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広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

知識を生かす「知恵」。シンギュラリティ時代の生き方

知識を生かす「知恵」。シンギュラリティ時代の生き方

知識を生かす「知恵」。シンギュラリティ時代の生き方

今こそが、「学び直し」の好機だ。

学び直しの必要性は、未来予測とも結びつく。リンダ・グラットンが著書『LIFE SHIFT』でも提唱する「人生100年時代」では、今までの「教育」「仕事」「引退」の3つのライフステージが崩壊し、一度の人生のなかで複数の専門性を持つことが当たり前になると言われている。さらに、日本では、少子高齢化から労働人口が減少。総務省の『平成26年版 情報通信白書』によれば、2013年には生産年齢人口が8,000万人を下回り、2060年には4,418万人まで大幅に減少することが見込まれている。

これらを受け、政府も社会に出てからも生涯にわたって学習を続ける教育のかたち、いわゆる「リカレント教育」の重要性について強調している。安倍内閣も「人生100年時代構想会議」において、現役世代のキャリアアップを目的としたリカレント教育の拡充を検討している。学び直しへのニーズは高まっていると言えるだろう。

そんななか、「あらゆる人に学びの機会を提供したい」と語るのが、2018年4月に開学される東京通信大学で学長に就任する村岡洋一氏だ。

東京通信大学は、「スマホやPCで学び、通学不要で大卒資格<学士>を取得できる」( ※1)というほどのオンライン大学だ。同業種としては後発となるが、従来にない講義スタイルやシステムを整備し、4年間の学費が62万円(入学金込み)というオンライン完結型の大学でいちばん安い学費(※2)を実現。学びの意欲を持つ人々への機会を開こうとしている。

私たちが「学び直した先」には何が待つのだろうか。「リカレント教育」の必要性、そして未来について、村岡氏に話を伺った。

東京通信大学 学長
村岡 洋一
日本電信電話公社(現NTT)電気通信研究所、早稲田大学理工学術院教授、同大学副総長、日本学術会議会員などを歴任。 アメリカ・イリノイ大学Ph.D.。 現在、早稲田大学名誉教授、早稲田情報科学ジュニア・アカデミー総合監修。

シンギュラリティでは、「知識」より「知恵」が大事になる

2011年にニューヨーク市立大学のキャシー・デビッドソン氏は「2011年にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は大学卒業時に今は存在していない職業に就く」との調査を発表した。さらに2045年、人工知能(AI)が人間の知能を越える「シンギュラリティ(技術的特異点)」をむかえるともいわれている。つまり、未来の仕事はまだ私たちの目には見えず、さらに機械に代替されるであろう職種も多いということだ。

村岡氏はそのような時代において、「AmazonやGoogleのようなグローバルでの“勝ち組”ではなく、技術力を持たない“その他大勢”にとっては生き辛い時代になってしまうかもしれない」と危惧する。

また、既存の学校教育では「技術力を基にした創造力(想像力)」を鍛錬するのは限界があると話す。AmazonやGoogleは「枠に当てはめないこと」から生まれたことを思うと、「学生を強制的に枠へはめる授業」からは、そういった創造力は生まれにくいというわけだ。村岡氏は、この「枠に当てはめないこと」と「多様性があること」に大学が存在する必要性を見る。

そして、これからの人材のためには「単に知識をデリバリーするのみではなく、学校の枠には収まらない強力な“腕力”を育てる仕組みが必要」だと語る。その前提として、村岡氏は「知識」と「知恵」のちがいを強調した。

村岡学長(以下敬称略):知識は「あることについて知っている」こと、知恵は「知識を使って新しいものを創造できる」ことです。知識を習得するのみでは、これからの時代を真に生き延びることができる人材にはなり得ないでしょう。AIについて言えば、AIが人間を代替できるかどうかの議論をする前に、AIを口実にした人減らしは確実に進んでいます。私たちは、何があろうと必要とされる実力とは何かをみんなで考えなくてはならないのです。

では、すでに「その他大勢」に片足を踏み入れている人々が、「勝ち組」にまわることはできないのだろうか? AIを含めたITを扱う意味での「技術力」に関しては、広範囲な知識が求められていくからこそ、技術力を他人に借りることそのものは可能である。大切なのは、その全体を俯瞰できる視野を持つことだ。

村岡氏は、広範囲な知識を土台にし、技術力のある他者とチームを組む戦略を取るのであれば、「人を引きつける力」と「人を動かす力」が必須であると言う。

村岡:一人一人がシステム全体を俯瞰する視野を持ち、多様な背景を持つ他者とコミュニケーションをとって、複雑な問題を解決できる人材とならなければなりません。

たとえば、鉄道会社の列車運行システムの開発では、車両の配置から、ダイヤの管理、それに伴う信号機の操作、運行管理など、多種多彩な処理を要求されます。このような巨大なシステムでは、特定領域の専門家だけでは全体を設計できません。

また、そのシステムが鉄道会社や利用者、ひいては社会全体のニーズを取り込んでいることも大切です。社会や産業の仕組みを理解した上で情報システムを設計できる人、組織での個人特性と集団力学を理解して協力関係を構築できる人など、知恵を働かせ「異分野同士の融合」をできる人材になる必要があるのです。

なぜ「大人の学び直し」は広まらないのか?

