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広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

ニッポン、グローバル人材のリアル

Cygamesが見据える、ソシャゲの未来。
鍵は、e-Sports化と緻密なローカライゼーション

Cygamesが見据える、ソシャゲの未来。鍵は、e-Sports化と緻密なローカライゼーション

ゲームは日本を代表する産業のひとつだ。プラットフォームが家庭用ゲーム機のみならず、スマートフォンアプリにまで広がったいま、日本のゲームは新たな戦略を持って海を渡らなければならない。

世界中の人々の手にスマホが行き渡り、ゲームの裾野が広がった2012年、ソーシャルゲームアプリの雄Cygamesの『神撃のバハムート』は、全米アプリ売上ランキングで1位を獲得した。現在、世界市場での売り出しに力を入れている『Shadowverse』も好調だ。この現象の陰には、どのような戦略があったのだろうか?

2017年、28歳でCygames執行役員に就任し、現在海外事業部を統括する金瑞香さんに、海外進出成功の秘訣について聞いた。

株式会社Cygames 執行役員
金 瑞香
2012年 立教大学異文化コミュニケーション学部 卒業
2012年 株式会社CyberAgent 入社
2017年 株式会社Cygames 執行役員就任

いま、ソーシャルゲームはe-Sportsに

―本日はよろしくお願いします。金さんは新卒でCyberAgentに入社されて、すぐにCygamesに出向されています。現在、金さんはどのような業務に携わっていらっしゃるのですか?(以下敬称略)

金:2017年の2月にCygamesが海外事業部を立ち上げまして、そこの責任者をしています。メンバーは40人ほどで、3分の2がローカライゼーション(翻訳)のメンバー、その他がプロモーションや海外で行うe-Sports大会の企画を担当しています。現在、メインで海外進出を進めているのは『Shadowverse』というゲームです。

『Shadowverse』は、iOS・GooglePlay・DMM Games・Steamで配信されているデジタル対戦型トレーディングカードゲーム。対戦デッキ(ゲーム内で使用する40枚のカードの組み合わせ)を構成するカードは、メインストーリーのクリア・カードパックの購入・入手カードの分解/生成で手に入る。

―『Shadowverse』、CMでよく見ます。実際のテーブル上で行うカードゲームに近い、かなり本格的なデジタルのカードゲームですよね。ゲームを競技として行うe-Sportsというと、FPS(シューティングゲーム)や格闘ゲームのイメージが強いですが、『Shadowverse』もe-Sportsとして大会が行われているのでしょうか?

金:国内では3カ月に1回ほど、ゲーム内で使用するカードパックが発売されるタイミングに合わせて開催していまして、大きな大会の決勝戦は幕張メッセで開催するほどの規模になっています。参加者だけではなく、観戦に来るお客様も増えています。

海外で開催している大会でも、エントリーがすぐに埋まってしまうケースもあります。国内でも海外でも、着実に盛り上がってきているところですね。

―参加者のエントリー数だけでなく、観戦者も増えているんですね。国内と海外では大会の雰囲気は違いますか?

幕張メッセ(千葉県)で行われた大会の様子

金:e-Sportsは国内よりもアジア各国での方が盛り上がっていて、2017年11月には『Shadowverse』でも台湾で日本・台湾・韓国の対抗戦を開催しました。その時には、やはり違いが見えましたね。日本のチームは堅実に勝っていくためのデッキが多かったのですが、台湾や韓国のチームだと、大どんでん返しが起きるようなカードを入れたりして、試合をパフォーマンスとして魅せるためのデッキを組んでいるチームもありました。

―戦い方に違いが出てくるのは面白いですね。アジアのチームがパフォーマンスまで意識できるというのは、e-Sportsの経験値の違いかもしれません。

金:アジア各国と日本ではe-Sportsが受け入れられている土台が違うな、と感じるのですが、『Shadowverse』は日本発のスマホゲームなので、e-Sportsでも盛り上げていきたい、と思っています。

ゲームの中身は全世界統一。変えるのはプロモーション

―国別対抗戦ができるということは、ゲームのルールやカードは同じということですよね。日本版と海外版で違うところはありますか?

