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がん夜間学校

2015年3月5日
もっと知ってほしい がんと痛みのこと

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【講師】

服部政治 (はっとり・せいじ)

がん研有明病院緩和ケアセンター/緩和・がん疼痛治療部 部長、東京女子医大非常勤講師、富山大非常勤講師

1967年神奈川県生まれ。1992年大分医科大卒。同麻酔学教室へ入局後、関連病院で麻酔科としての修行をし、99年に米国留学。メモリアル・スローン・ケタリング・キャンサーセンターで麻酔科ペインクリニック科による術後鎮痛ならびにがん性疼痛管理を学ぶ。2000年に帰国し、大分大医学部附属病院の緩和ケア支援チームリーダー。08年3月、がん性疼痛患者の中でも治療困難な激しい痛みに対する専門的な治療(Interventional pain treatment : 神経破壊、脊髄鎮痛法など)を中心としたがん性疼痛管理に取り組むため、がん研有明病院麻酔科(ペインクリニック)へ移籍。がん治療支援緩和ケアチームのリーダーを経て、2014年4月より麻酔科から独立してがん疼痛治療科を設立。緩和・がん疼痛治療部部長となり、現職。
日本麻酔科学会専門医、日本ペインクリニック学会専門医、日本緩和医療学会暫定指導医

1.基調講演

日本人の2人に1人ががんになる時代。その一方で、医学の進歩によってがんは「不治の病」から「治療できる病気」へと大きく変わりました。今や、国民の20人に1人が「がん経験者」とも言われています。

治療中に大きな課題となるのが、がんによる痛み。がんの治療を受けている患者の約30%が痛みを抱え、末期がんでは60~90%にのぼるという海外の調査結果もあるそうです。

また、一口に「がんの痛み」といっても、その要因は様々。がんそのものが引き起こすものだけでなく、手術など治療に伴うもの、精神的なものなど、複数の要因が複雑に絡み合っていることも少なくありません。

治療中の患者のQOL(生活の質)を大きく下げる要因ともなり得る「がんによる痛み」。私たちはどのように向き合えばいいのでしょうか。

服部さんがポイントとして挙げたのは

  • がんの痛みを我慢しない
  • 医療用麻薬の誤解を解く
  • 「緩和ケア」に対する誤解を解く

の3点。

最新の知見なども交えながら、詳しく解説していきます。

2.Q&Aトークセッション

「学級委員長」の田村建二・アピタル編集長と、「日直」の小林美幸・アナウンサーを交えてのQ&Aコーナーです。

「同じ痛み止めをずっと使っていると、だんだん効かなくなってくるというのは本当?」「副作用が強いとされている飲む痛み止めは、どういった場合に使うの?」「痛みを治療することによって、患者にこんなメリットがあった、という実例を教えてほしい」「がんの痛みを感じている患者に、家族としてどう接すればいい?」「痛みのコントロールは、具体的にどういうふうに行う?」など、今回もたくさんの質問をいただきました。

痛みに対して、日本人は訴えずに我慢してしまいがちだということについて、服部さんは自らの診療経験から、やはりその傾向はあるとのこと。特に、戦前から戦後の厳しい時代を経験してきた世代の方は「表情ひとつ変えずに、信じられないくらいに我慢され、見ているとかわいそうになってくるほど」だといいます。

「病気やけがに関しては、痛みがあればきちんと医療者に伝えることが大切。痛みを我慢することが本人にとっての『習慣』になっているのなら、その点は意識改革をしていただければと思います」というアドバイスもありました。