横浜市本町小学校は、開かれた港町の学舎にふさわしく「オープンスペースの小学校」として、以前から教育界の話題を集めていた。オープンスペースとは教室と教室との間の壁を取り払った設計で、子どもたちが空間を共有することにより、クラスを超えた相互コミュニケーションを図る。教員たちも児童と同じ空間に机を持ち、休み時間も放課後も児童との交流ができる環境を作り出している。
「パソコンもみんなの道具、トイレのサンダルもみんなの道具だということです」
壹谷隆義校長は意外な比喩を持ち出した。サ ンダルはトイレにあればよく、使うのに許可はいらない。大切なのは、使った人がキチンとそろえて置くことを教員が児童に学ばせることだ。パソコンも同じだという。
「パソコン導入の際にまず決めたのは、部屋の中にしまいこまないということでした。児童の近くに置くことで、自分たちの共有物という意識が生まれ、パソコンに対する抵抗もなくなる。そこまでが、小学生の段階で大切なことだと思います。人間が教えればいいことに、無理にパソコンを使うことはありません」
メディアは手に届くところに。それがこの学校の「開港政策」だった。

