

戸板学園では、生徒たちに文化に触れさせる目的で「歌舞伎教室」という体験学習を行っています。その教室で私もはじめて歌舞伎を見たんですが、その時受けたインパクトがとても強かったんです。大学の卒業論文で元禄歌舞伎について研究したのも、中学3年の時の歌舞伎教室というきっかけがあったからですね。
中学3年間の担任の先生は国語を担当されていたのですが、ユダヤ系の精神医学者ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』というナチス強制収容所での経験が描かれた本を朗読してくれたことをよく覚えています。そうした本によって「優しさ」について考えさせられました。
落ち込んでいる時に「これを読みなさい」と言って本を渡してくれたこともありました。「元気を出しなさい」と直接言われることはありませんでしたが、そういうさりげない心遣いをしてくれる先生でした。先生は、私たちがどういう精神状態にあるのかを、キャッチしようと努力されていたと思います。先生から吸収したものはとても大きかったですね。
そうした経験が、現在のテレビプロデューサーという仕事に大きな影響を与えていると思います。ものを伝えることの大切さ、みたいなものをこの時期に先生や体験学習から学びました。 |
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テレビプロデューサー
小松昌代さん
こまつ・まさよ/1983年戸板女子高等学校卒業。現在NHKエンタープライズでドラマのプロデューサーを務める。手がけた主な作品は「大地の子」「盲導犬クイールの一生」「少年たち」「NHKスペシャル 望郷」。 |