コンピューター教室に入ると、放課後にもかかわらず20人ほどの生徒がパソコンと向き合っていた。ずいぶん楽しそうなので、何をしているのかと思いきや、パズルゲームの真っ最中。後ろからのぞいているのがプレッシャーになったのか、だんだんと負けそうになってきた。
 「本当はいけないんですが、知的なゲームならと大目に見ています」と小島教諭。だれかが持ってきたフリーソフトのゲームがコピーされて、いつの間にか大増殖した。強制的にやめさせるより、もっと楽しいパソコンの使い方もあるよと導くよう試みているという。
 「見つけ次第デスクトップのゴミ箱に捨てていたのですが、生徒の方もだんだんと利口になって、フォルダーの奥の方に隠したり、ファイルの名前を変えたり、さらにはフロッピーディスクの中に飼うようになってしまって……」、情報教育委員会の中心メンバーである土屋至教諭は困惑顔ながらも生徒の賢さに感心している様子だ。「ゲームの隠し方と同じように、パソコンの使い方もどんどん高度になっています。生徒たちがどんな風に進化していくのか準備室から眺めているんですよ」といたずらっぽく笑った。
 授業とはまったく関係ない生徒も、休み時間や放課後には自由にコンピューター教室に出入りでき、ネットサーフィンはもちろん、希望すればIDをもらって電子メールの利用も可能だ。パソコン通信で知り合った大学生に進路の相談をしている生徒、あまり話す機会がないからと電子メールでお父さんとメッセージをやりとりしている娘、「学校ならタダだから」とちゃっかりした子もいる。ホームページを検索している生徒に、どんなページをよく見るのか聞いてみると、テレビ局や出版社がほとんどだった。好きなタレントの登場する番組や雑誌をチェックしているらしい。
 課題提出の時期が近づくと、さすがに生徒たちもゲームどころではなくなる。リポート作成のために、インターネットを使ってデータ収集する生徒がふえるそうだ。研究論文みたいな場合はニュースグループをたちあげて、いろんな人から意見を求めることもある。ある高2の生徒は原爆についての意見をいろんな人から集めたという。アメリカやオーストラリアからの返事で英文だったという問題も生じたが、とりあえず、新しい情報収集ツールのひとつとして、インターネットは生徒たちに利用されている。


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