金:大会を実施するためにゲームの中身は変えていません。変えているのは言語とプロモーションする上での方針や方向性などです。いま、『Shadowverse』は174の国と地域の方々に遊んでいただけるようになっていまして、その中でも注力している地域に集中的にプロモーションをかけています。

―プロモーションを変えるというと、具体的にはどのような部分が変わってくるのでしょうか?

金:分かりやすいところだと、メインビジュアルにするキャラクターに差が出ますね。日本の漫画とアメコミの違いみたいなもので、北米では、戦う強い女性キャラが好まれて、日本をはじめとしたアジアでは可愛い女の子キャラが好まれる傾向にあります。

日本の「萌え」は一歩間違えると海外では犯罪になってしまうこともあるため、海外展開をする上では対象年齢にもすごく気を遣います。対象年齢が12歳以上か17歳以上かで表現の幅は変わってくるので、キャラの露出が激しすぎて狙い通りの対象年齢で売り出せなかった、ということがないよう、ゲームの開発段階からクリエイティブを見せてもらうこともあります。

―海外展開する上では、開発の時から考えていかなければならない部分もあるんですね。

金:日本では表現がかなり自由なのですが、世界中で楽しんでいただくとなると、不快に思ってしまうお客様がいるといけないので。宗教上の違いへの配慮も必要です。そういった部分は、ローカライゼーションの知見を蓄積して、ドキュメント化して開発チームと共有しています。

ローカライゼーションは、言語の翻訳だけではなく、国・地域の文化を理解することも非常に重要で、現地で実際に状況を見て、知り、一歩先まで考えていく必要があります。

現地のパートナーと組むからこそ、見えてくる地域性

―文化の違いをクリアしていくためのローカライゼーションなんですね。そういった知見はどうやって蓄積しているのでしょうか?

金:文化の違いを理解するために、まず現地語が話せるメンバーをその地域に配置しています。そして、必ず現地のプロモーターや代理店などをパートナーにすることを意識しています。

―海外でプロモーションを行うたびに、現地のパートナーを探すとなるとちょっと大変そうですね。

金:確かに、社内フロー的に楽なのは“海外に支社を持つ代理店と組む”ことです。国内で取り引きがあればお互いの事情も分かりやすいし、資料や見積書も日本語で作られてくるので。でもそれだと、現地の感覚に合わせるのは難しいのです。

例を挙げると、台湾で行ったイベントの物販で長蛇の列が出来ている様子を見た時に、「こんなに長時間並ばせていいの? 整理券を配らなくて良いの?」と不安に思ったのですが、台湾のパートナーさんは「盛り上がっていることを伝えるために、並ばせた方が良い」と考えているんですね。日本国内の感覚では、クレームにつながりそうなやり方でも、現場を見てみるとお客様が楽しく待ってくださっていたりします。

海外のプロモーションでは、他社の事例や情報をたくさん持っている現地のパートナーさんが強いですね。

意思決定能力が問われる、ローカライゼーションの現場

―日本の感覚では計れないやり方が海外にはたくさんありそうです。実際に海外に行っているメンバーが、現地でやりとりして本社につなぐ、という形ですか?

金:そうですね。企画書や見積書も、全部現地の言葉で出てくるのですが、Cygamesはスピード感のある会社なので、その外国語の書類をそのまま役員会議に持って行って説明します。

役員は何が書いてあるのか分からないのですが、「ここにはこういう事が書いてあります。やって良いですか?」と(笑)。

―強固な信頼関係の上じゃないと、成り立たないやり方ですね。メンバーひとりひとりの意思決定能力がかなり問われるのでは?

金:このやり方の何が良いかというと、役員も「現地のことは現地のメンバーにしか分からない」と考えているところです。実際のコミュニケーションとしては、“CygamesとしてこれはNG”というNGラインだけを引いて、そこをクリアすればどんどん挑戦して良い、としています。

―現場にいる人がその国に合わせた決断を任せられているのですね。他にも、ローカライゼーションを成功させるために必要な要素はありますか?

金:先ほどお話した台湾でのイベント運営の件も同じですが、何事もまずは受け入れることはとても大切だと思っています。時には、「本当にこれで良いのか」と迷うこともありますが、受け入れて、チャレンジしてみることも必要だと考えているので、NGラインだけは決めた上で任せようと。

―これからどのように海外進出を展開させたいと考えていますか?

