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家庭と医療機関をつなぐ「自測の未来」

2016年11月1日

 自分で測って、自分で健康を守る。「自測」の未来はどうなっていくのでしょうか。
 血圧を毎日、自分で測ったとしても、今度はそのデータをどのように利用し、自身の健康管理につなげていくのかが大切になってきます。家庭で測定したすべての血圧値を正確に記録し、医師に伝えるのは難しい課題です。また、せっかく血圧手帳を持参しても短い診察時間の間で充分活用されない場合もあります。近年、このような課題を解決し、家庭で血圧を測定するモチベーションを促すために、ICT(情報通信技術)を介した血圧管理サービス「メディカルリンク」が生まれました。このサービスを利用して実験的な試みを始めている二つの先進事例を紹介しましょう。
 沖縄県の座間味、渡嘉敷、多良間島などの離島では、多くの現役世代が島外へ転出し、高齢者の単身世帯が増えています。さらに、島には専門的な医療機関が少なく、島民の健康不安につながっています。そこで、2014年の夏からメディカルリンクを使った医療連携が始まりました。利用者が自宅で血圧を測ると、そのデータが室温、測定日時などとともに自動的に専用のサーバーに送信されます。医療従事者は、測定データをパソコンからリアルタイムで見ることができ、分かりやすくグラフ化されたデータを使って適切な診察を行うことができます。利用者が測り忘れたときはアラートメールが届いたり、家族には定期的に測定結果のメールが届くため、利用者は見守られ感や安心感が得られます。こうしたことを通じて、医療従事者、家族とのコミュニケーションも活発になり、利用者の健康意識も高まってきたそうです。
 一方、メディカルリンクを利用して、住民の健康づくりと町づくりのため、家庭血圧測定への動機付けを工夫した取り組みもあります。福島県会津美里町では、家庭血圧を測るとポイントが付与され、町の商店街で使える商品券に交換できる制度を導入しました。家庭で1日朝晩、血圧を測ると20ポイント。健康診断の結果を提出すると500ポイントが加算されるなど、健康に関する行動の量と質に応じてポイントが得られる仕組みです。血圧測定に付加価値をつけることで、住民の健康管理へのやる気を促し、地域活性化にもつながっているそうです。
 少子高齢化が進み、単身高齢者世帯が増える将来の日本では、医療機関と家庭を結びつけ、リアルタイムで健康状態をチェックできる、このようなシステムが必要です。日々の家庭血圧測定が負担なくできるようになり、医療機関連携が進んで、脳・心血管疾患の発症を未然に防ぐ。10年先にはこれらが当たり前の風景になっているかもしれません。


沖縄県離島の地図

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