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10月20日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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名古屋市立大学

名古屋薬学校(1884年開校)と名古屋市立女子高等医学専門学校(1943年開校)を源流とし、1950年に医学部・薬学部の2学部からなる公立大学として誕生。移り変わる社会の要請に応えながら不断の改革を推進し、現在は6学部・7研究科を擁する全国有数の総合大学に成長。知性、教養、創造力に富んだ有為な人材を多数輩出し、市民の健康増進に中核的役割を担うと共に、先端的な研究成果を世界に発信し続けている。

〒467-8601
名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
TEL: 052-851-5511(代)

新学部誕生

2018年4月、総合生命理学部(仮称)を開設
生命科学を〝核〟に、理学全体を俯瞰(ふかん)する教育で
次代の科学を担う理系人材を養成

分野横断的な教育研究を少人数制で手厚く実施する。

国や産業界から理系人材育成の必要性が指摘されるなか、東海3県には理学系学部が少なく、そのニーズに十分に応えられていないのが現状だ。そこで名古屋市立大学は、2018年4月に総合生命理学部(仮称・設置認可申請中)を新設(※)。入学定員は40人。基礎自然科学分野と数理情報科学の教育・研究力を強化して、地域への学術的貢献を高めていく。

自然の真理を探究する理学は、医学や工学など実用・応用的学問の発展基盤として、社会の発展に大きく寄与してきた学問分野だ。総合生命理学部では「生命情報コース」「数理物質情報コース」の2コース制を導入。生命科学に加え、基礎研究に必要な物質科学、数理情報科学の基本を総合的に理解した上で、その後専門を究める、独自の理学専門教育を展開。理学全体を俯瞰する能力を磨いていく。

具体的には次のような育成人材像がある。まずは、自然科学から情報科学にまたがる広い基礎を修得した人材。言い換えれば、自然科学の諸分野における専門基礎学力を備え、分野横断的な知識を修得し、高度化・複雑化する社会のあらゆる場面で、理系能力をバランス良く発揮できる〝次代の科学を担う人材〟だ。

次に、自ら問題を発見し、適切な解決方法を見いだして主体的に実行し、イノベーション創出に貢献する人材。理学の研究課題は、課題発見力や問題解決力を養うために最良の教材であり、理学の総合的な学修を通して、情報収集力、論理的思考力、企画力などを養い、高い倫理観を備えた社会の発展に貢献できる人材の育成を目指す。

そして、国際的視野に立って地域に貢献できる人材の育成も重視。英語文献から適切に情報を集め、専門分野における実用的なコミュニケーション力や発信力を養う専門教育カリキュラムを通じて、グローバルな視野から異文化を理解し、地域社会の発展を支える人材を養成していく。

基礎自然科学を学修する総合生命理学部は、大学院システム自然科学研究科のもとに設置され、学部から大学院までの一貫した教育が可能。今後は、医学部・薬学部・看護学部との連携を強化しながら、教育・研究・社会貢献のさらなる拡充を図っていく。

※ 記載の内容は計画段階のものであり、変更する可能性があります。

医療福祉への貢献

医薬看3学部を持つ大学の特色を生かし、
分野横断型の教育・研究を推進して、
〝地域で輝く未来の医療人〟を育てる

設備を強化し、最高水準の医療の提供を目指している。

東海地区では唯一、医・薬・看護の医療系3学部を有する名古屋市立大学。その強みを生かした分野横断型の教育と、地域連携のもとで行われるのが「地域が参加する医療人の育成」だ。例えば、医学部・薬学部・看護学部の初年次教育で取り組む「医療系学部連携チームによる地域参加型学習」では、学生が学部混成グループに分かれ、地域の自治会や商店街、さまざまな医療機関をフィールドに多面的な活動を展開。現実の地域社会ニーズを抽出して課題を解決すると共に、さまざまな人との関わりを通してチーム医療の基礎を修得し、医療人としてのプロフェッショナリズムの基盤を形成していく。また、医療関係者に経済学・経営学の専門教育を行い、〝医療経営人〟を養成する「医療経済マネジメントコース(大学院経済学研究科)」、企業と共に医療機器を開発し、〝開発型医療産業人〟を養成する「臨床医療デザイン学分野(大学院医学研究科)」など、学際的な先端教育を通じて未来の医療人育成にも力を注ぐ。

一方、最高水準の医療を提供することも、大学に課せられた大きな使命だ。2017年4月には、手術中のX線撮影・透視が可能なハイブリッド手術室、手術映像を鮮明に確認できる4K対応内視鏡手術室を増設するなど、医学部附属病院の設備を強化。また、今年度に附属病院に設置された「いたみセンター」では、慢性疼痛(とうつう)の心理社会的側面の重要性を学ぶプログラムを実践。幅広い分野の知見を持ち寄った、集学的なチーム医療によって、最善の治療と看護ケアの提供につなげるなど、地域が抱える医療課題への対応を進めている。

