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医療の主役は、医師から患者へ
トータルケアで、21世紀の医療を実現!
かつてわが国では、病気の大半が急性のものだった。今ではこれらの治癒率は大幅にアップし、技術的には良い状態である。しかし、医療機関の利用者をみると、3大死因である、がん、脳卒中、心疾患などの原因となる生活習慣病の治療が多くを占めている。
こうした病気は中高年だけではない。車社会やネット中毒、ゲーム中毒などによる運動不足に美食・過食が加わり、30代〜40代の若い世代も高脂血症が増加している。さらに子供まで肥満が増え生活習慣病の危険にさらされているのが実情である。
このため、これらの疾患を未然に防いだり、早期発見するための予防医学が重視されている。こうした背景のもと、厚生労働省は6月20日、生活習慣病対策について具体的な方策を検討する「糖尿病等の生活習慣病対策の推進に関する検討会」を設置した。ナショナルセンターの役割の明確化、メタボリックシンドローム克服のための国民運動の展開、遺伝子情報から個人の特徴に応じたテーラーメード予防の研究開発・普及などに関する施策を立案する。
在宅医療の時代
広い視野を持つ人材の育成を
従来、医療の主役は医師だった。今は医療を受ける患者が主役である。21世紀の医療を実現するには、治療や予防の対象を、胃や腸といった肉体の「部分」で診るのではなく、心身全体で考える「トータルケア」の取り組みが必要だ。患者の意図や状況を汲み取り、常に患者の視点に立って考えることのできる医療従事者の養成が不可欠である。
これからの超高齢化社会では、在宅医療の重要性がますます高まるだろう。在宅でのケアには、医療のほかにもさまざまな福祉的サービスが関わってくる。これは、医療従事者だけではなく、介護に当たる家族やヘルパーなど患者を取り巻く人々と協力して実践される「チーム医療」である。
患者と介護家族が継続する在宅ケアでは、患者の家庭環境や人生観に合わせて医療を構築することが可能となる。技術的な観点からだけで医療と関わるのではなく、生活環境や介護状況、精神的状況などを包括的に把握し、全人的なサポートができる人材の育成が一層期待されるゆえんだ。
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