公開2008年1月1日
長い歴史と豊かな交流を強みに、「人間」を深く理解できる学生を育てたい
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 2009年に創立370周年を迎える龍谷大学。その歴史と伝統を引き継ぐ文学部は、建学の精神である浄土真宗の精神を土台に、社会の変化に対応した教育体制を実践してきた。6学科5専攻体制となった今、文学部で学ぶ魅力とは何か。どんな学生を育てようとしているのか。学部長の赤松徹真教授と教務主任を務める長谷川岳史准教授に語ってもらった。

文学部に脈々と流れる龍谷大学の歴史と伝統

赤松徹真(龍谷大学文学部長)

赤松龍谷大学は2009年に370周年を迎えますが、その起源は寛永16(1639)年に設立された、西本願寺の僧侶養成機関「学寮」にさかのぼります。江戸時代は真宗学を中心に展開していましたが、明治時代以降は、キリスト教学など教養科目を導入し、一般の人をも対象とした教育組織になりました。
 現代の科学技術が急速に進化する時代だからこそ、人の思いや考えを「読み解く力」が求められています。文学部では、人文知の幅広い知識と、多彩な文献の読み解きができる専門性をもち、さまざまな分野の人と対話ができる表現力や人間性を養いたいと考えています。

長谷川文学部には「真宗学科」「仏教学科」「哲学科(哲学専攻教育学専攻)」「史学科(国史学専攻東洋史学専攻仏教史学専攻)」「日本語日本文学科」「英語英米文学科」の6学科5専攻があります。そもそも、創立時から文学部の核である真宗学があり、それを究めるには仏教学が必要、明治時代には西洋の学問も必要、さらに僧侶はいろんな場で活動するので幅広い知識も必要、と時代や社会の要請に応じて、学科・専攻が次々と生まれました。ですから、6学科は独立したものではなく、横のカリキュラムで有機的に結びついています。私たちも、学科間の連携を意識した指導を常に心がけています。

4年間通してのゼミと自由度の高いカリキュラム

長谷川文学部で4年間の学びの特色となるのが、少人数のゼミナール(演習)です。1、2年生は基礎演習、3、4年生は、卒業論文に向けての本格的な研究です。具体的に、まず1年生は研究の入門書などをテキストに、人の考えをどう読み解くか、あるいは自分の専攻分野がどんな広がりをもつのか学びます。2年生は、基本的な資料を根拠として自分の考えを述べるプレゼンの練習をします。3年生は、自分の研究テーマを具体化し、それに関する資料を根拠として自分の考えを打ち出す訓練を積みます。4年生で研究を完成させ卒業論文を作成します。
 文学部では、このゼミを柱にして、自分の専攻する分野をより深く学び専門性を高めることも、自分の専攻以外の分野を学び幅広い教養を身につけることもできます。学科専攻の講義を中心とする縦のカリキュラムとともに、学科専攻の枠を超えた横のカリキュラムも備わっているので、いわば自分の興味に合わせて学べるオーダーメード型カリキュラムといえるでしょう。複数の講義を系統だて、自分の研究に集約できるように、教員もていねいに指導しています。

赤松ゼミ中心にカリキュラムが構成される4年間のため、教員と学生の距離がとても近いのも文学部の特徴です。教員の研究室はたいていオープンですから、学生たちは自由に出入りして、指導を求めたり相談をしたりとコミュニケーションを深めています。文学部ならではの魅力かもしれません。
 また、専攻とは別に、資格取得のための課程を設けていますが、例えば、博物館学課程では、毎年12月に課程修了の発表会と実習をかねて、展覧会「十二月展」を行っています。図書館の所蔵品を使いますが、ちょっとした博物館よりすごい展示で、学外からもたくさんの来場者があります。

多様な人や学びと出あうチャンスが多い学部

赤松学部生と院生が日常的に交流する合同研究室でも、互いのコミュニケーションが密接です。例えば、学科・専攻ごとにさまざまな学会が盛んで、研究会や講演会をよく行っているのですが、そうした学会活動で協力し合ったり、卒業論文の発表やゼミの合宿では院生からアドバイスを受けます。学部生も院生も、ともに学び成長できる場となっています。

長谷川岳史(龍谷大学文学部准教授)

長谷川社会人学生と接するのも学生に良い影響を与えています。2002年から設置した社会人特別コースでは、平日の夜間の時間帯と土曜を中心に学べるようになっていますが、昼間の講義を受講する社会人学生も多く、逆に一般学生が夜間の講義を受講することも当たり前になっています。就職しながら学ぶ人、リタイア後に学ぶ人などさまざまな社会人学生と接することで、学生も多様な生き方を知り、学びの意欲もかきたてられるはず。社会的経験の豊富な人との交わりの中で、講義にいい緊張感が生まれるし、私自身も学ばされることが多々あります。

赤松社会人学生は大学院に進学する人も多く、学ぶ姿勢がとても真剣です。教える側も気が抜けません。
 学生の新しい出あいという点では、仏教文化研究所も貢献しています。ここは、多様で国際的な研究交流活動を行う付属施設ですが、学外の著名な先生の講演会や公開講座をひんぱんに開催しています。

長谷川仏教学科では06年度から、学会の著名人らを招いての「龍谷大学仏教学特別講座」を開講し、一般にも公開しています。他の学科でも、トータルで年間何十回と公開講座を開いています。さまざまな人や学びと出あうチャンスが文学部は本当に多いですね。

文学部の教育を支える図書館

赤松学びの環境として文学部が恵まれているわけには、国宝や重要文化財など約65万点もの膨大な蔵書や資料を所蔵する図書館の存在があげられます。江戸時代から収集している真宗や仏教関係の典籍をはじめ、解釈本、日本文学、歴史、外国の書籍など多彩なジャンルがそろっています。早くから、世界の学術的な動きに関心を寄せてきた証しともいえます。

長谷川文学部ではテキストを研究する文献学が中心で、多くの古典を扱います。古典は過去の遺物というイメージをもたれやすいのですが、今のこの世界は、過去の積み重ねのうえに成り立っている社会という見方もできます。単に過去の遺物としてみるのではなく、人類の知的遺産を継承して現代に生かしていく、また再発見していくことが大事です。そうした意味においても、図書館を利用した学びは大変意義あることだと思います。

長谷川岳史(龍谷大学文学部准教授)、赤松徹真(龍谷大学文学部長)

赤松日本語は時代の変遷以上に変化しています。図書館は、日本の言葉や言語の移り変わりを習得する場としても重要です。教員が自身の研究にも使い、それを教育に取り入れて学生に還元しなくてはなりません。

長谷川図書館は2年前に改築工事が終わり、情報機器も導入して使いやすく便利になりました。最近は収蔵品をネットでも一部公開していますし、学外からも多くの人が閲覧にきます。他大学の研究者にも、よく利用されているようです。

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