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がん夜間学校

2015年4月3日
もっと知ってほしい がんと在宅医療のこと

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【講師】

佐々木 淳 (ささき・じゅん)

悠翔会 理事長

1998年筑波大学医学専門学群卒業後、三井記念病院入局、2008年東京大学医学系研究科博士課程修了、2006年より現職。

1.基調講演

自分が最期を過ごしたい場所について聞いたところ、「自宅」が7割、「病院」が3割――2008年の厚生労働省の調査結果です。

ところが、孤独死や異常死などを除き、納得したかたちで自宅で最期を迎えることができた人は、実は1割にも満たない――これが現在の日本の現状とのこと。

この希望と現実のギャップは、先進国の中で最も大きいという指摘もあり、日本を「看取れない国」と評価する声もあるそうです。

では、なぜこのようなことになるのでしょうか。最期まで自宅で過ごすのに障害となる要因として、佐々木さんは

  • 「治療をしなければならない」という強迫観念
  • 在宅では緩和できない苦痛
  • 家族の不安と介護負担 + 本人の遠慮

の3点を挙げました。

今回の講義では、それぞれの問題点について解決策を探り、在宅医療を実現するための具体的なポイントを解説していきます。

2.Q&Aトークセッション

「学級委員長」の田村建二・アピタル編集長と、「日直」の小林美幸・アナウンサーを交えてのQ&Aコーナーです。

「在宅医療における、医療保険と介護保険のそれぞれの役割は?」「実際に在宅医療を始める前に、どのような情報を知っておくべき?」「在宅医療のケアは、自分の住んでいる地域でも受けられる?」「通院から在宅医療への移行はどのタイミングで行うべき? また、それは患者自らが決めるべき?」など、今回もたくさんの質問をいただきました。

「独り暮らしで在宅医療を受けることができるの?」という質問に対しては、「基本的にはそれほど難しいことではない」と佐々木さん。ただし、その方の生活を支えるチームがきちんと作られることが前提条件になるとのこと。医療者による医療面の支援だけでなく、ケアマネージャーや介護士らによる介護保険を使った生活全般の支援も欠かせないと指摘しました。

「医療が進歩した日本では、『病気は病院で治すもの』という考えでやってきました」と佐々木さん。「でも医療は万能ではなく、誰もがいずれ最期を迎えます。その時には過度に医療に頼らず、残された時間を大切に生きるという視点も必要ではないでしょうか」とのことでした。

◇                ◇

1年間にわたってお届けしてきた「アピタルがん夜間学校」の2014年度版も今回が最終回。全13回を通じてたくさんの方にご視聴いただき、ありがとうございました。