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サッカー漬けの日々のなかで医学の本質に出会う

東海大学医学部/外科学系呼吸器外科学 准教授
教育計画部 次長/国家試験対策委員長/博士(医学) 増田良太さん

サッカー漬けの日々を過ごしながら、当時の主治医の姿にあこがれ、医学部へ。現在、東海大学医学部付属病院で呼吸器外科の臨床に携わり、大学では学修プログラムの策定や、医師国家試験に向けての対策も中心になって推進している増田良太さん。常に患者さんや学生に寄り添いながら、医学の本質的な魅力や価値、相手の気持ちに寄り添う大切さを教えてくれる。

元気を与えられる仕事に

子どもの頃から運動することが好きで、高校まではサッカー部に所属していました。チームは全国大会の常連校でしたが、個人としては怪我(けが)に悩まされることが数多くあり、怪我をすればチーム練習から離れ、落ち込むことも少なからずあったのですが、そのたびに心身ともに強くなれたような気がしていました。そこにはお世話になった整形外科の主治医の先生の存在が欠かせませんでした。その先生は多忙ななか多くの時間を割いてくださり、怪我をしていない部分のトレーニングメニューを作成してくださるだけでなく、それを実行した際に得られる復帰後のメリットを常に前向きに説明してくださいました。そのほかにも、海外での学会活動や大学での学生教育についてのお話も幅広く聞かせていただき、診察が終わると「なぜか元気になっている自分」が存在していました。いつの間にか、こんな風に「元気を与えられる医師になりたい」という気持ちが芽生えてきたのだと思います。

その後、2年間の浪人生活を経て医学部に入学しました。本学には高校生を対象とした「アドミッションズ・オフィス入学試験(希望の星育成)」や社会人等も対象とした「一般編入学試験」といった様々な選抜方式があります。ですから、現役生から社会人を経験した人まで、さまざまな社会背景を持つ同級生とともに学ぶことが可能でした。こうした学びにより多様な価値観を受け入れることができるようになり、それが今でもいろいろな患者さんに対応するための基盤となっています。

学生時代は、教授や大学のサポート体制に支えられました。1年生では小グループに分かれて学修する機会がありますが、そのチューターには勉強のことのみならず様々な心配事の相談にものっていただきました。その後も、研究室で研究活動に参加させてくださる教授もいらっしゃいました。大学には、挑戦する学生にチャンスを与え、それを理解してサポートをし、さらに評価してフィードバックしてくれる教員が数多くいました。今となって振り返ってみると、これ以上ない贅沢(ぜいたく)な時間でした。

医師に必要なコミュニケーション能力

外科医を専門に決めたのは、医学部の5年生で臨床実習を開始した時です。外科は朝から晩まで非常に忙しいのですが、とにかく元気で明るく、いかなるときも患者さんを受け入れ、困難な症例にも協力して立ち向かう姿を目の当たりにしました。学生教育に熱心で、新しいことに挑戦し、常に前向きな臨床の雰囲気は、高校時代に憧れた整形外科医の姿をほうふつとさせ、その生き方に憧れました。

現在の専門は呼吸器外科で、肺がんなどを担当しています。若き日に、「手術を引き受けるときには、その人の一生を診てあげられるよう研鑽(けんさん)を積みなさい」、「治療方針に迷ったときには、自分の家族だったらどうするかと考えてみなさい」と指導されたことが私の礎となっています。同じ疾患の患者さんでも、一人ひとりの背景や性質は異なっています。したがって、これらを理解したうえで向き合っていく必要があり、コミュニケーション能力が問われます。もともと元気を与えたいと思って入った道なので、患者さんに寄り添ってともに考えていくことにやりがいを感じています。

最近では外科以外の仕事もするようになりました。医学部の教育計画部次長として主に医師国家試験対策に取り組んでいます。ここでも学生に寄り添うことが大切であり、できるだけ学生の生の声を聴き、学修プログラムに反映させていくことが私の責務と考えています。学生からの信頼を得なければ本音を話してもらうことはできないので、やはりコミュニケーションの大切さを日々感じています。

東海大学には初代医学部長の言葉「共存の医学」が受け継がれています。科学とヒューマニズムの融和、学際領域の統合が医学の道をよりよくしていくという考え方です。これから医師を志す人のなかには、さまざまな動機・背景の方もいるでしょう。文系だから、運動しかしてこなかったからとためらう必要はありません。自分の持っているものを大事にすることで、医学に生かせる時が来るので、ぜひ多様な人にトライしてもらいたいと思います。(談)

ますだ・りょうた/私立暁星高等学校卒業。東海大学医学部医学科卒業。東海大学大学院医学研究科で博士課程修了。肺扁平上皮がんの研究に従事。専門は呼吸器外科学。主に肺がんの集学的治療に携わる。

※掲載内容は取材・作成当時のものです。

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