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JAISTシンポジウム2017 Autumn in 東京 Breakthrough グローバル×テクノロジーで社会を変革する

技術の進化が変える世界の形
多様性認める力が発展の鍵に

グローバル社会が加速度的に拡大し、テクノロジーが発展する中、未来を生き抜くためには何を学んで、どう生きればいいのでしょうか。
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST※)のシンポジウム「Breakthrough グローバル×テクノロジーで社会を変革する」が11月18日、東京の品川グランドホールで開かれました。茂木健一郎さんをナビゲーターに迎え、元グーグル副社長の村上憲郎さんの講演、小島慶子さんや修了生を交えたパネルディスカッションを展開。自由に活発な意見が交わされた当日の模様をお届けします。
※「Japan Advanced Institute of Science and Technology」の略
基調講演

世界で戦える発想 テクノロジーの未来

人の働き方、歴史的転機迎える

村上 憲郎

元グーグル副社長 村上 憲郎

優れたビジネスモデルと「どの分野で戦うか」が重要

 グーグルは「インターネット上の情報とユーザーを結びつける」ことを仕事として発展してきた。世界で戦うには、技術的なイノベーションはもちろんだが、ビジネスモデルが最も大切だ。グーグルのビジネスモデルは「世界中の情報を整理し、世界中の人が無料でアクセスできるようにする」こと。「無料」がポイントで、収入は広告で得る。グーグル自身はコンテンツを所有しない、という点も肝だ。

 ビジネスモデルに加え、プラットフォームを作れればさらに強い。グーグルはクラウドコンピューティングの技術を使い、検索に加えてメール、動画、オンラインストレージなど多彩なサービスを提供してプラットフォームを築いている。

 スマホやタブレット端末の次に普及しそうなのは、身につけられるウェアラブルデバイス。拡張現実(AR)を見られる眼鏡や、手首につけて血圧や脈拍などを測れるスマートウオッチが登場している。今後は、眼球や耳、義手などに応用し、神経系統とも結ぶ「インプランタブルデバイス」もできるだろう。技術がどう進化しても、企業が生き残るには「どこを主戦場にするか」を決めるリーダーシップが重要になる。成長している企業には、必ず優れたリーダーがいる。

進化するIoTとAI 競争力につながる「自分にできること」を

 インターネットの新しい地平が広がり、あらゆるモノがネットにつながるIoTが発展する中で、注目されているのが人工知能(AI)だ。ビッグデータをもとに、AIが自ら学んで成長するディープラーニング(深層学習)技術が期待を集めている。超高速で計算できる「量子コンピューター」の出現もAIの進化を支える。

 既に、音声認識技術などで人々の行動を支えるサービスがあるが、AIが進化すると、生活全般をサポートするバトラー(執事)サービスも実現しそうだ。

 今春、日本とドイツは技術開発や人材育成で協力する「ハノーバー宣言」に署名し、私もかかわった。テーマは「インダストリー4・0」(第四次産業革命)で、これもIoTやAIが基盤になっている。実現すると生産性や効率が上がり、消費者1人1人に向けてそれぞれ好みの製品を安価に製造して届けることも可能になる。

 この流れは、人の働き方にも大きな影響を及ぼす。工場の現場は無人になるかもしれないし、定型的な事務作業も機械がするようになるだろう。弁護士のような専門職も例外ではない。例えば、判例を調べたり書類を整えたりして弁護士を補助するパラリーガルの仕事をAIに置き換える動きがある。将来は、AIパラリーガルを使いこなせるかが弁護士の評価を左右しうる。

 「雇用」という面では、未来はバラ色とは限らない。それゆえに、セーフティネットとしてベーシックインカムなどのアイデアも出てきている。人類史を画するようなことが起こりつつあるが、皆さんはぜひ、常に「自分にできること」を養って、グローバル人材として活躍できる競争力につなげていってください。

むらかみ・のりお大分県出身。京都大学工学部卒業後、日立電子、DECなどを経て2003年、グーグル米国本社副社長兼日本法人社長に就任。11年に退任、村上憲郎事務所を設立。現在、東京工業大学学長アドバイザリーボード委員などを務める。

世界中から学生が集う
グローバルな環境「考える力」のある学生が自由に研究できる

国立大学法人
北陸先端科学技術大学院大学
学長 浅野 哲夫

 JAISTは学生数約1100名の(国立)大学院大学です。うち200名が品川で学ぶ「東京社会人コース」の学生で、石川県能美市のキャンパスでは約900名が学んでいます。その半数が海外からの学生というグローバルな環境で、留学生の出身国は32か国に及びます。32通りの文化を吸収できる可能性があり、ある1か国に留学する以上の効果があると自負しています。学生の年齢や経歴も幅広く、多様なバックグラウンドをもった仲間と一緒に研究できることも魅力です。

 本学は、入学試験に筆記試験はありません。30分の面接で、何を研究したいのかを聞きます。面接では「○○を知っていますか」という問いはしません。知識を蓄えることよりも「考える力」が大切だからです。

 2016年には、それまで三つあった研究科を一つに統合して、学生がより自由に選択して好きなことを勉強できるようにしました。学生に自ら考えさせ,自ら目標管理できることが大切だと考えるからです。JAISTは、個性的で優秀な修了生を輩出し続けます。考える意欲のある学生に、ぜひ入学してほしいと思っています。

