
大阪で生まれた女だもの、結婚するなら関西在住の人でないと――。そう思ってお見合いを繰り返した女性(30)は出会って2カ月の男性との結婚を決めた。ただし相手は栃木の人。紹介してくれたのは、神戸女学院の同窓会が母体になった社団法人「めぐみ会」だ。
活動のひとつが「結婚推進支援委員会」。卒業生が無償でスタッフとなり、結婚相談やお見合いの世話を担う。「男女を引きあわせるのは公益性の高い社会貢献。学校でいただいためぐみをお返しするのです」と石割初子会長。キリスト教主義の学校らしい、使命感が支える。
30年余りの歴史がある。登録できる女性は大学、高校などの卒業生か、その子や孫、姉妹。男性も卒業生の子や孫、兄弟、それに卒業生が責任を持って紹介する人だ。
クリーム色の壁に赤銅色の瓦屋根。ヴォーリズ設計の文学館や図書館がたつ木立をぬけ、めぐみ会館に母親らがやってくる。月2回の相談日。男性会員、女性会員は2室に分かれ、身上書を見る。会いたい人を5人ほどにしぼって相談すると、相手の写真を初めて見せられる。「はなから顔で選ばないで」という委員会のメッセージである。
会員は300数十人。卒業してすぐ入会する人から、40代で会員になる人まで広がった。お見合いも年間130〜150組だったのが、去年は170組に増えた。10組ほどが結婚する。
ニーズの高まりを感じる。「学歴があり、仕事もしっかりしているのにアピールできない。自分はどんな人間で、どんな結婚がしたいのか。考え直す手助けがしたい」と話す委員らは40代から60代。パソコンに頼らず、書類はすべて手書きし、書庫にカギをしっかりかけて保管する。
同窓の縁をつなぐお世話オバサマチーム。お茶の水女子大や津田塾大、東京女子大などの同窓会にもある。
お茶の水女子大の桜蔭会は50年以上前から結婚相談をしている。親の問い合わせも多い。「仕事、仕事で結婚しない子に対し、こっちが年をとって先に倒れてしまう、と親が悲鳴をあげる。受けとめるのも役目です」と担当者。
ところで、どの会にも共通の悩みがある。女性に比べて男性不足なのだ。「男性が入会するとモテますよ」とある会の担当者はささやく。
同窓会が仕掛けるお見合いの勢いは増すばかり。とはいえ、「以前のお見合いに戻ったわけではない」と国立社会保障・人口問題研究所(東京)の岩澤美帆さん。プレッシャーをかけられてするのではなく選びとる。成熟したお見合いの形なのかもしれない。