能でも鳥羽市側が対応できなかったりと、なかなか私たちの思い通りにはいきませんでした。結果的に販売に至ったプランは5つですが、企画したプランは10以上ありました。また、実際に旅行する人たちがより楽しめるにはどうしたらいいのかという点にも頭をひねりました。

企業や行政の方とさまざまなやり取りをしましたがとても印象深かったのは、私たちの発言にきちんと耳を傾けてくださったということでした。2012年9月に鳥羽市にゼミ生で赴き、現地の観光関係者の方々と意見交換会を行いましたが、そこでも私たちの意見を真剣に聞いてくださり、本気で議論を戦わせることができました。企業や行政の方々が若輩の私たちに誠実に対応してくださったからこそ私たちも本気でこのプロジェクトに取り組めたのだと思います。

  • 安島先生とゼミの仲間たち

苦労した点は多々ありましたが、去る2月17日に近畿日本ツーリスト有楽町営業所においてプレス発表を行い、製作したパンフレットに5つのプランを載せ、世に送り出すことができました。

観光産業とは多くの方々の協力やさまざまな思いがあってこそ成り立っている。それこそ私が今回の活動で学んだ一番の財産であると思います。この経験を糧に、将来は観光産業に従事し「観光」で地域を元気に、そして日本を元気にしていくお手伝いができたらいいなと考えています。

雑誌『立教』第225号より