パネルディスカッション

これからのグローバル人材と加速していく社会

「何でもやっていい」の精神で挑戦

タレント、エッセイスト 小島 慶子氏

タレント、エッセイスト

小島 慶子

こじま・けいこ●元TBSアナウンサー。2010年退社後、エッセイなどで幅広く活躍。夫と二人の息子とともにオーストラリア在住。自らは仕事のある日本と往復する生活。

脳科学者 茂木 健一郎氏

脳科学者

茂木 健一郎

もぎ・けんいちろう●「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに文芸批評、美術評論、小説作品などにも取り組んでいる。

竹原 JAISTを修了し社会で活躍中の3人に、現在の取り組みと学生生活を話していただきます。

金原 電気を通すインクを作るベンチャーを起業し、5年で時価総額30億円の企業に成長しました。目標は「世界一いいインクを安く届ける」。大学の教員を10年務めた後、「自分で研究室を作れば楽しいはず」と考え起業しました。好きなことをすると人生楽しい。JAISTで学んだ論理的な思考は、経営にも役立っています。

茂木 30 億円!(拍手)。海外では大学教員を経てベンチャー経営で成功している方が多いですし、頑張って欲しいですね。

木下 学生時代から「学際」に興味があり、異なる専攻の学生が一緒に学ぶ企画などを立ち上げていました。JAISTに進学したのは、自由に学べる環境に魅力を感じたから。留学生が多く、異文化コミュニケーションも身につきました。現在は、日本とベトナムで幅広い事業展開をする企業でパブリックリレーションズを担っています。

JAIST修了生 金原 正幸氏

JAIST修了生

金原 正幸

株式会社C-INK 代表取締役社長

JAIST修了生 宮下 芳明氏

JAIST修了生

宮下 芳明

明治大学 総合数理学部
先端メディアサイエンス学科 教授

宮下 JAISTでは人の表現能力を増強する楽器など、音楽にかかわる研究に打ち込みました。今は「コピー機並みに使いやすい3Dプリンター」などの先端技術を研究しています。例えば、一人一人の指にぴったり合う指輪をすぐに作ることもできます。

村上 この技術はすごい。直ちに起業してください。私も資本入れますので(笑い)。

宮下 いえいえ、私は教育が楽しいので…。先端技術に触れる学生の発想はおのずとグローバルになります。花見の場に3Dプリンターを持ち込んで食器をその場で作っていたら、学生たちが「これから世界中の物流は大きく変わるかもね」と話していました。

小島 こういう先端技術に触れると「機械にはできなくて、自分たち人間ができることは何だろう」と、子どもや学生が生き方を考えるきっかけにもなりそうです。

茂木 ところでJAISTは石川県にありますが、その点はいかがですか。

村上 海外では都心に立地しない優秀な大学や企業が数多くあります。そういう環境から、違いが分かる人材が育ち、勢いが生まれています。

小島 そういう「目利き」がもっと増えて欲しいですが、どうやって育つのでしょう。

村上 「右に倣え」の社会を変える必要があります。例えば本の企業は「個性ある人を採用したい」といつつ、黒い服の学生を採るでしょう。就活ではリクルートスーツで来たら門前払いにするぐらいしないと(会場拍手)。

JAIST修了生 木下 浩之氏

JAIST修了生

木下 浩之

三谷産業株式会社
コーポレート本部企画課

コーディネーター 竹原 大祐

コーディネーター

竹原 大祐

朝日新聞社
教育総合本部ディレクター

木下 日本では、大学や会社など所属する組織に縛られすぎる面もありますね。学際研究では、みんなが専攻に関係なく勝手に学び始めたんです。何かに所属する前にまず「主体的な自分」があれば、勉強も仕事も楽しいはず。分野にとらわれずに何でもやってみれば、ブレークスルーが起こせます。

宮下 私はJAISTで「何でもやっていいんだ」と学びました。そのおかげで、金沢駅前の大きなホールで「実験」の一環としてコンサートもでき、感謝しています。

金原 楽器じゃないもので音を出すおかしなコンサートだったね(笑い)。社会全体が寛容になり、すべての人がポテンシャルを発揮できるといいと思う。私自身もそういう会社を目指して経営しています。その方が発展しますよ。

宮下 すべての人が違う多様性がある世界の中で、お互いの壁を越えてビジョンを伝えられることが、これからのグローバル人材だと思います。インターネットが世界をつないでも、一人一人の多様性は変わりませんから。

小島 「グローバル」というと海外に行くべきだと考えがちですが、地球上すべての場所に多様性があります。4年前から豪州に住んでいますが、日本も豪州も多様な社会です。ここにもJAIST出身のこんなに面白い方がいるじゃないですか(笑い)。「グローバル」は私たちそれぞれの足元にあります。みんな、地球のどこかの上に立っているわけですから。

村上 自分が立つところが世界の中心です。「自己中」でいいので、皆さんやりたいことをやり通してください。

茂木 いやあ、笑いが絶えない楽しいディスカッションでした。

竹原 ありがとうございました。

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