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12月16日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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名古屋大学

起源は1871年設置の尾張藩仮病院・仮医学校に遡(さかのぼ)る。1939年に最後の帝国大学として開学し、現在は名古屋市内の3キャンパスに、9学部、13研究科、3附置研究所、3共同利用・共同研究拠点、18学内共同教育研究施設などを展開。中部、日本をリードする教育研究拠点だ。視点は世界に向いており、2015年に就任した松尾清一総長は、「名古屋大学松尾イニシアティブNU MIRAI 2020」を策定。世界屈指の研究大学を目指して、さまざまな取り組みを行っている。

〒464-8601
名古屋市千種区不老町
TEL: 052-789-5111

研究力

21世紀のノーベル賞受賞者6人を輩出
世界屈指の研究大学を目指して
数々のトップレベル研究を推進中

各研究拠点では、世界トップレベルの研究が進行。若手研究者の育成に力を注ぐ。

2015年度に松尾清一総長の新体制が始動した名古屋大学。これまでの成果を継続し、発展させるための事業目標「名古屋大学松尾イニシアティブ NU MIRAI 2020」が策定され、世界屈指の研究大学を目指した取り組みを行っている。

名古屋大学では、開学以来の伝統である「自由闊達(かったつ)」な学風のもと、高度な研究力と確かな実績を培ってきた。その象徴といえるのが、ノーベル賞受賞者だろう。2001年ノーベル化学賞の野依良治特別教授、08年ノーベル物理学賞の小林誠特別教授、益川敏英特別教授、同年ノーベル化学賞の下村脩特別教授、14年ノーベル物理学賞の赤﨑勇特別教授と天野浩未来材料・システム研究所教授。21世紀に入ってから、6人の大学関係者が受賞の栄誉に輝いている。

そんな基盤の上で、世界トップレベルの研究がいくつもの最先端研究拠点で進行中だ。例えば、WPI(※1)拠点「トランスフォーマティブ生命分子研究所」では、生命科学・技術を根底から変える革新的機能分子の創出に挑戦。益川特別教授が機構長を務める「素粒子宇宙起源研究機構」では、宇宙の未解決問題を解決し、宇宙や時空の起源の解明に挑む。天野教授がセンター長を務める「未来エレクトロニクス集積研究センター」では、GaNデバイスに代表される先端的エレクトロニクス研究と高度人材の育成で、未来のエレクトロニクス産業の基盤を創成する。

並行して、将来的に成果を出し続ける取り組みも推進。その一つの「最先端国際研究ユニット」では、世界の第一線で活躍する研究者を招聘(しょうへい)し、学内の優れた教員とのユニットを設け、次世代の最先端研究拠点形成を目指す。2016年度は、テクスト学、合成化学の2ユニットを採択し、2014年度の神経科学、素粒子物理学とあわせ4つのユニットが動き出している。

研究人材の育成も進む。教育研究の継続的発展には若手教員の質的・量的確保が重要であることから、「若手育成プログラム(YLC)」で毎年8名程度の若手を採用し、養成している。

最先端を走る幅広い研究と先を見据えた体制で、向かうのは〝世界屈指の研究大学〟という目標だ。

※1 World Premier International Research Center Initiative

教育力

海外トップ大学との共同学位を設置
さまざまな分野で次代をリードしていく
「勇気ある知識人」を育成

世界のトップ大学とのジョイントディグリープログラムを導入。写真はアデレード大学。

教育の目標に置くのは、社会貢献の高い志を持ち、深い専門性と幅広い視野で、国際的にも多様な分野でもリーダーシップを発揮する「勇気ある知識人」の育成だ。

世界標準の教育を推進するため、日本で初めて導入したのが海外の大学との「ジョイントディグリー(共同学位)プログラム」だ。4年の間で、2つの大学において一定期間教育を受け、両大学連名の学位を授与するというもので、連携先はいずれも世界のトップ大学。医学系研究科とオーストラリア・アデレード大学健康科学部との「名古屋大学・アデレード大学国際連携総合医学専攻」を皮切りに、理学研究科と英国エディンバラ大学、医学系研究科とスウェーデン・ルンド大学とのジョイントディグリープログラムを開設した。今後も増やしていく計画だ。

時代に沿った教育研究を進めるための改組も随時実施している。2017年4月には、情報学部と情報学研究科、人文学研究科を開設。情報学部では、ビッグデータや人工知能、IoT(※2)などを活用しながら、新しい価値を生み出せる人材を育成。人文学研究科は、従来の文学研究科・国際言語文化研究科・国際開発研究科国際コミュニケーション専攻を統合したもので、横断的連携を通じた新たな総合人文学の実現を目指す。

