【一軒一軒を訪問した損害調査活動】
早期に共済金をお受け取りいただけるようJAとJA共済連が連携して
損害調査を行っています。
【災害シート】
自然災害などの被害にあった契約者を対象とした救援活動で、
生活の立て直しを支援しています。
林 今回は、協同組合の「助け合い」の活動を見ていきましょう。地震や台風などの自然災害、病気やケガなどの「もしもの時」に備え、農業協同組合(JA)では「共済事業」を行っています。生活における様々なリスクに対して保障を提供し、組合員やその家族、地域住民のくらしと将来の安心を守ることが目的です。
上川 「保険」とはどう違うのですか。
林 災害や事故などに見舞われた時、生活を守るためのお金を受け取ることができるのは同じですが、共済の「済」には救う、助けるという意味があり、不測の事故があった時に支払われる「共済金」の原資は、組合員があらかじめお金を出し合って準備した協同の財産という位置付けです。利益追求を目的としない、利用者同士の「助け合い」の制度であることが、共済事業の大きな特徴といえるでしょう。
上川 共に救う、お互いを助けるから「共済」なんですね。
林 そう、つまり共済事業は、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という協同組合の精神を保障制度で実現しているんです。
上川 共済には、どのような種類がありますか。
林 病気・ケガ、老後の備えや自動車事故など、くらしの「もしも」に備えるものから、火災や地震、台風など予測できない「もしも」に備えるものまで幅広い保障があります。生活を取り巻く様々なリスクに備えることで、組合員やその家族、そして地域住民が安心して豊かな毎日を送ることができるようサポートしているのが「共済」なんです。
JA長野厚生連 富士見高原医療福祉センター 富士見高原病院
上川 でも先生、「安心を守る」って災害や事故に備えることだけじゃないですよね。JAでは、地域の健康づくりの取り組みも行っているって聞きましたけど。
林 よく知っていますね。地域の人たちの健康を守るため、地域の実情に合わせて、農村検診センターを設置したり検診車を巡回させて健康診断を行っています。また、全国32の都道県で33の連合会を組織して、108病院・65診療所などを設置・運営しています(2017年3月現在)。高度医療に対応できる病院もあるんです。
上川 いざという時、遠くの病院まで行かなくていいと思うと安心ですね。
林 へき地など人口が少ない地域は経営が厳しいですが、医療はもちろん必要です。JAの病院は、4割強の46施設が人口5万人未満の市町村にあり、その地域の人にとっては貴重なライフラインとなっています。利益追求ではなく、協同組合の「みんなで地域を守る」理念があるからこそ、実現できる取り組みといえますね。
富士見高原病院は、救急医療から介護と在宅ケアまで担う、地域医療の拠点です。