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大学力

大学が社会を更新する 特集大学2015

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特集大学

岡山理科大学

垣坂達行さん西俣美咲さん
岡山理科大学の大学力Message & Topics

研究環境に恵まれた、極めて学究的な理工系大学として知られる岡山理科大学には、全国各地から多くの学生が集う。1964年の開学以来、研究成果、人材育成の両面において輝かしい実績をあげてきた同大学が、2016年新たに教育学部を開設。科学的思考に立脚した実社会型の教員育成に力を注いでいく。

研究志向をベースに、新たな教員育成に取り組む

波田善夫学長
波田善夫学長

岡山理科大学では、理学部、工学部、総合情報学部、生物地球学部の全学部全学科で教員免許の取得が可能となっている。理数系を中心に高い専門性を備えた優秀な教員として活躍する卒業生は4,000人を超える。こうした実績を背景にスタートする「教育学部(仮称)」※は、初等教育学科(小学校教育コース)と中等教育学科(国語教育コース/英語教育コース)の2学科3コース。「国語や英語といった文系領域に対象を拡げます。教員養成に実績のある本学が、現在の数学、理科、技術、社会といった分野以上に幅広く、ほぼ全域をカバーしていくことが重要。使命感を持って取り組んでいきたい」と波田善夫学長。そして全5学部で、研究のみに偏らずその成果を教育へと展開。研究を通じて社会が要請する人材を育成していく構えだ。「教科書に載っているのは基礎的な知識であり、そこから先に何があるかを自ら見いだす発見の積み重ねが、大学における研究です。その過程において身につく力とは、問題を見抜き解決に導く能力など、まさに社会で生き抜くために必要な力そのもの。また、研究に情熱を傾けていくほど周囲との人間関係はより親密になり、時には軋轢も生まれますが、そうした環境こそが人間力を育てていく」と波田学長は考える。

医用科学教育センター、自然科学研究所、技術科学研究所、生命動物教育センター、自然植物園など多数の付属施設が設置され、それらが質の高い研究および教育の場として機能しているのも同大学の特筆すべき点。さらに、新機能を備えた図書館やラボを核とする「新1号館」が建設中であり、9・10階部分に教育学部を開設。全学的に見ても、さらなる教育研究環境の充実が図られる。
※2016年4月開設予定 設置認可申請中

教育学部の特色
新しいアプローチで臨む教員養成

科学ボランティアの様子
科学ボランティアの様子

大学全体の学びの特色と言える“研究志向”を根底に、「教育学部」ではゼミやフィールドワークなど、体験や研究活動の中で自ら課題を見つけ、考え、理解し、発信する“探究(科学)的学びのサイクル”を重視。それにより、児童・生徒の「なぜ?」を掘り起こし、成長を支え、豊かな学びの場を創出できる教員を養成していく。

初等教育学科のキーワードは「探究する力」。「探究活動」「探究ゼミ」「教育ボランティア」「科学ボランティア」といった特徴的なカリキュラムが並ぶ。科学を学ぶ楽しさをどう伝えれば良いか、子どもの積極性や共同性はどう育むべきかなど、教育の原点を、実際に子どもの前に立つ体験授業で学び、自らの教師としての資質も磨いていく。「理系離れが危惧される中、初等教育学科については、理系の子どもを育てていける教員育成をとの思いもあります」と波田学長。たとえば「科学ボランティア」の授業には、すでに地域での科学・工作教室などを多数開催している学内施設「科学ボランティアセンター」の経験と実績が生かされる。緑豊かな校地内では、植物や地層、昆虫などの観察ができ、初等理科の授業では、既存理系学部との連携で最新設備を備えた物理実験室や化学実験室で実験できるなど、「理科に強い小学校の先生」が目指せる素地は十分に整う。

2016年3月完成予定の新1号館※完成予想図
2016年3月完成予定の新1号館
※完成予想図

中等教育学科では「言葉の力」をキーワードに、「現代人とことば」「比較言語文化論」「日本語表現」「Practical Communication」といった科目を通して、理解し、発信し、つながる言葉の力を養い、豊かな言語感覚を持つ「国語」「英語」指導のエキスパートを目指す。学生は、初等教育学科同様に、多様な設備、施設また他学部生との関わりの中で、“研究志向”や“科学的思考”にふれながら成長していく。

改めて、教育学部の特色を波田学長に語ってもらった。「様々な経験や事象を検証し、組み合わせをバラバラにしながら、一つの体系として整えていくのがサイエンス。そのサイエンスの手法を“探究(科学)的学びのサイクル”として展開し、教育学や国語、英語という文系の学問に当てはめる。そのアプローチの仕方が従来にはない新しさであり、岡山理科大学らしい部分だと思っています。より実践的、実社会型の教員育成を目指します

多彩な研究活動
面白い!を追究できる好環境

データベースの新たなあり方を追究する北川研究室
データベースの新たなあり方を追究する北川研究室

学内では、夢のある研究プロジェクトが複数進行中だ。研究には学生や大学院生も加わり、中には1回生のうちから予備実験を受け持つケースも。そこはまぎれもなく、優れた研究者(=教授陣)による実践的な教育の場だ。

自然界の真理を探究する理学部、社会につながるものづくりを担う工学部、そして総合情報学部では情報科学技術と人間社会を、生物地球学部ではフィールドワークを中心に自然と生物について深く学んでいく。四つの学部はそれぞれに岡山理科大学らしさを備えつつ自分野の課題に取り組んでいる。例えば、総合情報学部情報科学科の北川文夫研究室。スマートフォンを利用した観光案内システムやモーションセンサーによるパソコン操作など、データベースの特性を生かした新たな利用法を研究している。「情報技術は現実の様々なものに興味を持ってもらうための入り口です」(北川教授)。学生は活発にフィールドに出てシステムを検証し、未来感あふれる研究課題も少しずつ形となっている。北川研究室を含む15の研究活動を約3分間の動画で紹介しているサイト(http://www.ous.ac.jp/research/index.html)は、同大学の研究力を知る手がかりの一つとなるだろう。

「研究に縛りはありません。面白いと思ったものをやりたいようにやってもらう」と波田学長。こののびやかな研究環境こそが、岡山理科大学最大の強み。そこには、若者一人一人の能力を最大限に引き出したいという建学の理念が脈々と息づいている。

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