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03月24日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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特集大学

久留米工業大学

人間味豊かな産業人を育むものづくり教育

「人間味豊かな産業人の育成」を建学の精神とする久留米工業大学。2012年年度からは、「実践的なものづくりを育む大学」「ものづくりの楽しさを伝える大学」「就職に強い大学」の三つをビジョンとしたものづくり教育を推進している。開学から半世紀を過ぎた今、技術や市場構造が大きく変化する現代において、社会に対応した最先端のものづくり教育がパワーアップしている。

新設の基幹教育センターで高校からスムーズな学びの移行

今泉勝己学長(中央)今泉勝己学長(中央)

工学を学ぶことは、ものづくりの楽しさを学ぶことである。そして、実際に社会に役立つものづくりには、自分で考え新しいアイデアを生み出す力が不可欠だと久留米工業大学は考えている。

こうした力を養う拠点として、今年4月から、新棟である100号館「テクノみらい館」に「基幹教育センター」を立ち上げた。センターでは、高校から大学へのスムーズな学びの移行を目的に、工学の基礎である数学・物理を中心とした基礎学力の修得に力を注ぐ。

「本学では、工業系の大学としては珍しい、教員育成のための教育創造工学科を有しています。この学科とも連携することで、文理を問わない幅広い教養教育が行えるものと期待しています」と今泉勝己学長は語る。

同大学は今年3月、文部科学大臣が認証する評価機関から、教育体制がしっかり整った大学としての評価・認定を受けた。私立大学の定員充足率が全国的に低迷する中、今年度の入学者数が過去10年で最高となるなど、学生や保護者からの信頼も高まっている。開学以来50年、ものづくりの楽しさを発信し続けてきた成果が、はっきりと形になってきている。

希望の企業に就職を。手厚いキャリアサポート

行きたい会社を目指すキャリアサポート行きたい会社を目指すキャリアサポート

大学評価基準に適合していると認可された理由の一つに、キャリア支援や就職支援体制の充実がある。2015年度の就職率は98.2%で、業種・地域ともに幅広い就職内定を確保している。しかし、本当に評価してほしいのは、「数字ではなく中身」とキャリアサポートセンター長の藤原孝造准教授は力説する。

「私たちが重んじているのは、就職率ではなく“行きたい企業に就職できる率”です。そのためには、自分が将来何をやりたいかが明確でなければならない。そこで、早い時期から学生に個別ヒアリングを何度も行い、徹底的に自己分析をさせています」

同大学では、1年次から就職や進路に関する個人相談や保護者懇親会を行い、2年次から就職ガイダンスを実施。就職活動への高い意識づけによって、“行きたい企業に就職できる率”の向上につなげている。また、センター職員は、いろいろと情報収集を行い、学生一人ひとりとのマッチングを図っている。こうした手厚いサポートができるのも、久留米工業大学ならではの強みだろう。

「面接では、自分がその会社に入って何をしたいかを語れなければ評価はされません。学生が自分なりの職業観を持ち社会で存分に活躍できるよう、厳しく全力で指導していきます」(藤原准教授)。

学生の夢を育む新棟や新コースの開設も話題

設備とエネルギーの見える化を実現した100号館「テクノみらい館」設備とエネルギーの見える化を実現した100号館「テクノみらい館」

昨年、開学50周年を迎えた久留米工業大学では、新たな歴史が始まっている。大学の新しいシンボルである100号館「テクノみらい館」は、学生一人ひとりの夢を実現する舞台として親しまれている。自主学習をサポートするラーニングコモンズや憩いの場であるラウンジでは、学生たちが学科を超えて交流。また、明るくゆったりとした女性専用ラウンジでは、着付け教室や防犯講座も開催され評判を呼んでいる。女子学生が学びやすい環境や設備が整ったこともあり、女子学生の数も全学で100人を超えた。

今年度からは、交通機械工学科に先端交通機械コースが開設し、ものづくりの学びの領域が大きく広がった。ノリモノに特化した研究開発で、地域の問題解決にも寄与していくことだろう。

「ここ数年、英文での卒業証明書の希望者が増えるなど、海外に出て行く卒業生も増えてきました。8月には、アメリカ・シアトルのセントラル・ワシントン大学への語学研修も予定しています。地元の大企業見学をカリキュラムに盛り込むなど、中身の濃いものになりそうです」(今泉学長)。

