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12月03日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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市川知宏さん×中村編集長 特別対談

幅広い学びを、将来につなげたい。

俳優 市川知宏さん
プロフィル/いちかわ・ともひろ 1991年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部在学中。高校のときに『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でグランプリを受賞。俳優としてデビューし、ドラマや映画など幅広く活躍。ファースト写真集『いちとも』(東京ニュース通信社刊)が絶賛発売中。

学業と芸能活動の両立で
幼いころからの目標を達成

中村編集長 雑誌のコンテスト入賞をきっかけに芸能界に入り、テレビドラマなどでも活躍中の市川さんですが、それまでに芝居の経験などはあったのですか。

市川知宏さん  全くありませんでした。最初は、お芝居とは何かもよくわからない中でがむしゃらにやっていて、実際に映像になった自分の演技を見ると、動きが不自然だったり、せりふが棒読みだったりして。自分が演じる側になってみると、周りの俳優さんのすごさに改めて気付かされるし、自分もそういう風になりたいという気持ちが強くなってきましたね。どんどん欲が出るし、演じる役をもっと魅力的にみせたいなと思うようになってきました。

中村 芸能活動と並行して、いま早稲田大学社会科学部の3年生に在籍中ですね。大学選びのきっかけは何だったのでしょうか。

市川  僕はもともと、早稲田大学に行きたかったのです。祖父が早大出身で、僕はおじいちゃん子だったので、その影響が大きかったですね。祖父から直接、大学について聞いたことはなかったのですが、祖母が折に触れて語る祖父についての話の中で大学の名前を聞いて、幼いころから漠然と「おじいちゃんと同じ早稲田大学に行きたい」と思っていました。

中村 自己推薦入試での受験ということですが、具体的に受験校を決めたのはいつごろですか?

市川  高校2年生の11月にコンテストでグランプリを取った時に、芸能界の仕事をしてみたいという気持ちが芽生えました。一方で、大学には絶対行きたかった。でも芸能活動を始めてしまうと、恐らく一般受験では厳しいだろうなと思いました。ならば推薦枠で受験するしかないと考えて、推薦入試で受けられる大学をいろいろ探したところ、早稲田大学の社会科学部を見つけて「ここだ!」と思いましたね。

中村 社会科学部の自己推薦入試には作文の課題がありますが、どんなことを書いたのですか。

市川  僕は高校での勉強に力を入れていたので、まずは3年間きっちり勉強してきたことを書きました。2年生の時、コンテストで賞をいただいてからは学業と芸能活動と並行していたので、その大変さや、その中で気づいたことを自分なりに書きました。仕事をしながらで大変なことも多かったけれど、頑張って勉強を続けて両方をおろそかにしなかったことが今思えば良かったと思います。

中村 なるほど。念願の早稲田大学に入ってからも、大学生活と芸能活動を並行しているわけですが、大学生活は充実していますか。

市川  仕事があるので、ゼミやサークルに参加できないのは、ちょっと残念ですね。でも僕がいまいる環境もなかなか経験できることではないですし、大学生活を犠牲にしている分、仕事で幅広い年齢の方と話したり、いろんな魅力的な人たちに出会えたりする機会もあるので、それを大事にしようと思っています。

将来を見つけるために
幅広い学びを選ぶ方法も

中村 大学での学びは高校までとは違うところも多いはずです。大学の講義で印象に残っているものはありますか。

市川 臨床心理学がとても面白かったです。お芝居にも生かせるかなと思って受講したのですが、先生ご自身が臨床心理士で、すごく上手に学生から話を引き出すので、心理学により関心を持つようになりました。あとは、他の学部の人たちも横断的に受講できる講義で「恋愛学」というのがあって、人の相性を科学的にアプローチするという内容がとても面白く、印象的でした。

中村 心理学は、人を演じるといういまの仕事にもきっと役立つでしょうね。

市川  学んだことがそのまま生かせたという実感はまだないですが、どこか無意識のうちに仕事にも生きている部分があるかもしれないです。

中村 最後に、これから大学をめざす受験生たちへのアドバイスを。

市川 大学選びは、どんなことがきっかけであっても良いと思います。僕の場合は、祖父の出身校だったのがかなり大きかったですが、例えば憧れの先輩が通っているとか、自分が好きな有名人の母校だというのでも良いと思います。大事なのは、入った後に自分の人生にどう生かしていくか。授業だけでなく、人間関係やサークル活動なども含めて、自分の将来にいかにつなげられるかだと思います。たとえ入った時点では、そこが滑り止め校だったかもしれないけど、いい仲間に出会えたり、納得がいく勉強ができたりしたら、はじめにめざした学校に行くよりも、その後の将来にはるかにプラスになるかもしれないですよね。

中村 ただ受験生の中には、自分の学びたいことが決まっていない人も多い。医者や弁護士など、特定の職業をめざしている人以外は、大学に入ってから考えようという人も多いのが現実です。

市川 僕が在籍している社会科学部はいろんな分野の授業があるので、その中から自分でやりたいことを選んでいくうちに、自然と方向性が見えて来たりします。

中村 確かに社会科学だから、政治学も法学も経済学も幅広く学べますね。

市川 そうなんです。だから、まだやりたいことや将来が決まっていないという人たちは、幅広い授業が受けられる大学や学部に行ってみるのも、大学選びの一つの方法かもしれません。あえて最初から絞らずに、興味があることを色々と学ぶ中から、将来につながるものが見つかったらいいですね。(談)