金:『Shadowverse』でいうと、来年からプロモーション地域とe-Sportsの世界大会予選を行う地域を増やしていきたいです。会社としては、海外進出させるタイトルをもう1本増やして多様性を打ち出したいですね。Cygamesは「最高のコンテンツを作る会社」をミッションに掲げていますので、クオリティの高いコンテンツを出していくところに注力したいです。

学生時代から思い描いていた、海外での活躍

―学生時代から海外で仕事をしたいと考えていたんですか?

金:立教大学の異文化コミュニケーション学部では、言語や文化の違いについて学んだこと、海外に目を向けている学生が多い環境だったこともあり、当時から海外で仕事がしたいと考えていました。就職活動の時はソーシャルゲームが盛り上がっていたので、海外に行くチャンスもそこにあるのかな、と考えてCyberAgentに入社し、Cygamesに出向しました。

―いまは仕事で海外の方と話すことは日常的だと思うのですが、異文化コミュニケーション学部にも海外からの留学生は多かったですか?

金:私は1期生だったので、留学生の受け入れはこれからという時期でしたが、帰国子女は多かったです。「あなたは日本語以外だと何語が話せるの? 英語? 中国語? 朝鮮語?」みたいな状況で、二言語を話せて当たり前のような世界でした。そんなことを聞かれるのは初めてだったので、とても驚きましたね。

―1期生での入学だと、先輩がいなくて戸惑うことはありませんでしたか?

金:確かに、卒業生の進路が分からない面はありましたが、逆に前例が無かったので、様々なことに自由に取り組むことができました。その上で、自分とは考え方や出身の異なる人をどう認識し、どう歩み寄っていくかというコミュニケーション、海外で活躍する上で必要な要素の根幹を学部で育ててもらいましたね。

―1期生というまっさらな環境で培ったチャレンジ精神が、『Shadowverse』の海外展開という新しい舞台で活躍するための素地になっているのかもしれませんね。学生時代に海外を見据えて取り組んでいたことはありますか?

金:異文化コミュニケーション学部のプログラムで 2年次にカナダへ留学、大学の国際交流プログラムに参加して3年次に上海に行きました。様々な国の人に出会ったり、歴史に触れたりして、自分で行って自分の目で見ることはとても重要だと感じるようになりました。4年次の夏休みには北京に短期留学し、友達とマンスリーマンションを借りて過ごしました。

―外国語や異文化に触れてきた経験は、いま正に『Shadowverse』のローカライゼーションや現地パートナーさんとのコミュニケーションに活かされていますね。

金:興味を持つきっかけが大学に用意されていたことはとても恵まれていました。現在の異文化コミュニケーション学部は、さらに様々なことにチャレンジできる環境になっていて、後輩の学生さんたちが羨ましいなと思います。

―ご活躍されている姿は、いま立教大学に在学している後輩たちの希望になっているでしょうね。『Shadowverse』の盛り上がりも、各国での展開もとても楽しみです! 本日は、ありがとうございました。

キャリアの立教
―卒業後も活きる、立教大学の力―

立教大学は就職実績の高い大学として知られているが、就職先を決めて終わりではない。卒業生アンケートでは、9割を超える学生が自分の選んだ進路に満足しているという結果がある。

学生たちの進路の高い満足度を支えるのは、1年次から参加できる豊富なキャリア支援プログラムだ。3年次・4年次から突然就職活動を始めるのではなく、自分の将来を見据えた上で学びを積み上げるスタイルは多くの学生の自己実現をサポートしている。

次世代の人材育成の必須事項である「グローバル」に関しても、2014年に文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択された立教大学は具体的な目標を掲げている。

2017年度から本格スタートした「グローバル教養副専攻」は、自分の知的好奇心や学びの意欲に基づいて選択したグローバルなテーマを修得することで、多面的に物事を捉えて、持続的に考える能力を身につける。

この「捉え、考える力」こそ、大学を卒業したあとの長い人生で活きる力といえるだろう。キャリアとグローバルに重きを置く立教大学は、時代に合わせた人材を輩出し続けるだろう。

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