◆「儀式110番」にはお中元を贈る時期についての質問が多いそうですね。
お中元は、古代中国の「三元」、つまり、1月15日、7月15日、10月15日をそれぞれ「上元、中元、下元」とする考えに由来し、そのうち中元だけが日本の「盆」と混ざり合い、7月15日に仏に供える供物を贈るといった習慣が生まれて以来、お世話になった方への日頃の感謝の気持ちとして贈答品を贈る今日の形に発展したと言われています。
ですから、基本は7月15日までに贈ると考えてください。贈り始めは7月に入ってからが一般的ですが、7月に贈り物が集中することを避けたいという心遣いから、6月下旬に贈ってもよいでしょう。
◆地域によって贈る時期が違うそうですが・・・
関東地区とそれ以外の地域で異なります。関東地区以外の地域では、「月遅れ」といって8月1日から15日までに贈るのが通例です。ただ、日頃の感謝を伝えるという趣旨から言えば、7月15日をひとつの基準と考え、それ以前であれば「御中元」、何かの事情で贈るのが遅れる場合は、8月初旬の立秋前であれば「暑中お伺い」、それを過ぎた場合は「残暑お伺い」としてお贈りしましょう。
◆相手が喪中の際はどうしたらよいのですか?
お中元は、お祝い事ではなく、日頃の感謝の気持ちを込めたご挨拶ですから、当方・先方とも喪中であっても差し支えありません。ただし、四十九日を過ぎていない場合は、時期を遅らせて、「暑中お伺い」「残暑お伺い」としてお贈りするといった心遣いをしてはいかがでしょうか。ただ、紅白の水引ではなく短冊で代用するのがよいでしょう。
◆お世話になっている方はたくさんいますが、どのような方に贈ればよいのでしょうか?
親戚、仲人、恩師、会社の上司、取引先・・・など、感謝の気持ちを伝えたい方はたくさんいると思います。誰々には贈らなければ・・・といったことではなく、感謝したいと思う方にお贈りすればよいのです。その際、ちょっとした気持ちを記した「送り状」をあわせて送りたいものです。同時に、お中元を頂いた場合には、心づくしに対する感謝の気持ちとして、お礼状を出すのも忘れないようにしましょう。お中元を贈ることは、こうしたやり取りを通し、日頃は音信のない遠くの方とも末永くいい関係が続くという素晴らしい意味合いもあるのです。
◆直接お届けしなくても感謝の気持ちは十分伝えられるということですね?
その通りです。普段会えないからこそ、お中元をお贈りして感謝の気持ちを伝えるといった意味からも、配送でお届けしても失礼ではありません。相手の好みや家族構成・年齢を考えながら品物を選び、メッセージと共にお届けするという思いやりの気持ちが大切なのです。しかし、ビジネスマンの方はお中元を手配する時間が取れないということもあるかと思います。最近では、家に居ながらにして、全国の名産品や是非味わって頂きたい美味しいものをインターネットで簡単に注文することができます。実際に、年々インターネットで注文する方も増えているようです。しかし、送り状やお礼状は、電子メールがいくら便利だからといっても、下手でもやはり手書きで送りたいものです。
◆お中元にもらいたいものと贈りたいものにはずれがあるようですね?
お中元にもらいたいものとして毎年「商品券」が上位に挙げられます。しかし、実際は贈る方も贈られる方も戸惑う場合が多いようです。気心知れた間柄など、特別な場合を除いては、どうしても商品券を贈りたい場合、例えばクッキーなどのお菓子と一緒に贈るなどの配慮をしてはいかがでしょうか。最近の傾向としては、健康ブームもあり、体を気遣ったものを選ぶ方も多いようです。日本は四季や暦上での節目を大切にする国ですから、お中元も季節を意識した品物を選ぶのがよいのではないでしょうか?
◆それでは最後に今年初めてお中元を贈る方にアドバイスをお願いします。
お中元は儀式ではなく、感謝の気持ちのご挨拶です。そこでおすすめしたいのは、両親と離れて住んでいる方は、まずはご実家にお中元を贈ってはいかがでしょうか。思いがけず届く「思いやりの気持ち」にきっと喜んでいただけますし、何より、言葉ではなかなか言えない感謝の気持ちをしっかりと伝えることができますから。お中元を贈ることは難しいことでも、特別なことでもありません。季節のご挨拶と相手への思いやりにかえて、贈ってみましょう。
|