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12月15日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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藤田保健衛生大学

医学部と6学科体制の医療科学部および大学院、看護専門学校を有する医療系総合大学。1964年、医師で科学者だった藤田啓介博士によって藤田学園が創立。建学の理念は「独創一理」で、一人ひとりの創造力が新しい時代を切り拓く力になり得る、という考えが示されている。藤田保健衛生大学病院をはじめ、3つの教育病院で幅広い医療を学べる環境があり、4つ目の教育病院も開院予定。臨床教育と同時に地域医療の充実に力を注ぎ、高度な研究で医療の発展にも貢献している。

〒470-1192
愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1番地98
TEL: 0562-93-2000(代)

医学教育分野別評価

世界水準かつ国内トップレベルの
評価を受けた医学教育

参加型の臨床実習に力を入れており、全学年で特色ある実習プログラムを導入。

「良き医療人」の育成を核に、医学・医療のあらゆる分野に優れた人材を送り出している藤田保健衛生大学。医学部では現在、「リサーチマインドの涵養(かんよう)」「グローバル化」「医療・介護・最先端医療・地域医療を担う新医療人」を基軸に教育改革を推進し、新たな医学教育を切り拓こうとしている。岩田仲生医学部長は「日進月歩の医療界では、常に学び、学んだことを実践に生かす力が必要。それを6年間で育てます」と力を込める。

まず、リサーチマインドとは、医療の進展や教育の基盤となる医学研究に不可欠な、課題解決策を探求するマインドのこと。それを、藤田式PBL(※1)と呼ばれるステップ式のアクティブ・ラーニングや、学生と教員の数が1:1という徹底した少人数教育など、独自のプログラムと体制で鍛え抜く。

また、グローバル化は、国境を越えて活躍できる医師の育成を意味する。英語力強化のために、TOEFLの一定レベルを進級要件にし、2016年度からは海外実習の枠を大幅に増加。さらに、日本医学教育評価機構が審査する「国際認証(※2)」(医学教育分野別認証)を受審した。この審査は国内で17番目、私立医科大学で5番目となる。2017年3月の結果では高く評価された分野が国内の受審大学の中でも多く、特に「教育プログラム」「教育資源」「統括および管理運営」の3分野と「全体評価」で高い評価を受けた。岩田医学部長は「改革が進む機となりました。国際的に認められた教育の質をより向上し、日本一の医学教育を目指します」と言う。

なお、受審の準備の過程で、臨床実習72週以上を365日の実施体制を整えることで実現。通常は初期研修からでないと携われない医療業務を、実習で経験できるのも特長だ。それが可能なのは、見守る教員と学生、患者の距離が近いから。患者の約70%がスチューデント・ドクターを快く受け入れている。

こうした教育や環境に加えて、伝統の多職種連携を生かして育成していくのが新医療人だ。これからの地域医療と福祉を担う医師や、臨床・研究両面で世界を相手に最先端医療をリードできる医師を国内外に輩出する。

※1 Problem Based Learning:問題解決型授業
※2 国際認証は、米国での医学教育の質を担保するため、WFME(世界医学教育連盟)が定めた制度で、2023年以降は認証を受けた大学医学部の卒業生だけが、米国内で医師として活動できるという方針を打ち出した。日本での国際認証は、WFMEの認可機関、JACME(日本医学教育評価機構)の医学教育分野別評価で審査される。

アセンブリ教育

先陣を切る独自のカリキュラムで
50年の歴史を持つチーム医療教育

チーム医療の基盤となる考え方や姿勢を身につける。

臨床検査学科・看護学科・放射線学科・リハビリテーション学科・臨床工学科・医療経営情報学科の6学科を置く医療科学部では、各職種のエキスパートを養成。全学科で全国トップクラスの国家試験合格率を誇り、2016年は6つの試験で100%(※3)を達成した。秘訣は、熱意あふれる教員陣の手厚いサポートと、教育環境などの資源を活用したカリキュラム。近年は、医療と介護の壁を超えた教育も実践している。

例えば、2013年には学校法人で病院を持つ大学で初の、在宅医療・介護・福祉サービスの拠点「地域包括ケア中核センター」を開設。看護学科・リハビリテーション学科を中心に実習も行っている。

また、近隣の豊明団地(愛知県豊明市)に「まちかど保健室」を設置し、相談対応や講座開催のほか、居住プロジェクトを推進。現在、学生・教職員約60人が団地に住み、各種行事、こども寺子屋、愛知県立豊明高等学校との合同イベントなどを通じてまちづくりに参加している。金田嘉清医療科学部長は「こうした試みも全国初。先陣を切るのも本学の伝統です」と自信を見せる。

藤田保健衛生大学の先進性の象徴といえるのがアセンブリ教育だろう。アセンブリは、学部・学校の枠を越えた活動を通して多職種連携に必要な力を養う、全学参加の必修授業。世の中にそうした認識がなかった50年以上前に取り入れ、建学時からの歴史を紡ぎ、継続・段階的に進むプログラムへ進化している。

