第一部


中井 キャシーさんはタレントでありながら、パッチワーク作家としても活躍されています。いつ頃から始められたのですか。
キャシー中島(=中島) 私がパッチワークと出合ったのは20歳の頃です。それからずっと独学で続けてきましたが、多くの方々にチャンスをいただいて、数多くの教室やお店をオープンさせることができました。余計なことを考えず、ただがむしゃらに走ってきた感じですね。
中井 もらったチャンスを逃さなかった点はさすがです。
中島 「新しいことを始めてみない?」と言われると、つい一歩踏み出したくなるんです。性格でしょうね(笑い)。
中井 いつも前向きな気持ちを持っているんですね。でも、忙しくなると家族とすれ違いになりませんか。
中島 確かに会話する機会は減りましたが、みんな帰宅するとキッチンに集まってきます。例えば夫が夜遅く帰ってきても、必ず料理を作るんです。そこでいろいろと話をしていますね。
中井 「言葉なんていらない」という夫婦もいますが、キャシーさんはそうではないということですね。
中島 どんなに忙しくても、一日一回は言葉を交したいですね。だから、私が作った料理を黙々と食べた揚げ句に、「風呂!」なんて言われるとテーブルをひっくり返しちゃいたくなります。
中井 分かります(笑い)。ウソでもいいから、一言「おいしい」と言ってほしいんですよね。キャシーさんと話していると私まで元気になってきました。
中島 うれしいですね。私、ずっとずっと、生命力のある女性でいたいんです。そばにいる人を元気にしてあげられる、そんなおばさんに。
中井 すてきだと思います。3人のお子さまとはどう接してこられたのですか。
中島 キッチンで話すことが多いですね。でも、子供たちは外で嫌なことがあると自分の部屋に行ってしまいます。そんな時には、その子が一番好きな料理を作るんです。落ち込んで冷たくなってしまった心を、手作りのごはんで温めてあげる。すると、子供の方から話し出してくれますね。
中井 きっと、そういった家族とのふれ合いや、前向きな気持ちを忘れないことが、セカンドライフをより充実させていくのだと思います。
中島 おっしゃる通りですね。末っ子が専門学校を卒業すれば、私たちの第二の人生が始まります。夫に、いつまでもすてきな女性と思われていたいですね。

キャシーなかじま/ハワイ生まれ。1969年にCMモデルとしてデビュー。79年、俳優の勝野洋さんと結婚。タレントとして活躍する一方で、パッチワーク作家として創作や指導にもあたる。ハワイアンキルトを中心とした作品を生み出しており、著書も多数。

ふかの・やすひこ/有限会社ワイズマネジメント取締役。独立系FP会社エムエムアイを経て、1996年、有限会社ワイズマネジメントを設立。会員制を主とした個人の資産運用やライフプランに関するコンサルティング活動、新聞・雑誌への執筆を行い、ラジオのパーソナリティーなども務める。



 セカンドライフは、100人いれば100通りの考え方があります。ですから、「お金がいくら必要か」を考えるよりも、まず「セカンドライフをどう楽しむか」をかたちにしてください。その後で、必要な資金やお金との付き合い方を考えていくことが大切。
 マネープランの立て方には二つのポイントがあります。一つ目は、60歳からの人生を時間軸に分けて考えること。一般的に、年齢を重ねるほど支出が増えていくと考えがちですが、実際は逆。高齢になればなるほど体が動かなくなるので、食費や娯楽費が尻すぼみになっていくんです。60代、70代、80代と、各ステージで過ごし方や楽しみ方も当然変わります。だから、ライフプランは10年単位で区切って考えること。そうすれば、各年代でどんな金融商品が必要かも見えてくるでしょう。
 二つ目のポイントは、必要なお金を目的別に分けること。実は、1000万円持っている人も、5000万円持っている人も、悩みは同じなんです。「1万円減るのが怖い」。お金を一つのどんぶりに入れて考えてしまうと、ほんの少しの支出で不安になるものなんです。そうなると、人生におけるあらゆる選択が消極的になってしまう。それを避けるためには、いまある資産を目的別に分けておくことが大切です。例えば、老後のお金、趣味や娯楽のお金、子供に残すお金、というように。
 セカンドライフでは、お金を使うばかりではなく、増やすことも忘れてはなりません。株式や投資信託で運用するのもいいですし、コストを減らすのも立派な運用法でしょう。大切なのは、今持っているお金の運用と、収入・支出のやりくりを両立させること。お金は可愛がると寄ってくるものですが、見放すと逃げていくものです。愛情を持ってお金と付き合うことで、セカンドライフは豊かになると認識してください。


中井 最近はセカンドライフに悩みを持つ人が多いと聞きます。実際はどうなのでしょうか。
深野 年金不安などの世相を反映してか、セカンドライフに関した相談は非常に増えています。「少しでもお金を増やしたい」といった声が特に多いですね。
中島 金融商品がたくさんありすぎて、どれを選べばいいのか分からなくなっていると思うんです。気軽に行けて、分かりやすく説明してくれる場があるといいのですが。
 
