「神話のふるさと、宮崎を往く。」人々の生活のすぐ側で、古代の神話への入り口があちらこちらで扉を開けている。天つ神と国つ神の間、黄泉の国と地上の国と行きつ戻りつしながら日本が誕生した、そんな神話の世界を旅した。
「古事記」に記された日本を生んだ神々の物語。その舞台の大半が、宮崎県内のあちこちに残されている。宿泊先のシーガイアのホテルから歩ける距離にある小さな池が、多くの神々が誕生した「みそぎ池」であったり、池の隣の阿波岐原(あわきがはら)にある「江田神社」こそ、“筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原"と神道の枕詞に登場する古社なのだ。
宮崎に来る前に神話に関する本を3冊読んできたという池井戸さん。「京都で、あちらの世とこちらの世を行き来できる井戸を見せてもらったのですが、今回の宮崎では、黄泉の国から戻って神を生んだ場所を訪ねる旅を楽しみにしていました」

ホテルを出発して海岸沿いを南下し、青島の中にある「青島神社」を目指す。天の神と地上の国の間に生まれた初めての神である海幸彦と山幸彦。海幸彦は青島付近で魚をとっていたとされている。古くから神域として人の出入りを制限していたため、島には昔のままの南国らしい植生が残されている。
「鵜戸神宮」は、さらに車で30分ほど南下した海沿いの洞窟の中にある。
「鵜戸神宮は神武天皇の父にあたるウガヤフキアエズが生まれた場所ですが、お母さんがワニというのが面白い。出雲大社がある出雲も神話の里として有名だけれど、宮崎を追放された暴れん坊のスサノオが行った先の話です。実際に鵜戸神宮に足を運んでみると、パワーをすごく感じましたし、日本の原点は宮崎にあるという思いが強くなりました」

青島神社から鵜戸神宮へ抜ける道は、左側に“鬼の洗濯板”と呼ばれる、硬い砂岩層が板のように積み重なって見える奇観を楽しめる海岸線が続く。
「青島神社では、島の中央の元宮で平瓮(ひらか)を投げて吉凶を占い、堀切峠で鬼の洗濯岩を眺める日南らしい風景を楽しみ、荒波寄せる鵜戸神宮の散策も興味深いものが多くありました。日南の海岸線は、江戸時代のメインストリートだったそうですが、クルマを停めたいスポットがたくさんありますね」

Audi RS 6 Avant
その後、飫肥(おび)の城下町の石垣や武家屋敷通りまで足を延ばす。
宮崎に到着した日は、トランクに荷物を載せて、照葉樹の森のワインディングロードのドライブを楽しんだ。
Audi RS 6 Avantのハンドルを握り、様々な表情のある道を走らせた池井戸さん。
「普段自分が乗っている同スペックのクルマを、宮崎の独特な地形で走らせるいい経験ができました。宮崎市内は渋滞もなく、のんびりしていて、気持ちのいいドライブになりました」

Text by Eri Magara
池井戸潤のエッセイはこちら

青島神社
海幸彦・山幸彦の舞台。周囲1.5kmの青島全島を境内地とし、亜熱帯植物で覆われた景観は南の島のような雰囲気。人の出入りを制限してきたので、昔の植生が残っている。

住所:〒889-2162 宮崎県宮崎市青島2丁目13-1
電話:0985-65-1262

青島神社 公式サイト
青島神社

鵜戸神宮
トヨタマヒメが出産したとされる日向灘に面した断崖の中腹の岩窟内に本殿が鎮座し、崖に沿って石段を降りて参拝する。本殿前の亀石の窪みに運玉を投げ入れ、入ると願いが叶うといわれている。

住所:887-0101 宮崎県日南市宮浦3232
電話:0987-29-1001

鵜戸神宮 公式サイト
鵜戸神宮

Audi RS 6 Avant
池井戸氏の愛車でもあるAudi RS 6 Avantは、ハンドルを握る喜びと、荷物が積める実用性を兼ね備えた希有な一台。
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Audi RS 6 Avant

Art Direction : Hiroyuki Aoki (Mag) Photograph : Kiyoshi Tanaka Edit : Mitsuhide Sako , Eri Magara Produce : Teruhiro Yamamoto ( AERA STYLE MAGAZINE )