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苦労を超えても行きたいのは、山頂でしか出会えない風景があるからです。

1.中国側から見たエベレストの写真2.ネパール側から見たエベレストの写真

こんにちは。これから皆さんと一緒に、自然について考えていきたいと思います。わたし自身も自然は大好きで、小さいころからいっぱい自然の中で遊んできました。30年たった今は、5歳の娘と紅葉狩りに行ったり、紅葉の中にダイブしたり、いろいろ楽しんでいます。そんな自然と四季、とってもありがたく大切なものだと思いますが、ちょっとずつ何かが変わってきている気がします。きょうは自然のプロとも言える三人にいろいろお話を伺っていきたいと思います。

まずは、こちらの写真をご覧いただきましょう。1世界7大陸すべての最高峰に登頂されています田部井さんの1枚です。これはエベレストですね。

はい。これは中国側から見た、いわゆるチョモランマですね。
次に出てくるのがネパール側。2全然別の山のように見えますね。ネパール側は非常に岩壁が急なので雪が付かないんです。風も強くて。これが8,848mの世界最高峰の山です。

3.クレバスの写真4.15mの高さのクレバスの写真5.30kgの箱の上に自分の子どもを乗せて歩く女性の写真6.雪の上を裸足で歩く男性の写真

次に、この1枚をご覧いただきましょう。3

雪と雪の間に割れ目があり、それをクレバスって呼ぶんですけど、広がっているところですと下まで何百メートルもあります。ここにはしごやロープをかけて渡っていくのですが、やはり毎日毎日氷河って動いてるんですね。朝通ったハシゴが、夕方には落ちてることもあります。

落ちてしまったときはどうするんですか。

引っ張り上げて、またつくり直すんですよ。

こちらの1枚は?4

今度は垂直に登っていくんです。これは15mのはしごがやっとかかるようなものすごい亀裂で、ちょうど3階建てのビルを登っていくような感じです。

寒いでしょうし、怖いでしょうし、緊張するでしょう。

はい。

でも、それを超えても行きたい、喜びがあるんですか、山には?

昼間でも空が青黒く見えて、星が見えるんですね。夜はもちろん満天の星。あー、こういうところに来たから、この風景が見れるんだ、やっぱり来てよかったなと思いますね。

すばらしいですね。続いての写真は?5

エベレストを登ったときのポーターです。この方、女性なんですけど、30kgの箱の上に自分の子どもを乗せて、運んでくれました。平たんな道ではなく、上ったり下ったり、600人のポーターの方たちにお願いして荷物を運びました。この方たちは電気やガスがなく森の木を切ってご飯を炊いていたため、どんどん森の木が無くなり洪水が起きたりしています。わたしたちもささやかながら、今、木をネパールに植えております。

大変な重さですね。

ええ。次に出てくるのは男性ですけれども、6雪の上を裸足で歩いてますよね。

えっ、靴履いてないんですか。

ちゃんと靴を支給したんですけど、あの当時、今からもう32年も前なんですが、ネパールでは靴とかナイロン製品などがものすごく不足していたので、とても大切にしたんですね。わたしたちが支給した靴を「雪で靴がぬれるから」って脱いじゃったんです。そして、荷物の上にくくりつけてはだしになって歩いてました。物を大切にすることを肌で感じました。 朝起きればタイマーでご飯ができていて、ひねればお湯が出て、毎朝新聞が入ってるっていうのを当たり前だと思っていた生活が、実はとても恵まれたことだったんだなってエベレストの登山のとき実感しました。今すごく感謝しながら、ありがたいという気持ちを持って生活しています。

物がたくさんある世の中だけに、そういう思いを持ちたいですよね。

そうですね。