1年次の「アセンブリⅠ」は、救急救命・搬送法などの講習や著名人を招く講演、運動・文化・研究系から選ぶ班活動。2年次の「Ⅱ」は5~8名のチームで地域連携やボランティアなどの自由なテーマに取り組む。3・4年次の「Ⅲ」は、5~6名のチームで地域の健康問題などの実践的課題に挑戦。4年次のみの「Ⅳ」は、他大学の学生も交え、臨床現場で問題解決に挑む活動にトライアル中だ。

チーム医療の精神を身につけた人材は医療界からのニーズが高く、就職率も全国トップクラス。金田医療科学部長は「本学の卒業生だから採用したい、と言われるのが誇り。また、大学院での研究の道も全学科に開けています」と話す。

※3 看護師:受験者109名中109名合格、保健師:受験者15名中15名合格、診療放射線技師:受験者62名中62名合格、理学療法士:受験者52名中52名合格、作業療法士:受験者44名中44名合格、臨床工学技士:受験者45名中45名合格

DPC件数 大学病院でNo.1

病床数日本一、幅広い診療を行い
グローバル化も進む教育病院

高度急性期から回復期、慢性期までを担い、安全で質の高い医療を提供している。

藤田保健衛生大学では、広大なキャンパスがそのまま医療の現場となっている。患者と家族、多様な医療スタッフが行き交う風景が日常だ。

実習の主舞台となる隣接の藤田保健衛生大学病院は、高度急性期医療から慢性期医療までを担う、国内屈指の規模の医療施設だ。1日の平均外来患者数は約2200人、入院患者を入れると3000人を超える。

厚労省による「DPC(※4)導入の影響評価に係る調査(退院患者調査)」で、同病院のDPC件数は全国の大学病院80施設中、2 0 1 5年に引き続き2年連続で第1位、全導入施設(DPC対象病院)中でも第2位だ。D P Cは、病名や症状を基に手術や処置などの内容に応じて定められた「診断群分類」のこと。その分類ごとに決められた、1日当たりの定額の医療費(包括点数)を基本にした新しい入院費用の計算方式が、急性期を担う病院で広がっている。

この件数が最多であることの意味を岩田医学部長は、「病床数が多く、バラエティーに富むので、教育病院としても優れていることを示します。大学病院では一部の症例しか見られない状況もありますが、本学の病院では一般的なものから希少なものまで、多様な診療に取り組んでおり、幅広い症例を身近で見て、学べるのです」と解説する

事実、病床数は一つの医療施設としては日本最多(※5)の1435床、展開する診療科は39という数。世界から注目される最先端医療を行っており、スーパードクターから直接学べる機会もある一方で、市中病院の役割も担っており、患者とふれあう機会も多いという特長がある。

病院としてのグローバル化も進む。外国人患者の受け入れ医療機関に認定されており、2017年末には新棟に訪日外国人患者専用の「国際医療センター」がオープンする。2018年には、医療の質と患者安全に関する国際基準のJCI認証の取得を目指している。

医療の今を感じて学べる最前線は、施設も近年の整備でますます充実。そこで知識や技術、人間性を含む「良き医療人」としての素養が日々育まれている。

※4 Diagnosis Procedure Combination:診断群分類
※5 日本病院会HPより

注目トピック

2020年、岡崎に4つ目の教育病院
三河地区初の大学病院を開設予定

2020年に岡崎市で開設予定の教育病院(イメージ)。

先進医療機器を備えた、特定機能病院でもある藤田保健衛生大学病院。名古屋市の中心部、金山エリア近くに位置する都市型総合病院の坂文種報德會病院。三重県津市に立地する緩和ケア・回復期リハビリテーションを専門に扱う、七栗記念病院。

藤田保健衛生大学ではこれら機能分化した3つの教育病院に加え、2020年4月に岡崎市で「藤田保健衛生大学岡崎医療センター」(仮称)の開設を予定している。

場所はJR岡崎駅の南。開設計画は岡崎市と岡崎市医師会の要請を受けたもので、市南部で初の総合病院、三河地区では初の大学病院となる。

24時間体制の救急科を設け、岡崎市内の救急搬送の30%が市外へ搬送されているという現状を改善する意向だ。ほかに循環器内科・消化器内科・胸部外科・脳卒中科・整形外科などの設置を予定。一般病床は400床を計画しており、地域医療圏の計画で不足するとされる600床余の半分以上をカバーする構想だ。

また、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入し、がん治療に重点をおく方針を立てている。藤田保健衛生大学病院では「ダヴィンチ」を全国に先駆けて導入。2008年10月~2016年12月のその手術実績は1598件に上り、国内大学で唯一、「ダヴィンチトレーニングセンター」も置いている。がん手術における実績も豊かで、そのノウハウがフルに生かされる。

三河地区にこれまでなかった医療を提供する新病院は、地域に貢献すると同時に、4つ目の教育病院として幅広い医療を学べる臨床教育の環境をますます充実させる。