しかしながら、知恵を働かせるためにも、前提となる「幅広い知識」は必要になる。あなたが学生だった頃に比べ、社会とその仕組みは複雑さを増していると感じているのではないだろうか。「大人の学び直し」が注目を浴びる一因はそれだろう。

ただ、日本において学び直しが浸透しているとは言い難い。文部科学省の資料では、2012年時点で25歳以上の大学型高等教育機関への入学者の割合は1.9%とOECD(経済協力開発機構)各国の平均18.1%を大きく下回り、先進国では最低値となる。

それほどまでに社会人が学び直せないのは、長時間労働のために勉強時間を確保できないことが主な要因としてあがっている。そのため村岡氏は、学び直しを定着させるには、時間的・経済的な障壁を取り除いた環境が必要だと語る。

村岡:大学に求められることは、学生が受講しやすくなるような仕組みを提供することです。たとえば東京通信大学の場合では、学生が納入しやすい学費を設定し、集中力を考慮して授業時間の最小単位を約15分にするなどの工夫をしました。忙しいビジネスパーソンでも、ちょっとした空き時間を有効利用して学習を進めることができます。

学び直しを当たり前の選択肢とするためには、環境のみならず受講者のモチベーションをいかに定めるか、そして雇用する企業が価値を認めるかも肝心だという。

村岡:多くの大学生が「卒業証書」を大学へ行く目的としてしまう実情がありますが、社会人の学び直しではそれは意味をなしません。「教養として」新しいことを学ぶ機会を得たい、スキルアップをしたいというのが大前提です。より自発的に学びの機会をつくることが求められるでしょう。

たとえば、「生産現場で働いているので、危険物取扱主任の資格を得る」という勉強ならば比較的わかりすい。しかしながら学び直しは、「業務に直結しないものでも学びたいと思えるかどうか」という「本質的な学びの姿勢」が必要になります。そして、その成果をどこまで企業が認めてくれるかは今後の課題といえるでしょう。

しかしながら、前述のように私たちは手をこまねき、日々を淡々と過ごすだけでは対応しきれない局面に行き当たる未来が見え始めている。長期的な視座に立ち、「学ぶ」という姿勢そのものを捉え直すタイミングが訪れているといえるだろう。

東京通信大学が目指す「オンラインでのコミュニティの再現」

そこで学び直しの選択肢に挙げられるのが、オンライン大学の受講だ。スマートフォンやPCを利用して講義を受けることもあり、前述した「時間的・経済的な障壁」だけでなく「地理的な障壁」も超えやすい仕組みが用意されている。

大学数が増えてきたことで、受講者は「何を学ぶか」「いかに続けるか」で取捨選択ができるようにもなってきた。村岡氏が学長を務める東京通信大学は、社会的ニーズをもとに2つの学部を設けた。ひとつは、情報技術や経営学を駆使した「経営問題分析力」「組織改革提案力」を身につけ、新しい付加価値を生み出すことができる人材を育成する情報マネジメント学部。もうひとつは、高齢者や支援を必要とする人々を地域全体でサポートする新しい「地域包括支援体制」の担い手を育てる人間福祉学部だ。社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格取得も目指せる。(スクーリングや実習が必要)

講義では、約15分の動画4本と小テストが1コマの基本構成になる。8コマを受講したのちに、単位認定試験かレポートを提出し、合格することで1単位を取得。学習の進捗は可視化され、学生は修了までの学習ペースをつかむことができる。

また、インストラクショナルデザイナーによる授業設計など、授業の品質担保に自信をのぞかせる。

村岡氏は授業の品質について述べた上で、「学びの機会をデリバリーさせるシステムは一応の完成を見た。これからはより学生の主体性が求められる環境になる」と語る。

村岡:ネットを通じた講義ですから、なにも考えなければ学生の興味や意欲の低下は避けられません。教員はそのことを強く意識して講義に臨みますが、何よりも1コマ約15分の授業にどれだけ学生が本気で取り組んでくれるか。これに尽きると思います。

東京通信大学の今後の展望は「ネットを使ったサークル活動のようにしていくこと」と村岡氏は語る。

村岡:大学の本質は多様性にあると信じています。この多様性をオンライン大学の環境でどのように学生から引き出せるか、これは挑戦的かつ非常に興味のある課題です。

「バーチャルな世界のみではなく、コミュニティを実現できるか」が鍵でしょう。人がお互いに集まって想像し、創造できる環境を実現できるだろうか、ということです。本学ではインターネットを介し、学生と教員を交えたディスカッション、論文の発表機会を用意しています。ネットの「場」に人が集まり、創造・想像し合う環境のなかで、現代社会で求められている「双方向」を意識できる学生が多く育ってほしいと思っています。

いま、あなたが手にしているスマートフォン、あるいは身を置いているインターネット空間も、ほんの10年前には全く異なる景色だった。時代に伴い情報はより絡み合い、暮らしの姿も変わりつつある。シンギュラリティをはじめとした「用意された答えのない未来」を生きていく私たちだからこそ、知識を使って新しいものを創造できる「知恵」を得る必要性はさらに高まっている。学び直しは、「来る次の10年」に対応し、さらなる未来を切り開くための第一歩となりうるのだろう。

東京通信大学はこちら


※1
一部の資格取得には、スクーリングや実習が必要です。
一部の授業や単位認定試験では、PCでの受講など、本学が指定する環境での受講が必要です。
※2
該当の科目を履修する場合には、他に教材費、スクーリング費、インターンシップ費、実習関連費が必要です。(2017年3月時点。東京通信大学調べ)
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