久留米工業大学で培われたものづくりの精神と技術が、地域だけでなく世界中のあらゆる場所で生かされることを期待したい。

“世界のトヨタ”のクルマづくりを学ぶ

ワクワクするノリモノの開発・研究を行うインテリジェント・モビリティ研究所ワクワクするノリモノの開発・研究を行うインテリジェント・モビリティ研究所

交通機械工学科におけるアカデミックな領域を強化するため、昨年11月、次世代のノリモノを研究開発する「インテリジェント・モビリティ研究所」が完成した。さらに今年度からは、交通機械工学科に自動車・航空機・鉄道などの設計開発を学ぶ先端交通機械コースを新設。教育と研究の両輪で、福岡県の自動車産業の発展に寄与していく。

新コースのカリキュラムで話題を集めているのが、トヨタ自動車九州の現役エンジニアによる講義である。交通機械工学科では日産自動車、マツダ、三菱自動車出身の技術者が教鞭をとっているが、トヨタ自動車九州からの出向という形でエンジニアが教壇に立つのは、九州初のケースである。さらに来年度からは、開発技術だけでなく物流や販売も含めた手法を学ぶ「トヨタ学(仮称)」講座の開講も検討されている。

「インテリジェント・モビリティ研究所では、対話可能なクルマや農作業、福祉に関する新しいノリモノの開発など、ワクワクするような技術や研究を世界に発信したいと考えています。この大学が夢にあふれた未来を創造する場所であることを、多くの学生に知ってほしいですね」と東大輔所長は目を輝かせる。ノリモノの歴史を塗り替える最先端技術が、ここから産まれる日は近い。

工学部 機械システム学科 4年 松島 安孝さん 工学部 機械システム学科 4年
松島 安孝さん
やりたいことを叶えてくれる
環境が整っています
入学当初から海外に行きたいという夢があり、現在はこの大学初の試みであるアメリカのセントラル・ワシントン大学への語学研修に向けて、事前学習の真っ最中です。将来的には、海外に進出し機械工学の知識を生かした設計技術者になりたいと考えています。その実現の足掛かりとして、地域の農業団体の方の要請にお応えして「そばの実の収穫機器」の卒業研究に取り組んでいます。この研究が今後の夢に役立てればいいですね。
久留米工業大学の魅力は、自分が「やりたい」と思ったことをできる環境が整っていることです。その存在として大きいのが昨年完成した「テクノみらい館」。ラーニングコモンズという自主学習の場で仲間とブレーンストーミングをしたり、自己啓発をしたり、主体的に活動できる場となっています。皆さんも、自分が何をしたいのかをよく考えて大学選びをしてください。久留米工業大学はあなたの問いにきっと答えを出してくれるはずです。
工学部 建築・設備工学科 2年 木原 莉央さん工学部 建築・設備工学科 2年
木原 莉央さん
女子学生サポートの
充実ぶりが「やる気」を育てる
建築と設備が学べることから、この大学を選びました。1年次の授業料が半額免除になるスカラシップ制度を利用できたのも、大きかったです。私は人見知りなので大学生活が少し不安でしたが、高校の延長のような感じですぐに溶け込めました。
他の大学と大きく違うのは、先生と学生の距離が近いことです。みんな顔を覚えてもらえて、いろいろと相談にものってもらうことができます。女子学生へのサポートが充実していて、過ごしやすい環境ではないでしょうか。女子学生マナーアップ講座「KITTY倶楽部」では、浴衣の着付け講座に参加しました。「テクノみらい館」の女子専用ラウンジも、自主学習などによく利用しています。今は住宅建築コーディネーターの資格を取るのが目標ですが、夢は私の地元である佐賀出身の辰野金吾のような、歴史に残る建築家になることです。

久留米工業大学(私)

〒830-0052 福岡県久留米市上津町2228-66 TEL:0942-22-2345

【創 立】 1966年
【学 部】 工学部:機械システム工学科、交通機械工学科、建築・設備工学科、情報ネットワーク工学科、教育創造工学科(教員養成学科)
【就職率】 98.2% 2015年度実績(169人中166人)