17年1月には、腹腔(ふくくう)鏡や内視鏡等を用いた高度な手術手技の修練の場となる「先端医療技術イノベーションセンター」も完成した。同センターは東海地域における産学協働拠点としての役割も担っており、人工知能研究の成果を盛り込んだ手術支援ロボットシステムなど、新たな術式や先端的診療機器の創出も期待される。

また、今年度「共用機器センター」を設置し、各研究科・学部の研究施設・設備の〝見える化〟を推進。全学的に共用化することで研究成果を高めていく。

地域貢献度No.1

瑞穂区、緑区と連携協力協定を締結
「地域に開かれた大学」を目指し、
教育・研究の成果を地域社会に還元

さつまいもは焼き芋にして販売し、収益を今後の活動に活用する。

2015年に発表された「大学の地域貢献度に関する全国調査」で東海地域1位にランクされるなど、多彩な地域貢献活動も名古屋市立大学の特色だ。なかでも名古屋市との連携を積極的に推進し、16年6月には瑞穂区役所と、17年3月には緑区役所と連携協力協定を締結。子ども虐待防止キャンペーン「『ぐんぐん』でみずほっぺと音楽会」、瑞穂ふれあい区民講座「18歳選挙権・主権者教育を考える」など、各種イベントの企画・参加を通じて大学の〝知〟を地域に還元し、教育・研究活動の充実、学生の実践力養成に取り組んでいる。また、名古屋市科学館と結ぶサイエンスパートナーシップでは、医学部・薬学部・システム自然科学研究科が、科学の楽しさを伝える普及・啓発活動を展開。次代を担う科学系人材の育成に力を注ぐ。さらに芸術工学部では、名古屋市環境局や名古屋市環境教育センターのPR映像を制作するなど、学部の特長を生かした幅広い連携活動が行われている。

企業との連携では、経済学部・人文社会学部の学生が参加する「旅行商品開発プロジェクト」が好評だ。同プロジェクトでは、学生の柔軟な発想を生かした旅行プランを企画。「冬の北海道」をテーマにした昨年度は、40~50代向けの団体旅行プラン「おとなの修学旅行」がグランプリを獲得し、これをもとに実際の旅行商品が販売された。

幅広い見識と豊かな人間性を涵養(かんよう)するため、大学も学内外での自主的な社会貢献活動を奨励・支援。昨年度は名古屋市消防局の活動の補完を目的に結成された「大学生消防団」に25人の学生が参加。救命救急活動の習得、防火・防災の普及活動が評価され、総務大臣感謝状を受贈。また、山(やま)の畑(はた)という地名が残る滝子キャンパス内に畑を作り、地域住民とさつまいもを栽培する「山の畑(はたけ)プロジェクト」など、新たな社会貢献活動も次々に誕生している。

医学部・人文社会学部・看護学部をはじめとする教員による「大学発! ハッピー子育て講座」など、市民向け公開講座も充実。今後も地域ニーズに対応し、幅広い世代に生涯学習の機会を提供することで社会に貢献。「地域に開かれた大学」を目指していく

注目トピック

大学院人間文化研究科に
「臨床心理コース」を開設

臨床心理士の資格を有する大学教員のもと、きめ細かな指導が行われている。

市立中学校に「なごや子ども応援委員会」を設置し、スクールカウンセラーを常勤させるなど、心の問題を抱える生徒・児童のケアに取り組む名古屋市。名古屋市立大学では、その担い手となる臨床心理士を養成するため大学院人間文化研究科人間文化専攻に「臨床心理コース」を開設した。

「臨床心理コース」の特徴は、大学の強みである医療系(医学研究科・医学部附属病院・看護学研究科)の教育資源を活用したカリキュラムが構築されていること。資格取得に必要な科目はもとより、実習や演習など応用実践科目を充実させ、予防活動を含めた包括的な対処ができる、優れた臨床心理士を養成。教育委員会と連携を深めながら、学校教育の現場で求められる幅広い知識と高度なスキルを備えた即戦力人材の育成を目指す。

また、コース開設に併せて、名古屋市立大学病院内に「医療心理センター」を開設。医学研究科、医学部附属病院、看護学部、人間文化研究科が密に連携し、人材育成のほか心理学に関わる学際的で先進的な実践研究を行う。センター内に設置された臨床心理相談室は、「臨床心理コース」の実習施設であるとともに、市民に開かれた相談施設としても利用され、学校や職場、家庭や家族の悩み、子どもの発達に関する相談など、総合病院の医療と連携してさまざまな心理相談を受け付ける。

医療系学部を有し、地域とのつながりを大切にする、名古屋市立大学ならではの魅力にあふれた教育・研究。今後も学内外の強い連携のもと、“チームの一員”として他職種と協働し、市民の心の健康と幸福に貢献する体制の拡充を行っていく予定だ。