晴れた日には遠くに富士山がのぞめるという赤羽台西小学校は、隣接する赤羽台団地に住む400人ほどの児童が通う小学校だ。緑の高台に位置し、団地に囲まれたたずまいには、東京の都心にありながらどこかのんびりとしている。
私たちが訪れたのは、ちょうど1学期の終業式の日の昼下がりで、校庭にも教室にも児童の姿はまばらだった。懐かしい匂いのする昔ながらの廊下を通って、「パソコン教室」の名札のかかった教室の扉を開ける。その教室にはひんやりとしたエアコンの空気が流れ、20台ほどのウインドウズマシンが設置されている。パソコンとオフィスチェアの真っ白な色あいがどこか小学校の教室らしくなく、ちょっと意外な景色だ。
赤羽台西小のインターネットクラブは、今年の春に野間俊彦先生を中心に4、5名の6年生が同好会的に集まってスタートし、その後入部者を増やして現在およそ20名。1人の指導者が目を配るには、このくらいが限度だという。部員たちの多くは、キーボードに向かって電子メールの文面をそれぞれ考えていた。
「子どもたちに電子メールをやらせているのは、ただパソコンで遊ぶのではなく、自分と他人とがパソコンで繋がっていけることを実感してもらいたいから。手紙を書けば、自分が話してみたい内容を考え、そして相手のことを思い浮かべてキーボードに向かうことになるし、返事がくればさらにコミュニケーションが深まります。文章が苦手な子どもは相手とクイズを出し合ってみたりさせています。一方的に情報を取り入れるためだけに、子どもたちにはパソコンを使ってほしくないんです」
子どもたちのキーボートさばきを見ていると、こちらが舌をまくほど早くて正確な子どもも多い。「キーボートの方が、エンピツよりも早いよ」と平然という子もいる。「入力は将来のことを考えて、全部英字入力でやらせてます。キーボートを打つのが早い子、マウスで上手に絵を書く子、本を読んでどんどん知識を吸収する子。同じ事をやらせていても、自然と個性が出てるのが見ていて楽しいですね」