第4回  電子書籍はこれからどうなるか


西田宗千佳さん
にしだ・むねちか/1971年福井
県生まれ。フリージャーナリスト。
対象とする分野は、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。『iPad vs.キンドル 日本を巻き込む電子書籍
戦争の舞台裏』(エンターブレイン)など著書多数。新刊に『ソニーアッ プル 2大ブランドの次なるステージ』(朝日新聞出版)がある。

端末、書店、コンテンツの三つの視点から見てみます。

端末については、現在「(電子書籍)専用端末」に話題が集中していますが、台数ではパソコンやスマートフォン、タブレットの方がはるかに多い。今後はこうした汎用端末も含めて、いかに快適な読書を提供できるかが、ビジネスの鍵を握るでしょう。

そこで注目されるのが、書店の「質」です。電子書籍は紙の本と比べて、探しにくい。そのため、多くの書店では、特集やランキングの本だけが売れ、その他の本は、なかなか気づいてもらえないのが現状です。今後は本を探しやすく、選びやすい仕組みを整えたストアが、利用者から選ばれることになるでしょう。

また、いくら検索システムやリコメンド(推薦)プログラムが高度になっても、何が「よい本」であるかを決めるのは結局、人間です。電子書籍が普及し、コンテンツが充実していくにつれ、信頼できる「本のプロ」が、魅力的な本を選んで推薦する、書評、レビューの役割がクローズアップされていくと思います。

コンテンツについては、電子オリジナル書籍が増えてくると思います。雑誌記事よりは長く、本にするには短い、1万〜2万字くらいの中くらいの分量のコンテンツが要注目です。

電子書籍の持つ様々な可能性は、まさにいま開拓されようとしている真っ最中です。これからも、本のレプリカ(複製)にとどまらない、思いもつかないアイデアやサービスが次々と登場することでしょう。 (聞き手:林 智彦)


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