公開2007年5月1日
国際文化学部スペシャル対談
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キャンパスが国際交流の場

国際文化学部スペシャル対談

国際文化学部は、学内で国際文化的な経験ができる環境を整えています。その一つは、専任教員の40%が外国籍であること。ポーリン・ケント先生はオーストラリアご出身ですし、他にもニュージーランド、中国、韓国、アメリカ、ハンガリーなど、多様な文化を背景に生活されている教員がいます。

ポーリン学生は普段の生活の中で、異文化理解を自然に学んでいると思うんですね。授業の中で自分の国の例を出すことがありますし、私自身、毎日、日本文化とぶつかって、色々なことを意識しますからそれも学生に伝えます。
 昨年、研究のために1年間、母国に帰っていたんです。日本に戻ってきて思ったのは、日本はどちかというとネガティブ思考というか、何が問題になっているのかということから入るんですね。オーストラリアでは、「ノープロブレム!」があいさつ代わり(笑)。もちろん、すべてがそうではありませんが、ちょっと違った視点からモノを見ていくと、社会改善にもつながると思うんです。そういう意味で私たちは、「日本文化だから当たり前」とは考えていません。「どうしてそうなのか」ということを聞くようにしています。私はぶつかっていく方がいいと思っているんです。性格的なことがあるかもしれないけれど(笑)。ぶつかることで、いいこともたくさんあります。学生も海外に行って初めて、自分の文化を意識します。当たり前と考えていたことが、実はそうじゃない。ちょっと疑問を持つと、総合的に考えるようになります。異文化理解は交流しながら学ぶべきで、テキストの上だけではできませんね。

おっしゃる通りです。本学部には外国人留学生も多く、学内で約200人が学んでいます。例えば、中国からの留学生と、中国語を勉強している学生とをマッチングして、中国の学生をサポートするケースもあります。留学生寮で寝食を共にし、彼らをサポートする機会も設けています。本学の学生はそのような留学生と知り合うことで、言葉だけではない文化を学び、それが一つの異文化交流になっています。

ポーリンチューター的なこの取り組みを、今後は制度化していこうとしていますね。

瀬田キャンパスでは、海外の大学が、龍谷大学とは違うその大学独自のプログラムを展開しています。ちょうど今、タイのアサプション大学から約20人の学生が来て、このキャンパスで勉強しているんです。我々の授業に参加していただいたり、あるいは国際文化学部の学生たちが授業を受けさせてもらったりしています。そういう意味ではキャンパスそのものが、一つの国際交流の場。外国に行くことはもちろん国際的な経験ですが、キャンパスの中でもそれを実現することができます。

多彩な留学制度を設け、積極的に学生を支援

国際文化学部スペシャル対談

当然ながら、我々の学部では留学を奨励しており、授業で身に付けたスキルを実際に生かす機会を作っています。本学と相互交換協定を結んだ14カ国24大学1機関の協定校に長期留学する交換留学をはじめ、昨年にはアメリカのカリフォルニア州バークレイ市に海外拠点を設け、英語学習とインターンシップを組み合せたBIEプログラム留学、私費留学、短期留学と、様々な選択肢があります。留学中の本学授業料減免といった経済的支援も用意し、現在、半年以上の長期留学をする学生は年間約150人、短期留学も約150人います。たとえ留学しなくても、旅行などで必ずといっていいくらい学生は海外へ出掛けていますね。

ポーリンプログラムの中には、語学を勉強するだけではなく、トルコに行って美術品を見る、スペインに行ってイスラムの影響を学ぶというような内容もありますね。

そう、多様なんですね。文化を知るには、やはり自分が関心のある場所に立ってみることが重要です。このような現場主義、フィールドに出るというプログラムを、とくに文化理解分野のコースでどんどんやっていこうと考えています。

ポーリン私の母国、オーストラリアは移民国ですから英語研修が発達していて、多くの国民も英語を学ぶサービスが必要なんですね。留学した学生に話を聞くと、語学研修には各国の学生が来ていて、英語は日本人の方が少し上手なのに、自分の国のことを話すとなると、何を言っていいのか分からなくなって、はずかしい思いをするそうです。英語が下手でも他の国の人は、自分の国について話すことがたくさんあるのですけれどね。でも、このような刺激を受けるのはとてもいいことだと思います。

本学部には「語学・留学サポート室」を設けており、それぞれの目的や目標に応じて、どういう場所がふさわしいかアドバイスしています。留学サポートは、行くための準備はもちろんですが、帰ってきて学部の学習の中にどう生かすかも大切ですね。

ポーリン留学を終えると、行ってみて良かったこと、日本が学ぶべきことは何か、などをディスカッションする場もあります。帰国してからも国際交流を学べますね。

今回のカリキュラム改革を機に、そういうことを制度化したいです。留学は行って終わりではなく、事後のサポートも重要。留学した学生の中には、海外から留学してくる人達と積極的に交流する人もいます。

ポーリン留学すると、多くの学生が違う視点で物事を見ようとしますし、積極的で元気になって帰ってくるような気がします。勉強する意味が分かっているから、モチベーションが上がるんですね。

地球を舞台に根を下ろしてくれることは、我々としても元気付けられます。これまで取り組んできたことが形になって実現しているのを見ると、この方法で進んでいくべきだと確信します。今回のカリキュラム改革は、今までやってきたことを変えるのではなく、さらに発展させていくということですから。

ポーリン新カリキュラムはこれから本格的に始まりますが、ぜひ成功させたいですね。

嵩満也(龍谷大学国際文化学部長)
だけ・みつや●長崎県生まれ。龍谷大学文学研究科博士後期課程修了。専門は親鸞思想。主な著書・論文に「親鸞と本覚思想」(『親鸞思想の諸問題』永田文昌堂)、「ディープ・エコロジーと仏教思想」(『生命をめぐる法・倫理・政策』晃洋書房)、「環日本海における仏教文化の交流−渤海の仏教文化を中心にして」(『国際社会文化研究所紀要』第2号)がある。

 

ポーリン・ケント(龍谷大学国際文化学部教授)
Pauline Kent ●オーストラリア出身。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程退学。専門分野は社会学、学説史。著書に「日本人のコジンシュギ」(『「個人」の探求』・NHK出版・2003年・197-229ページ)、「Misconceived Configurations of Ruth Benedict」,(『 Reading Benedict, Reading Mead』」John Hopkins Press, 2004)がある。

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