同時に工学部と工学研究科では、工学全般の分野を網羅して学べるように学科・専攻構成を再編。十分な基礎力の上に専門性を備え、それを生かしてイノベーションを創成し、世界で活躍できる工学系人材を育てる。

また、産官学にわたって活躍するリーダーの養成を目的にした文科省事業「博士課程教育リーディングプログラム」においては、全国で2番目に多い6プログラムが採択。環境やエネルギー、法整備支援、国際的なビジネス展開と国際連携、宇宙開拓、実世界データ環境学、グローバル女性リーダーの育成など、特長ある教育を実施する。視野を世界へ広げ、知識や論理的思考力、そして実践力も併せ持つグローバルリーダーを養成している。

※2 Internet of Things

国際化

スーパーグローバル大学として
留学生受け入れと海外派遣を一層拡大
そしてアジアのハブ大学へ

年間2千人以上の留学生が学ぶ国際色あふれるキャンパス。

名古屋大学は2014年に、国際化と大学改革を断行する大学を重点支援する文科省事業「スーパーグローバル大学創成支援」で、世界トップ100を目指す力があると認める「タイプA:トップ型」に採択された。

その象徴となるのが、国際色あふれるキャンパス。20年度末までに留学生を年間3千人受け入れる計画で、すでに90以上の国や地域から年間2千人以上の留学生を受け入れている。英語のみで卒業可能な「G30(グローバル30(※3))」プログラムを現在、学部で6つ、大学院で9つ展開しており、毎年、優秀な留学生が多数入学する。さらに大学全体でも英語による授業科目が増え、千七百科目以上が英語化されている。

海外への留学者数も順調に増えており、2010年に年間200人程度だったのが、15年には千人以上に。留学を後押しする「NU―OTI(ニュー・オッティ)」プログラムでは、「卒業までに学部生全員が留学」を目標にし、従来の1学期や1年間の交換留学に加え、数週間から1カ月程度の短期研修を多数用意し、危機管理や語学準備にも対応。さらに費用面でも各種サポートを行っている。

そして、長きにわたって地盤を固め、今では特色となっているのがアジア展開だ。

各国で法整備支援や医療行政に関わる人材育成を推進し、交流を深めてきた実績をベースに、近年は、日本初の海外キャンパス「アジアサテライトキャンパス学院」をスタートした。アジア諸国の政府幹部らに対し、長期間職場を離れることなく、専門分野の知識と経験を深め、博士学位を取得することを可能にしている。

14年度のモンゴル、ベトナム、カンボジアに続き、15年度にはラオス、ウズベキスタン、フィリピンで開校。16年度までに受け入れた学生は5研究科で合計30名となった。このキャンパスを起点にアジアの発展にさらに貢献し、ネットワークを強化。「成長するアジアと学ぶハブ大学」へと突き進む。

※3 大学の国際化のためのネットワーク形成事業(旧・国際化拠点整備事業)
※4 United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women

注目トピック

男女共同参画を推進する世界の10大学に選出

女性リーダー育成などの活動が評価され、「HeForShe」では世界の10大学に選出された。

2015年、国連機関UN Women(※4)が展開するジェンダー平等のための推進運動である「HeForShe」は、推進の旗手となる政府機関、高等教育機関、企業を10ずつ選ぶIMPACT 10×10×10を実施。世界の10大学に、日本の大学としては唯一、名古屋大学が選ばれた。

全国に先駆け、2003年1月に男女共同参画室を発足し、学内に保育園や学童保育所を導入。さらに「博士課程教育リーディングプログラム」の一つで、アジアの貧困問題や多様な健康問題、ジェンダー格差などの課題を解決に導く女性リーダーを育てる「〈ウェルビーイングinアジア〉実現のための女性リーダー育成プログラム」を筆頭に、女性リーダー育成にも積極的に取り組んできた。こうした活動と実績が評価された結果だ。

男女共同参画室では保育園や学童保育所以外にも、ワークライフバランス促進の支援、女性教員のためのメンタープログラムなど、幅広い活動を行っている。ユニークな取り組みでは、学内の理系女子学生のコミュニティー「あかりんご隊」の支援というもの。同コミュニティーは、理系の中で少数派になりがちな女子学生たちの「学生生活をもっと充実させたい」という声から誕生。就活生向けのメークセミナーや、子どもを対象にした出張実験など、さまざまな企画を実現している。

最近、社会全体で機運が高まっているジェンダー平等の実現。そのリーダー役として、今後も取り組みを増やし、内容を一層濃くしていく計画だ。「NU MIRAI 2020」にも男女共同参画の推進があげられており、具体的には、その拠点設立や女性教員比率20%の達成、女性管理職の登用推進などを進めている。