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From Waseda to Philippines
第一文学部(2007年3月卒業) 野瀬 奈緒美

▲留学中に交流をしていた村の子供たちと、リパ市にて。(一番右が筆者)

▲フィリピン大学。大学のキャンパス全体がひとつの街と言えるほど広大な敷地である。

 フィリピンと聞くと、どんなイメージが浮かぶだろうか。ほとんどの日本人の口からは、バナナや猿、下手すれば治安の悪い国、貧困にあえぐ国、という答えが返ってくるかもしれない。もちろん、フィリピンは決してそれだけの国ではない。首都マニラに一歩足を踏み入れれば、きっと誰もがこう思うだろう。「本当に『貧しい』のはフィリピンではなく、日本で過ごしているわれわれの想像力や好奇心の方なのかもしれない」と。

絶妙な調和と混沌
 フィリピンは、スペインやアメリカ、そして日本による計約400年にわたる植民地時代を経験した東南アジアの一国だ。その歴史性や、7,000以上の小島からなる地理的特性ゆえ、一口にフィリピンと言っても、実に多様なイメージが見える。中国系の顔、スペイン系の顔、その土地の顔と、フィリピン人の顔にもいろいろあるように、フィリピンの景色もさまざまだ。美しいビーチや荘厳な棚田、あるいはどこか怪しげでありながら躍動感あふれるマーケット、多国籍企業の集う高層ビル群。カトリックの教会とイスラム教のモスク。それらすべてが織りなす絶妙な調和と混沌が、フィリピンという国をかたちづくっている。

 また、フィリピン人は俗に「東南アジアのラテン系」と呼ばれているように、非常に友好的・楽天的なキャラクターを持っている。たとえ貧困の中にあっても、笑顔と遊び心を忘れない姿勢や、外国人相手にも物おじせずコミュニケーションを図ろうとする前向きの姿勢には、日本人が見習うべき部分も多くある。

パワフルなフィリピン女性
 そして、この国はとにかく女性がパワフルなのだ。大統領が女性であるだけでなく留学先のフィリピン大学での教室の中でも、女子学生の発言力やリーダーシップには目を見張るものがあった。男子学生の間にも、決してそうした女子学生を冷笑する雰囲気はなく、両者が一緒になってレベルの高い議論を交わそうという空気があふれていた。ジェンダーに対する感覚は、日本よりもフィリピンの方がはるかに進んでいると思う。

生と文化の万華鏡
 フィリピンは、いわば「生と文化の万華鏡」だ。そのカラフルな輝きの中で過ごした1年間は、どちらかといえば生真面目だった私に、人生に対するゆとりや遊び心を教えてくれた。良い意味で「何でもあり」な空気や、生に対する前向きな力強さは、私の人生観を根本的に変え、いっそう彩りあふれるものにしてくれた。交換留学生として過ごしたフィリピンでの経験を胸に、自らの人生を鮮やかに生きていきたい。


(2008年1月17日早稲田ウィークリー掲載)
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