昨年12月、映画人の登竜門の一つ、函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞を受賞した藤村享平さんは、映画の専門学校を卒業して3年目を迎えた24歳。過去の函館港イルミナシオン映画祭受賞作は、この4月に公開予定の『うた魂♪』など映画化されることが多い。「僕のシナリオも映画化されればと願っています」と語る藤村さんの生き方には、若者の情熱がみなぎっています。
後悔しないためにも、やれるうちに
やれることをやっておきたい
今回、シナリオ大賞を受賞できて、ラッキーって感じです。応募者にはプロのかたも多いので、少しは自信を持つことができました。
高校生のときから映画は大好きで年に200本は観ていました。でも進路選択のときには迷いましたね。僕は石川県金沢市の公立高校へ通っていましたが、工学系の大学へ進学して企業に就職する道にするのか、好きな映画を本格的に学ぶのか。安定を取るか、夢を目指すか、ずいぶん考えました。
でも今、好きなことができるのに、それをしなかったら、自分はきっと一生後悔するだろうという気がして、少しだけ、前に進もうと決心しました。学校で3年間学び、それから大学へ入っても遅くはないだろうと考えたのです。
僕は神奈川県川崎市の映画専門学校で学びました。
卒業制作として脚本と監督を務めた作品が、上映会で好評だったこともあって、僕は、いい気になり、自主制作映画のコンペティションで賞を取って、すぐにプロになれると思いました。でも、現実はやっぱりそんな甘くはなかったですね。
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僕は1年間、それの結果を待って遊んでいただけでしたので、そこからまた次の作品を作るのに、ずいぶんと時間がかかりました。
そして卒業から3年がたった今、やっと知ることができました。努力をしても報われる保証なんて、どこにもありません。それでも努力を続ける。そういう人間に、幸運が傾くのだなということを。
辛くとも耐え続け、あがき続けて
夢をかたちに
学校を卒業してからは、アルバイトで生活費を得ていますから、今も身分はフリーター。今回グランプリを受賞したことで、どうにかスタートラインに立てたかな、と思っています。
受賞作『引きこもる女たち』は、16歳の引きこもりの少女と、24歳の女性との触れあいを描いたものですが、これからも「今」しか作れないものを、自分なりに消化して、表現していきたいと思っています。
これからも辛いことの方が多いと思います。それでも投げ出さず、耐え続け、あがき続ける……歩きづらい雪の上を、迷いながら何往復かしているうちに、やがて雪が解け、道ができてくる。夢をかたちにするとは、そういうことだと思っています。
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