「生後127歳。蘇生する森を歩く」人の努力と、自然の力と。その両方で荒れ地に緑を取り戻した場所がフクシマにはある。鳥や動物たちが新しい種を運び、表情豊かな沼が人を呼ぶ。
127年の再生の物語を訪ねた。
幕末の戊辰戦争で激しい戦闘の地となった会津に、明治維新からわずか21年後、大きな自然災害が襲う。磐梯山の噴火である。
山が大きく崩れ、150メートルもの高さに岩が積もった場所もあった。大量の岩が川を堰き止め、一年も経たないうちに、現在の桧原湖、小野川湖、秋元湖が作られていった。大小様々な30以上の沼から成る五色沼湖沼群も、その時にできたものだ。

荒れ地となった裏磐梯を緑の山に再生したいと願う人々の手によって、苦労してアカマツの苗木が運ばれ、植林された。噴火から約120年が経過した現在は、アカマツの間でブナやミズナラの若木が大きく枝葉を伸ばし始めている。裏磐梯周辺の緑は、再生の途上を見ることができる貴重な森でもあるのだ。樹種が安定した白神山地のような極層林になるまで、変化しながら成長していくのだろう。

そんな、力強く再生しているフクシマの緑を間近で見たいと、池井戸さんは五色沼に向かった。この日は台風一過の青空が広がる絶好のトレッキング日和。しばしAudi S7 Sportbackのドライバーズシートを離れ、五色沼のトレッキングを楽しんだ。裏磐梯の自然をわかりやすく紹介している『裏磐梯ビジターセンター』から、『星野リゾート 裏磐梯ホテル』にほど近い探勝路の出口まで約1時間半、標高差40メートルと高低差の少ない歩きやすいコースだ。

五色沼湖沼群はその名の通り、沼によって色が違う。磐梯山火口の酸性の水源と、沼近くで湧き出すアルカリ性の水が混じりあい、青く見える沼が青沼だ。沼の底でマット状に育ったウカミカマゴケのグリーンが神秘的な表情を見せる。ひとつひとつ色や雰囲気の違う沼や、コースの中ほどには清冽な水が流れる渓流などもあり、あっという間の1時間半だ。

Text by Eri Magara

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約4万年前の爆発と明治21年の爆発を、日本列島付近のプレートの動きを想像しながら荒々しい磐梯山の姿を巨視的に見るのも楽しいけど、今回五色沼を案内いただいた裏磐梯エコツーリズム協会会長の真野真理子さんは、マクロレンズで覗くような視点で見るトレッキングの楽しさを教えてくれた先生となった。

足元にころがってる松ぼっくりをさっと拾い「ウサギが食べた松ぼっくりです」と食跡を見せてくれたかと思うと、「この若葉がブナの新芽です」「アケビの花が咲いてますね」「クロサンショウウオの卵です」と、次々に近距離で見る森の楽しさを教えてくれる。

「自然を愛でるのにそのテがあったかと、気づかせてもらいました。もう釣りに行って全然魚が釣れなくても大丈夫。葉っぱ一枚の表情の違いを楽しめるから!」と、池井戸さんも新しい視点に熱中!

星野リゾート 裏磐梯ホテル

五色沼自然探勝路の入口へ、徒歩でアクセスできる場所にある。ガイドつきのアクティビティも企画されている。桧原湖を見渡せる露天風呂など、裏磐梯の自然の魅力をたっぷり堪能できるホテルだ。

住所:〒969-2701
   福島県耶麻郡北塩原村大字檜原字湯平山1171-1
電話:0241-37-1234(8:00~21:00)

※株式会社星野リゾートによる「星野リゾート 裏磐梯ホテル」の運営は2015年9月30日で終了いたします。
10月以降の運営につきましては「裏磐梯レイクリゾート」として新規開業いたします。

星野リゾート 裏磐梯ホテル 公式サイト

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