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大学力2015

大学が社会を更新する 特集大学2015

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特集大学

奥本麻友さん小澤照さん
関西学院大学の大学力Message&Topics

高等教育の国際競争力強化を目指す文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」に昨年採択された関西学院大学。打ち出した構想は、「国際性豊かな学術交流の母港『グローバル・アカデミック・ポート』の構築」。1889年に宣教師W・R・ランバスが創立した時から受け継がれる国際性を生かし、大学改革に挑む。

二つの学びに挑戦する主体性のある世界市民へ

村田治学長
村田治学長

関西学院大学の採択構想にある「国際性豊かな学術交流の母港」(グローバル・アカデミック・ポート)とは、日本と海外の学生・教職員が頻繁に行き来し、協働を通じて多様性を学ぶ場を意味している。

村田治学長は「大学の国際化はもちろん、世界の大学と競争できる本学ならではの教育モデルを示し、大学改革を断行することを念頭に置いてこの構想を立てました。柱となるのが、2019年度の新入生から、全学生を対象に導入する『ダブルチャレンジ制度』です。所属する学部の学びに加え、海外留学や国内外での実践型学習、副専攻など二つ目のチャレンジに取り組みます。二つのことに同時に挑戦することで主体性を身につけ、世界の多様な価値観を理解します。もともと学部間の垣根が低く、複数の学問分野を履修できるプログラムに注力してきた本学だからこそできる制度です」と力を込める。

「国連・国際機関等へのゲートウェイ創設」も構想の特色だ。国連など国際機関への人材輩出を目指し、学部から大学院(共同プログラム「国連・外交コース」17年開設)、卒業後のキャリアに至るまで支援する。そのベースには、04年から国連ボランティア計画(UNV)と連携して行っている国連ユースボランティアの実績※1がある。 
※1 04〜14年度に74人の派遣実績

「本学のスクールモットー“Mastery for Service”(奉仕のための練達)には、自己を鍛えて高い知識を身につけ、世界の人々のために尽くすという意味があります。世界人類の平和に貢献する国連の基本的な考えと、まさに一致します。国際機関で働きたい人は、高校時代から高い志を持って大学を選んで欲しい。その夢を実現させるプログラムが関学にはあります」と村田学長。今後はスーパーグローバルハイスクールに選ばれた関西学院高等部、関西学院千里国際高等部などの高校とも連携し、早い段階から国際機関へのキャリアを意識付ける取り組みも実施する。さらに、学習成果を検証するアメリカの新たなモデル作りにオブザーバーとして参加し、国際的に通用する教育の質保証体制を確立していく。こうした一連の取り組みを通し、チャレンジ精神を身につけたグローバルリーダーを世界に送り出す考えだ。

新たな教育システムの導入
多様性を学ぶ「ダブルチャレンジ制度」

二つの目標に同時に挑む「ダブルチャレンジ制度」。学生の所属学部の学びをホームチャレンジ、二つ目の挑戦をアウェイチャレンジと位置づけ、異なるものとの出合いの場として、三つのプログラムを用意する。学生は一つ以上のプログラムを、主体的に選んで体験。そうすることで、グローバル社会で求められる「主体性」「タフネス」「多様性への理解」を培う。

■ダブルチャレンジ制度
■ダブルチャレンジ制度

「インターナショナルプログラム」(母国を出て、世界を知る)は、海外留学、外国人留学生の受け入れ、学生と留学生が融合する学びに分かれる。中でも、協定校に海外派遣する学生数を大幅に増やす方針だ。現在は約980人だが、22年度には約2500人にまで増加させ、協定に基づく海外派遣学生数日本一を目指す。ちなみに、12年度の協定校への派遣数は、全国第4位※2だ。日本人学生と留学生が融合して学ぶ環境作りにも力を入れ、ともに学ぶプログラムを作り、キャンパスの「内なる国際化」を進める。海外への派遣、受け入れをしやすくするため、クォーター制を徐々に広げ、英語による授業の拡大や英語教育の改革なども行う予定だ。
※2 日本学生支援機構調べ

国連ユースボランティア(モザンビークでの活動)
国連ユースボランティア(モザンビークでの活動)

「ハンズオン・ラーニング・プログラム(実践型学習)」(学校を出て、実社会を経験する)には、ボランティア活動、企業と連携した課題解決型プログラム、インターンシップ、フィールドワークなどがある。

「副専攻プログラム」(学部を出て、他分野を学ぶ)では、1997年度から実施している複数分野専攻制(Multidisciplinary Studies)をより体系化、構造化する。これは、入学した学部とは違う学部でも、体系的に組まれたプログラムを履修できる制度のこと。自分の専門とは違う分野を系統立てて学ぶと複眼的な視点が身につき、主専攻の理解も深まる利点がある。

国際性を推進する取り組み
リーダーを育成する「国連・外交コース」

構想の一つ「国連・国際機関等へのゲートウェイ創設」の核となるのが、大学院の既存研究科で共同設置する新プログラム「国連・外交コース」だ。英語による授業を全科目で行い、国連や国際機関などでのインターンシップを必修とし、国連・外交分野の実務的な知識、能力を養う。演習・実習科目には、駐ドイツ特命全権大使などを歴任した神余隆博副学長はじめ実務家教員を多く登用し、日本の外交や世界の公共分野を支える人材に育てていく計画だ。

国連セミナーで国連本部を訪問、マララさんと記念撮影
国連セミナーで国連本部を訪問、マララさんと記念撮影

国連など国際機関の職員になるには、修士以上の学位が必要で、専門分野での実務経験を求められる。そのため、外務省と連携して「関学国際機関人事センター」を新設し、コース修了後もキャリア支援を行っていく。一方、学部では副専攻として、「国連・外交プログラム」を新たに設ける。国連や外交を体系的に学び、既存の「実践型“世界市民”育成プログラム」の国際貢献活動なども実践の場として活用する。国際機関で活躍できるグローバルリーダーの輩出を目指し、学部から大学院、さらにキャリアまで見据えた手厚いサポートで学生を後押しする。

関西学院大学の大学力Message&Topics