瀧口 確かに私たちの営業店にもセカンドライフに関する悩みを持つお客さまがたくさん来られます。そういった方には、まず何に悩み、何を目指しているかをじっくりうかがいます。その上で、それぞれのライフスタイルに合ったプランを提案しています。全国66拠点の「SMBCコンサルティングプラザ」では土・日・祝日の営業も始めましたので、休日にご相談いただくことも可能になりました。
中島 それはうれしいですね。いっそのこと、カフェを一緒にしたらどうでしょう。今よりずっと足を運びやすくなると思うのですが。
瀧口 それは貴重なご意見ですね。ありがとうございます。現状はカフェとまではいきませんが、サロンに近いスタイルで堅苦しさの感じられない店舗も順次増やしていまして、日頃から、お客さまには気軽に立ち寄っていただいています。
中井 お金のことで悩んだときは、銀行もしくは専門家に相談するのがベストということでしょうか。
中島 私はまず身近な友達に相談しています。私たちの世代って、意外と普段から友達同士で情報交換をしている人が多いんですよ。「今はこの金融商品がいいみたい」とか。でもそれが正しいかどうか分からないので、結局行動には結びつかないんです。だから銀行にも相談に行きづらいんですね。こういった時に、気軽に参加できるセミナーがあるとうれしいのですが。
瀧口 私どもの営業店では、少人数制のセミナーを定期的に行っています。セミナーには、確かにご友人と参加される方が多いですね。そこで情報収集して、ご友人同士で踏み込んだ話をされているようです。
中井 ではセカンドライフを考えるうえで大切なことは何でしょうか。
深野 やはり対話でしょうね。私のところにはご夫婦で来られる方が多いのですが、そこでセカンドライフで何をやりたいかを紙に書いてもらうんです。すると、書き上げた紙を見てお互いに顔を合わせてびっくりされるんですよ。「えっ、そんなことを考えていたの」って。一方、よく対話されているご夫婦だと、二人で相談しながらスラスラと書き上げていきますね。それはもう見ていてすてきな光景です。
瀧口 よく分かります。以前、ある金融商品について奥さまにひと通り説明した後、別の日にご主人にも説明する機会がありました。その方は、ひと通りご説明したところ手続きに入る際、「女房からもよく聞いているから」と印鑑や免許証をサッと出してこられたんです。限られた時間の中で、ちゃんと対話する機会を持たれたのでしょうね。
中井 まず対話する場を作ることが大切なのですね。では夫婦げんかにならないように、セカンドライフについて具体的に話を進めるコツとは何でしょうか。
中島 すごく難しい質問ですが(笑い)、例えば二人で食事に行った時に「あなたは何がしたいの?」と聞いてみてはどうでしょう。「世界一周旅行がしたい」と答えるかもしれませんし、退職後に田舎暮らしを始めたいのかもしれません。こう考えていくと、夢のある話に思えてきますよね。二人で会話するときには、まずこういった楽しいイメージを持つと話しやすくなると思います。
深野 おっしゃる通りで、まずそこからスタートして、少しずつ思いをかたちにしていく。必要な資金やお金をどう色分けしていくかは、その後の話ですね。
中井 マネープランをかたちにする前に、人生をどう楽しむのか。セカンドライフを考えるうえで、大切なキーワードになりそうですね。
瀧口 そうですね。私どももまずはお客さまの目線に立って、「どう人生を楽しむか」を一緒に考えていきます。お悩みや夢、希望をうかがって、お客さまと一緒に解決していくことが私どもの目指すコンサルティングです。お客さまとそういう時間を共有できることが喜びなのです。ぜひお気軽にお越しください。
深野 平成18年の4月以降、これまで一般的に60歳だった定年が段階的に引き上げられる予定です。働き続けたい人には朗報かもしれませんね。セカンドライフは、生活スタイルの変化や、災害、事故によっても変わってくるものです。一年に一度は必ず見直すようにしてください。
中島 そのためにもやはり、最終的には銀行や専門家の方に相談するのが良いということでしょうね。私は、隣近所の方や身近な友人と、ずっと仲良くしていきたいと思うんです。自分の身に何かあった時に頼れるのは、家族を除けばその方たちしかいないでしょうから。今後のセカンドライフをどうするか。家に帰ったら、夫と話し合ってみようと思います。
中井 身近なパートナーの方と対話することで、すてきなセカンドライフが実現していくということがよく分かりました。今日はみなさん、ありがとうございました。
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なかい・あき
/ニューヨーク生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。
1993年NHKに入局し、96年に同局を退職。現在はフリーアナウンサーとして、テレビの司会など
多方面で活躍中。証券外務員、ファイナンシャルプランナー、DCプランナーなどの資格を持つ。


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